召使い日誌〜設定編



人物紹介

佐藤 茜(さとう あかね)
――「そーゆーの、一番腹立つのよねえ……ふふふ、一発殴っていい?」――
『力の限りやれば何とかなる』『仲良くなるにはまずあだ名』が口癖の、『根性、愛情、勇気』がモットーな、パワフル少女。男系家族の紅一点で、家事全てを切り盛りしていた。父親を筆頭に、家族(兄たち)はほとんどが大工。そのせいか、金槌、のこぎりなど、大工道具の使い方がなかなかうまい。
性格はこまめなお母さんタイプに見えて、実は結構アバウト。適当さゆえにトラブルに巻き込まれることもしばしばだというのに、全く懲りなかったりする。口癖も前向きに見えて、実はアバウトなだけかもしれない。
周りに流されず、自分が正しいと思う道を突き進む。ルヴィフォルヒに会って早々「召使いだ!」と言われ、迷うことなく殴ったのもこの性格の現れと言えよう(笑)
まさに真っ正面からぶつかってゆく猪突猛進な彼女の姿は、魔族達を巻き込み、どんどん意識改革を起こしていく。


ルヴィフォルヒ・エルドネラ・エッグフィート
――「オマエは僕の、僕だけの召使いなんだからな!!」――
正真正銘、れっきとした魔王。けど、ものすげーちんまい。
人間的外見年齢は六歳程度。ちなみに頭の中身、性格もその程度。明らかにガキだが、実際年齢は、魔族の長命ゆえにその十倍。
見た目はまるで天使のようで、とっても美少年。ただし、権力はあるが忍耐力はない。
身の回りの世話をさせるため、部下に命令して茜を召喚。「こんなはずじゃなかったんだ……」とはいうものの、彼が茜を非常に気に入っているのは周知の事実である。彼女が側にいないと不機嫌になるし、彼女が自分以外の者の側にいても怒る。子供特有の嫉妬深さを持っている。
ちなみに『エルドネラ』は魔王の称号。
通称『ルヴィー』


ウェドミッド・エッグフィート
――「子供は……いい。君は、嫌いか……?」――
どこか影のある、見かけがごっつ怖い、ルヴィーの一番上の兄。外見に違わず、軍隊である、魔族連合の総帥。外見年齢、二十代後半。実際年齢はやっぱり十倍。
眉間にシワを標準装備し、その長身の上方から発される眼光に、勝てるものはかつて誰もいなかった。……今は、茜の方が強いらしい。
いつも無表情か、不機嫌そうな顔をしているが、かなりの子供好きである。しかし、その迫力ゆえに子供達は怯えて逃げてしまう。……哀れとしか言いようがない。
極端に無口なので誤解されやすいが、実はいい人。『怖い』と言われたときの彼は、いくら無表情でも、いくら無口でも、相手を威圧しているのではなく、ただ純粋にしょげて、落ち込んでいるだけなのである。
通称『ウェド』、『ウッド』


ユングラッド・エッグフィート
――「いいこと言うね。ルヴィには、君ぐらいがちょうどいい。…あいつを頼む」――
ルヴィーのちゃんと血の繋がった兄弟の中では、すぐ上の兄。魔族連合軍師、そして帝国の参謀役。剣の腕だけならばかなりいいが、魔力がほとんど皆無といっていいため、頭脳労働に回っている。外見年齢二十歳ほど。実際年齢は十倍。
優しいお兄さんタイプで面倒見もよく、茜の相談相手兼、愚痴相手でもある。しかし、怒らせるとかなり怖いと評判。どちらかといえば体育会系なノリなのに、穏やかで陽気。厳しい部長というより、そのフォローに回る厳しいが優しい、飴と鞭を使い分けるのがうまい副部長といった雰囲気。
そんな彼の将来の夢は「え、俺の夢?……そーだなあ、はやく隠居して、年金で平和に暮らすことかな(笑)」だそーである。しかし、魔族の世界で年金があるのかは謎。
通称『ユング』、『ユッド』


MEMO
〜魔王〜
書いて字のごとく、、魔族たちの上に君臨する王のこと。
世襲制で、兄弟の中で一番魔力が高いものが選ばれる。ちなみに性別は関係ない。
美形が多い魔族たちの中でも、魔王の血をひく者達は、かなりの美形揃い。

〜魔族〜
美形揃い。どこをみても美形ばかり。髪や瞳の色は特に決まりがなく、結構多色。
長命で、人間の十倍ほど生きる。
実は魔族の先祖とは、今は失われた魔法科学で不老不死を叶えた人間だという説がある。術が完璧ではなく、『不老不死』のうち、『不老』と不死の失敗系……『長命』を手にいれたという噂。ただし、現在は、魔法科学に関する資料がなぜか全く残っていないため、真実を知ることは出来ない。


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〜あらすじ〜



もし突然、「お前は今日から召使いだ!」といわれたなら、どうしますか――?



「冗談も大概にしなさいよ、なんっで私が召し使いなのよっ。いい加減にしてよねっ。あー、もー、ここはどこよっ!!」
「ぼ……僕に刃向かったな!?」
「うるさい、ワガママボーヤッ! 世間というものを知りなさいっ!!」

佐藤茜、十七歳。筋の通らないことが嫌いな、江戸っ子(嘘)女子。
対して、見た目は六歳な魔王ルヴィフォルヒ。
二人の出会いは最低最悪。

「……何、こんなの、日本じゃないわよ………」
「ここは、エルドヘッセ……僕が治める、魔族の国だ」
「! ……ま、魔族ぅ!?」

目が回る、目が回る。茜の脳はショート寸前。
ここは誰、私はどこ? ……って反対やん。

「ちょとっと待てええええええええい! パターンからいうと、これは異世界、ファンタジー!? 何の冗談よっ! 私の名前は佐藤茜!! どおっからどーみたって、平均的日本人名じゃないのよっ! なんで『佐藤』なのっ!? もっとファンタジーらしい名前の奴選びなさいよねっ。当たりクジッ!? いやあああああっ、そんな得にならないクジッ!!」
「………うるさい女だな」
「じゃかましいっ!!」

混乱し続ける茜。動揺を抑えきれない魔王。

「まったく……宮廷魔術師達も、なんて女を喚んでくれたんだ……」
「一部同意するわ。なんで私だったのよっ……」
「だが……オマエは僕の召使いだ。それは変えられない」
「なんですって!?」

再び動揺。
焦る茜。ようやっと冷静になった魔王。
にやりっ………と年に似合わない表情で魔王は笑う。
――そこへさらなる闖入者。

「おーい、ルヴィフォルヒー。どうだったあ?」
「………………………………………………………………」
「ユングラッド兄様に、ウェドミッド兄様……!」
「うわー、まった違うタイプの美形……パターン多いわねえ」

兄二人。陽気そうなのと、気むずかしそうなのと。ちなみに第一印象は、陽気そうな方が上。地味に美形だ。気むずかしそうなのは、渋い系??

「ハハハハハ。君が召喚された子かあ。弟は、何かと問題あるけどよろしく。これで実は寂しがりやだからね」
「ゆっ、ユングラッド兄様!!」
「私からも……頼もう。君の部屋は、今すぐ用意させる……」
「へ?へ?」

なんだか魔族とかいっといてアットホームだぞ!?
しかもなんだか、もうすでに決定?召使い決定?でも………………………。
断れそうもなかったり??(爆)

「こんちくしょう…………」
グッと握った拳。そのまま茜は不敵に笑う。
「やってやろーじゃないの……まあ、帰れる方法がわかるまでだけどね」

異世界での召使い生活が、今始まる……………………。


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