6部キャラは描き分けがナイ。
・・・という感想を持たれた方は少なくないのではないでしょうか。
5部あたりから主人公チームに「メインキャラ顔」・・・もとい「美形顔」が増えて目鼻のパーツが似てきたのは確かなのですが、それでも「幼顔」と「青年顔」では微妙に頬から顎にかけてのラインに描き分けはありましたし、ジョルノとフーゴ以外はそれ程「似て・・・る?」と気にする必要はありませんでした。
しかし。
6部になるとこの辺りの気遣いが作者様から消え去ってしまったのか、徐倫とエンポリオ以外のキャラクターの顔がストーリーを追うごとに似通ってきてしまいます。
皆初登場時はそれぞれ個性を持った顔立ちだったのですが・・・ウェザーは黒目がちだったしアナスイは変な・・・もとい独特の下睫毛の持ち主だったし。
何が似通ってきたのか、といえば先ずは「瞳の描きかた」です。
全員が例外なく「白い瞳に黒い点」で表される瞳になっていきました。
これは「黒めにハイライトが光る」通常の(?)瞳の描きかたを徐倫や承太郎・限定にすることによって彼ら主人公のキャラクターを際立たせようとしたのか、瞳孔が小さめの描き方のほうが「ギラリと鋭い感じ」で犯罪者な仲間達には似つかわしいと思ったのか・・・は謎ですが。(エンポリオ位は黒目のままでも良い気もしますが)
男女チーム別々に行動していた頃はまだともかく脱獄後に「ヘビー・ウェザー編」で徐倫達とアナスイ達が合流した時はさすがにマズイ?と作者様も思ったのかエルメェスの瞳の描きかたを黒目がちに修正してみたりと小細工・・・ではなくて手を加えて見たりしていますが、それも数週で元に戻っている所をみると単に描きやすいのか白めに点の瞳がヒロヒコ・ブームなのか、とにかく好んで・・・と言うか、あえてこのタイプの瞳が描かれている事は確かなようです。
個人的には好きな描き方なのですが・・・。
次に似ているのは「骨格・スタイル」です。
アナスイとウェザーを比べるに12巻以降の二人をよ〜く見るとアナスイの方が若干背が低くて細目・・・・???な気もしますがニュアンスの範囲といいますか、すごい違いは見られません。特に背に関してはジョジョ世界の住人は膝と腰を伸ばして立ってくれないので比較が難しいのですが・・・。
顔の骨格についても徐倫やF・Fは丸みを帯びた女性らしい輪郭をしているので良いのですが、エルメェスに関しては何の因果か角ばった男性的な輪郭をしているのでやはり他の男性人と似ている結果になっています。
例えば「承太郎」、「ウェザー」、「アナスイ」、「エルメェス」の4人を目隠しをして髪型を隠し、口紅や刺青などの装飾を取ったなら・・・誰が誰かワカラナイというおそるべき事実に突き当たります。
どうしてこうなったのか。
目の描きかた・・・はヒロヒコ・ブームという事でおいて置いて、骨格の方を検証してみると他の部では年齢に差があったりとか、もっと筋肉質でごつめの体のキャラがいたりとか、等身自体が違うコミカルな体系のキャラがいたりとか色々バリエーションがあったのですが6部では違うようです。
年齢やキャラクター的に幅が狭いのは刑務所という場所柄、体格があまりにかけ離れたキャラクターが存在しづらいこと、コミカルな見た目、性格、・・・「陽」のイメージを持つキャラクターはそもそも刑務所に入っていないのではないかという意味でも存在しづらいので登場しなかったのではないでしょうか。
また比較的年上だった承太郎、ウェザーがアナスイ達とあまり面立ちが変わらなかったのは荒木先生自身がそのお年になって「ん?この年でもそんなに人間見た目変わらないよね?無理に老けさせる必要ないか〜??」・・・と、思ったせいではないでしょうか。(推測ですが)
承太郎というキャラクターを老けさせるのに抵抗があったのかもしれませんがあきらかに4部よりも若返っています。承太郎氏。
考察するに6部という物語は主人公・徐倫が無実の罪で単身投獄された所から始まりました。
寂しく不安な環境で迫るスタンド攻撃の脅威。
そんな中で徐倫の周りに集まる「仲間」は必然的に「頼もしく、強く」あることが求められ、不安定な状況にある主人公をサポートし、際立たせる役目を負う必要があったと思われます。故に6部の仲間達は全員「スラリとした手足、9頭身以上のスタイル、細面の顔立ち」・・・といわゆる「ヤッベ、かっこいい」な外見を持つキャラクターになったのではないでしょうか。
一人くらい男性で「マッチョ系」なカッコイイキャラがいても良いような気もしますが、あまりに筋肉質なキャラクターは男性的すぎて、ひいては「父性的」な魅力も持ってしまうので承太郎の存在を薄くしてしまう恐れがある・・・ので作者様も避けたのではないでしょうか。
とはいえ上記の通り6部は5部に次いでカッコイイ人達のオンパレードだったわけで新しいキャラが登場する度に「ヤッベヤッベv」と大はしゃぎしていた自分がいたことも、また事実でありました・・・。
2003.12.12
|