2004年4月30日(金)
 「迷子のわんちゃん2」 

 28日の日記に書いたわんちゃん,今日になっても飼い主は現れなかった。
 保護してから今日で5日目である。
 担当者の経験からすれば,飼い主が現れる可能性はほとんどないとのこと。
 ん〜,困ったな〜,このまま保健所行きなんて残酷だ,どっかに里親になる人を捜すしかないのかな〜,なんて思っていたら,担当者から嬉しい知らせが入った。
 飼い主が現れた訳ではないが,ペットショップの人がしばらく預かってくれると申し出てくれたのだ。
 そのペットショップの人が来たということで,さっそくお礼を言いに行った。
 そのペットショップの人は,これまでも私の職場に保護された犬を無償でシャンプーしたりしているのだそうだ。シャンプーしてきれいにしてやれば,飼い主が現れなくても引き取ってくれる人がいるんじゃないかという一念らしい。
 その人は私にこう言った。
 
 「この子にとって最も幸せなのは元の飼い主の所に帰ることです。ですから,まず,市内のペットショップとペット美容室を回って,この子に心当たりがないか調べてみます。
 それでも分からないときは,里親を捜してみます。
 でも,私は誰にでもこの子を渡すことはしません。きちんと犬の世話が出来て愛情を注いでくれる人だと認めた人にしかお渡ししません。犬を不幸にするような人には渡しません。どうぞ,ご安心下さい。」

 感動した。
 大の大人が仕事中に涙を流すのはみっともないので,それをぐっとこらえ,「よろしくお願いします。」とお願いしたものの,不覚にも声が上ずってしまった(笑)
 
 実はこのペットショップの人,今回と同じように,これまで何回も保護された犬を預かって里親を捜してくれたそうだ。
 しかし,いつも里親が見つかるとは限らず,里親が見つからない犬は自分の店で飼っているのだそうだ。
 だから,担当者は,その人にこれ以上余計な負担を掛けたくないから,こちらからお願いはしないそうだ。
 でも,そのペットショップの人は,我が職場の前を車で通るときに,犬が保護されていると可哀想でほっとけなくて自分から協力を申し出てくれるのだ。

 その人が見たところでは,シーズーとのことだった。
 私は被毛がシーズーではない,と思ったが,その人の説明では,相当短く刈り込んだ毛が少し伸びた状態とのことだった。えっ,と思って,よくよく見てみると確かにカットした毛だ。さすがはプロだ。
 そこで,念のために耳の中を見てみたら,毛抜きと掃除がしてあってきれいだった。
 ということは,今まで結構可愛がられていた犬じゃないか!
 何で飼い主は現れないんだろう。

 ペットショップを批判する話は多いが,こんな業者の人もいる。仕事帰りの風が爽やかだった。


           
 お前も良かった,良かった。取りあえず良かった。だんだん元気が無くなってきていたもんな。
 いい飼い主に巡り会うのだぞ。





 

2004年4月28日(水)
 「迷子のわんちゃん」 

 おとといの夜,また1匹の犬が「拾得」された。
 街の中を1匹で歩いていたところを保護されたのだ。
 顔はシーズーに似て,ボディからテールにかけてはビーグル,被毛は,ん〜,比べるものがない。大きさはシーズーぐらいで,♀。
 性格は人懐っこく,人を見れば尻尾を振って愛想を振りまく。
 撫でてあげると安心するのか,静かにしている。
 こんな犬だから,通りかかった職員達が「よしよし」と声を掛けていく。

 でも,今日も飼い主は現れなかった。
 シェルと違って見た目が可愛いし(許せ!),とても人懐っこい犬だから,飼い主は直ぐに届け出るだろうと思っていたが,現れない。
 
 夕方,担当の女性職員が「繋ぎっぱなしでは可哀相だから」と言って散歩をさせていた。犬も尻尾をいっぱい振って大喜びしている。
 そしたら,それを見た子供たちが集まって,一緒に走り回って遊んでいた。
 我が職場でのほのぼのとした光景である。

 もうすぐゴールデンウイークだ。
 連休中,この犬をどうするか担当の女性に聞いたら,連休中は彼女が毎日出てきて面倒を見るとのこと。
 いくら担当とは言え,5連休にも係わらず,毎日世話をしてくれるそうだ。頭が下がる。ありがとう。

 でも,いつまでも預かるという訳にはいかない。
 犬は次々に保護されてくる。引き取り手のいない犬をいつまでも預かっていたら,私の職場は犬だらけになる。
 私の勝手なお願いで今までよりも長く預かっているが,それにも限界がある。

 早くこの子もどうにかしてあげなければ・・・・・

         
      何回目かにやっと撮れた正面写真。
      携帯を向けて写真を撮ろうとするとプイと横を向いてしまう,写真嫌いの犬だ。
 





 

2004年4月25日(日)
 「訓練士さんとラブラドール」 

 昨日の午前中、鹿屋市の西原陸上競技場に陸上の練習に行ったとき、競技場の周りにある芝生の広場にラブラドールを2頭連れてきている人がいた。
 リリー&セーラと離れて一月、寂しさも頂点の私は「犬だぁ、犬だぁ〜」と夢遊病者のように近づいた。 
 決して、その飼い主が若くて綺麗な女性であったからではない。犬を見たかっただけだ(笑)
 そのラブラドール2頭は下の写真でも分かるように、とても良く手入れがされていて、黒ラブなんかはビロードの服でも着てるかのように見事な光沢だ。
 ラブ達を見ながら近づいて行くと、むむ、何だか雰囲気が違うぞ!
 ラブ達は楽しそうに遊びつつも、飼い主の方をいつも見て指示を待っている。そして、指示に即座に従っている。
 こりゃ、相当訓練されているゾ。素人じゃここまで出来ない,ただモンじゃないという感じだ。

 と思いながらその飼い主に話しかけた。もちろん、若くて綺麗な女性だからではない。犬の話をしたかっただけだ(笑)
 そしたら、なるほど、やっぱりそうだ。
 犬の訓練士さんだった。
 確かJKCと言っていたと思うが、そこの公認訓練士とのこと。
 我が家のセーラをこの人に預けてみようかな。そしたらノーテンキな性格が少しは直るかも知れない(笑)
 
      
 
 
 



     


2004年4月21日(水)
 「迷い犬2の4」 

 シェルが保護されて今日で六日目。
 出勤したときに,「やぁ,眠れたか」と声を掛けたら少し尻尾を振った。
 ちょっと元気が無いようだ。それも当然だろう。もう六日も飼い主と会っていないのだから。
 このシェルの飼い主がどんな人かは知らないが,犬にとっては,どのような飼い主であれ,飼い主は飼い主であって,それが全てだ。
 
 昼休み時間にシェルのところに行ってみたら,珍しく横になっていた。
 もう疲れたのだろうか,飼い主を待つことを。
 担当者に言わせると,2,3日中に飼い主が見つからないときは,飼い主が現れる可能性は限りなくゼロに近いそうだ。本当に探している人はあらゆる手を使って探すから,保護さえされていたら大抵は飼い主の元に帰ることができるけど,いなくなったことを幸いにそのまま見捨てる人や,わざと放して捨てる人がいて,そのような飼い主の犬はいくら待っても飼い主は現れないのだ。
 もしかしたらシェルはその類かも知れない。そうであれば,明後日は保健所に引き渡すことになる。
 
 この犬があと1週間ぐらいで殺処分され灰になる最悪の結果が徐々に迫ってきた。
 でも,シェルはすごく性格の良い犬だ。なんとかしてやりたい。
 と,そこへ女子高校生3人が歩いているのが見えた。
 思わず,「ねぇねぇ,この犬可愛いでしょう♪」とナンパ男みたいに声を掛けた。職業柄,いつもはこんなこと絶対に言わない。しかし,中年男も必死なのだ(笑)
 そしたら,その3人,「わぁ〜可愛い!」と言いながら近づいて来て,怖がることもなくシェルを取り囲んだ。
 3人に囲まれたシェルはとても喜んで,3人の臭いをくんくん嗅いでいる。
 しまいには立ち上がって撫でてくれるようにねだっていた。

 頃合いを見計らって,「ねぇ,この犬,迷子で,明後日は保健所に行くんだよ。」と教えたら,その中の1人が「うちは今,家族が犬を飼おうという話になっているんです。できたらこの犬を飼いたいです。」と言い出した。
 おわぁ,なんかうまく行き過ぎだと思ったけど,衝動的に欲しくなったということでは困るので,「一度帰って,お父さんやお母さん達とよく話し合ってから決めてちょうだい。」「それに,半年以内に飼い主が現れて返してくれと言ったら,返すことになる。それを分かってでも飼いたいのであれば,連絡してね。」と言って,一旦帰ってもらった。
 本当は直ぐにでも連れて帰って欲しかったが,そうゆう訳にもいかない。シェルのために,飼う以上は家族全員の合意を得て欲しかったのだ。

 でも,夕方になってもその子からは何の連絡も入って来なかった。
 やっぱり駄目だったかな,と思っていたら,午後6時ごろ担当者が嬉しそうに「引き取る人が見つかりました。」と連絡してきた。直ぐに行ってみると,あの女子高生がお姉さんと一緒に引き取りに来ていた。
 帰ってから家族で話し合って,飼うことを決めたそうだ。
 とてもやさいしそうな姉妹だ。きっとシェルを幸せにしてくれるだろう。
 良かったな,シェル。

 
         
                   女子高生3人に囲まれて喜ぶシェル。
  
               
        女子高生に飛びつくシェル。おいおい,私にはそんな甘え方してないだろう(怒)
                    そうか〜,シェルは雄だったんだ(笑)


              
               良かったな,お前。可愛がってもらえよ。元気でな。


 私の職場は,どちらかというと,世の中の非常にシビアな部分を取り扱うところだから,一種独特の重い雰囲気があるが,シェルが引き取られることが分かったら,とても明るい雰囲気になった。
 やはり,みんな気にしていたのだろう。
 ある人は,保健所に行く前に,こっそりと逃がしてやろうと思っていたそうだ(笑)






2004年4月20日(火)
 「迷い犬2の3」 

 今日もシェルの飼い主は現れなかった。
 今日で五日目である。
 本当は,昨日,保健所に引き渡される運命だったが,それを今週の金曜日に延ばしてもらっている。
 それまでに引き取りに来て欲しい。
 
      
       
             飼い主が引き取りに来るのを待っているシェル







2004年4月19日(月)
 「迷い犬2の2」 
 
 下(18日)の写真の犬,今日も飼い主は現れなかった。
 先週金曜日に道路を徘徊しているところを「拾得」されてから,今日で四日目である。
 吠えもせず,どちらかというと控え目な性格で,自分から人にじゃれたりはしない大人しい犬だ。昼休み時間に私が行って相手をしてあげると,「いいのかな〜」という感じで近づいて来る。べろべろ舐めたりはしないが,頭を撫でてあげると安心するのか,静かにしている。
 私がその場を去るときょろきょろして飼い主を捜している。
 早く迎えに来て欲しいのだろう。時折,「きゅいーん」と小さく鳴く。
 
 担当者に聞いたら,今日,保健所に引き渡す予定で,午後になったらその連絡をするとのことだった。
 その犬の瞳を見ていたら可哀相で,担当者にお願いして,もうしばらく預かるようにお願いした。
 そして,この犬の写真を撮ってチラシを作り,犬が「拾得」された地域の適当なところに貼って手配することもお願いした。
 犬が見つかった付近の町内会の有線放送による手配は,そこの駐在所の人が既に済ませていた。今夜も放送するとのこと。
 その駐在所の人は,その犬が駐在所に届けられたとき,犬を引いて町内を回り,飼い主に心当たりはないか聞いて回ったらしい。
 
 この犬,尻尾がシェットランド・シープドッグに似ている。
 顔はお世辞にもシェットランド・シープドッグみたいにロングノーズでお上品ではないが、尻尾はまるでシェットランド・シープドッグである。しかも、耳が半折れで、ロングコートの被毛ときている。後ろから見ればそれこそシェルティーだ。
 この犬のことをシェルティーと呼んであげたいが、それでは犬の方が少し気恥ずかしいだろうから、ちょっと短くして「シェル」ちゃんと呼ぶことにした。

シェルちゃんの飼い主、早く出てきて欲しい。





 


2004年4月18日(日)
 「迷い犬2」 
 
 15日の日記に迷い犬のラブラドールのことを書いたが,その後も犬の「拾得」や「遺失届け」が相次いだ。
 コーギー、トイ・プードル、ポチ・・・
 ほとんどは飼い主の元に戻ることができた。
 
         
 このわんちゃん、すごく不安そうな表情をしている。飼い主が現れるのをひたすら待っているのだ。
 外に出していると暴れ回るので、女子職員がおしりを押してゲージに入れたら静かになった(笑)


       
 犬の場合、迷っている犬を保護しても、保護ではなく「拾得」と呼ばれている。
 えっ!保護でなくて拾得?と一瞬思ってしまう。
 遺失物法は「生き物」も「物」も同じ扱いにしているので、犬も「物」と同じで拾得という扱いになってしまうのだ。
 この法律は明治時代に制定されたものだから、それも仕方がないのだろう。当時、今の時代のように犬を家族のパートナーとして大切にする価値観はほとんど無かったはずだ。
 でも、時代の推移とともに犬に対する人間の価値観は変わってきている。
 そろそろ、犬や猫を他の品物と同じように「拾得」扱いにするのではなく、命ある生き物として「保護」という呼称にし変更したらどうかと思う。単なる品物とは手続きを別にして、その命を保護するための手続きとそれを支える予算措置がなされたらいいな〜、なんて思ってしまう。立場上、大きな声で言えないことだが。

 

 



2004年4月15日(木)
 「迷い犬」 
 
  昨日の早朝,迷った1匹のラブラドール・レトリーバーが私の職場に届けられた。
 事務的な手続きでは,そのまま保健所に引き渡しである。
 しかし,それでは犬が哀れである。
 飼い主も必死に探しているに違いない。
 ということもあり,私の職場ではしばらくの間,保護した犬を預かっている。
 職場のみんなで出し合ったお金でドッグフードも備えてある。

 幸いにもこのラブラドールは午後になって,持ち主が現れた。良かった,良かった。


           
    とても人懐っこいわんちゃんだった。お座り,お手が出来た。
    淋しそうにしていたので,休み時間は遊んであげた。そのせいか,私の姿を見るとしっぽを振っていた。






2004年4月11日(日)
 「かわいい子犬」 

 昨夜は,職場の人の自宅で歓迎会。
 その人は鉄砲の狩猟を趣味にしており,家にはポインター2頭,ビーグル1頭,ポチ1頭の合計4頭がいた。
 基本的には外飼いにしているそうだけど,ビーグルとポチは室内にいて,私を歓迎してくれた。
 こんな可愛い犬たちが歓迎してくれるなんて,これ以上の歓迎会はない(笑)
 ビーグルは1歳で,ポチは2ヶ月弱。ポチは1週間前に来たばかりだそうだ。
 ビーグルは私をとても気に入ってくれて,私の側に来ては遊びをねだったり,横に寝たりしていた。
 ポチは腕白そのもので,先住犬のビーグルにじゃれついては噛み噛みし,逆にビーグルに押さえつけられる,それを繰り返していた。
 2頭のポインターはお客に吠えるらしいが,私にはしっぽ振り振りで迎えてくれた。

 こんなお宅だから,話も犬の話題で大いに盛り上がった。
 それにしても,あ〜,リリーとセーラに会いたいな〜。


           
                 生後2ヶ月弱。ん〜かわいい。


           
         上目遣いはビーグルの特技。これで多くの飼い主を虜にしている。








2004年4月8日(木)
 「嬉しいお話」 

 散歩の途中で,もしも犬がウンチをしたら,このウンチは持ち帰る,このことは犬の飼い主であれば最低限のマナーであることを知っている。
 でも,知っていても,何故かその瞬間だけ忘れる飼い主がいて,かくして町中のあちこちに犬のウンチが置き去りになる。
 一カ所にウンチがあれば,連鎖反応的にその数が増える。
 他の人がしているから自分の犬もいいだろう,という心理だろう。放置ウンチが放置ウンチを呼んで,マナーは加速しながら低下していく。
 逆に,他に放置ウンチがなければ,ウンチを放置し難い雰囲気になる。
 ということは,みんながウンチを持ち帰れば街が清潔で綺麗になるはずだ。

 このことは,仕事柄,これまで全国あちこちに出張で行って感じたことでもある。
 早い話,放置された犬のウンチは,その地域によって状況が違う。きつい言い方をすれば,犬の放置ウンチ一つで,その街の犬文化の度合いが推測される。
 飼い主のマナーが良い街はウンチが目に付かない。そのことは取りも直さず犬文化のレベルの高さを示しているものと思う。

 ここ,鹿屋は犬を飼っている人が多い。早朝の散歩や出勤,帰宅の途中に,犬を散歩させている人にたくさん出会う。
 にも係わらず,放置されているウンチがほとんど目に付かない。全く無い,ということはないが,ほとんど無い。大多数の飼い主がウンチを持ち帰っているのである。
 鹿屋の犬の飼い主はマナーが良い,ということだ。
 鹿屋に転勤で来てみて,嬉しい発見であった。
 もちろん,心ない飼い主もいるだろうけど,ほとんどの人はマナーが良い,というのは確かである。
 




2004年4月4日(日)
 「キジ」 

 私が今回の単身赴任で住むことになった部屋(4階建て集合住宅の1階)には,ナント芝生の庭がある。だいたい16畳ほどの広い庭だ。そして,その向こう側には広〜い畑が広がっている。
 その畑から毎朝,ケーン,ケーンという鳥の鳴き声がする。何の鳥だろうと思っていたら,雉だった。
 ここ鹿屋市は人口8万2千余りの街で,市街地を少し外れると,私が住んでいる所のように何とものどかな雰囲気になる。

 で,雉とくれば,猿と犬である。桃太郎のお供をした3匹の動物たちだ。
 雉がいて,申年生まれの私がいて,後はリリーとセーラがいたら,鬼退治のお話が出来るかも知れない。

      
     畑の中の黒っぽい小さなのが雉。部屋の前にはこんな畑が広がっているから気持ちが落ち着く。

                  
                雉の拡大写真。セーラを見たら驚くだろうな〜。





2004年4月1日(木)
 「お別れの夜」 

 私が単身赴任に行く前日の夜のリリー。
 そのことを知ってか知らずか、私を見つめ続けていた。
 

   
                     私を見続けるリリー
 



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