魔法の天使クリィミーマミ全話レビュー
TVシリーズ後半 第27話〜第52話

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私の好きな歌ランキング2007
第8位 美衝撃
第12位 LOVEさりげなく
第19位 BIN・KANルージュ

第27話 フェザースターへ! 1984年1月6日放送
中盤三部作のラスト。
前話で魔法を失った優は、この回で再び魔法を手にすることになる。

優と俊夫とネガとポジは、年明け早々ピノピノにフェザースターに呼び出されてしまった。
そこでピノピノに、「ラベンダーの月がスターツリーのてっぺんにかかる前に、誕生の泉に行き、
龍の矢で星の子を打ち落して欲しい」と頼まれた。
早速行動を開始するが、すぐさま優と俊夫は離れ離れになってしまい、
俊夫はピノピノにこう頼まれるのだった。
「もう一度優が魔法を使えるようになるのだが、そのためには君の記憶を消さなければならない。」

優がもう一度魔法を使えるようになるのならばと、ピノピノの頼みを受け入れた俊夫は、
冒険の末辿りついた誕生の泉で星の子を打ち落し、優は再び魔法を手にするのだった(ルミナスター)。
しかし俊夫の記憶と引き換えにしたことに優はピノピノに怒るが、
俊夫が、記憶を消されることを承知のうえでやったことであることを知り、
優は改めて俊夫を好きになるのだった。

私も初めてマミを観た時から、もし再び優が魔法を使えるようになるとしたら、
俊夫の記憶を消さねばならないだろう、と思っていたが、やはりその通りであった。
しかし、そのことによって、今までピノピノから授かった魔法から、俊夫にもらった魔法へと、
その意味が変わったことは大きいと思う。
もしかしたら、わざわざあんな冒険をさせたのも、
ピノピノも記憶が消される俊夫のことを案じ、自分から渡すより、
俊夫が再び魔法をくれたという風にしたほうがいいと思ったのかもしれない。

それにしても、この話は意外なピノピノの優しさを感じる話である。
またずいぶん優の置かれている環境を知っているねぇ。
最終回はあんなに頑固なのに(苦笑)。

また、これによって今までのクリィミーステッキから、
ルミナスターに変身道具が変わったことも忘れてはならない。
ま、後半は数えるほどしか変身シーンは描かれていないので寂しいが、
ト音記号のようにステッキを振りかざす前半の変身シーンは見事に決まっていて美しいが、
後半の星型のルミナスターを使っての変身も、私はとても好きである。

なお、この回での変身は、一度変身した後、再びルミナスターをかざして、
衣装を着物に代えている。こういう変身は初であり、衣装にも重点が置かれている証拠であろう。
それと、ピノピノからのお年玉として、通信機をもらったことも付け加えておく。
(2004年9月17日加筆)
第28話 ふしぎな転校生 1984年1月13日放送
「マミ」もTVシリーズ後半に入り、この回から守くんが登場。
やっと優の同級生がレギュラーで登場したことになる。
昆進之介作監の回なので、普通ならそれだけで評価が低くなってしまうのだが、
守くん登場の回なので、面白く楽しめる回である。

守くんの登場によって、ストーリーの幅が広くなったと思う。
それまで優のクラスのことは、ほとんど描かれていなかったが、
守くんの登場にとって、非常に描きやすくなった。
第41話などは、守くんなしではありえないストーリーだったろう。
もっともスタッフにとっては、優と守をくっつけるわけにもいかず、
ストーリーつくりに苦労することにもなったそうだが。

いきなりネガとポジのいいコンビが和ませてくれる。
「ネコはもっとネコらしくしようぜ」とかいうネガをせかすポジに、
なんかネガへの愛情を感じるのは私だけだろうか。
いきなり前話でピノピノがくれた通信機を活用しているのにも注目したい。
しかし、この回はネガとポジの会話がたくさん聞けるので、嬉しいなあ。

優のクラスの転校生がやってきた。北海道からきた日高守。
転校初日からいきなり騒動を起こしていなくなってしまったが、
探しに行ったポジとネガが偶然守くんに出会い、
守はポジとネガに興味を示し、さかんに二人に話しかけるのだった。
ポジとネガが人間の言葉がわかると知るとよけいに気に入り、
ポジとネガの飼い主(?)である優と友達になるのだった。

クラスの他の子たちと変なところを視聴者にわからせるため、
冒頭の守くん登場シーンは、ちょっと嫌な子という印象を与えてしまうが、
ほんとはすごくいい少年であるので、気の毒である。

そんな守くんの良さがわかるのが、ネガとポジとの踊り場でのシーンだ。
ネガとポジへの接し方は、一目で動物好きだとわかる。
またそのときのネガとポジの会話も、大変面白く和ませてくれる。

さらに俊夫とも友達のなった守は、マミのステージに誘われたのだが、
マミそっちのけで公園に遊びに行き、小鳥の巣箱の修理をするのだった。
ここで再び通信機が活躍。この通信機も、話の幅を広げていますね。

今日もマミちゃんは、DJブースでのライブステージ。
なおルミナスターでのマミへの変身シーンも描かれている。前話に続き2回目である。

またこの回から、
マミの3rdシングル「LOVEさりげなく」が劇中に登場したことも忘れられない。
「BIN・KANルージュ」の時のような派手なお披露目がなかったのは、
同じくこの回から「LOVEさりげなく」が新しいEDテーマに起用されたためであろうか。
以降TVシリーズ後半は、
「BIN・KANルージュ」と「LOVEさりげなく」の2曲をマミが交互に歌うかたちで進んでいく。
(2004年9月17日加筆)
第29話 ロープウェイ・パニック 1984年1月20日放送
優となっちゃんが毎週楽しみにしているドラマ「スパイハンター0010」に、
マミがゲスト出演することになった。
あこがれの0010と悪漢ジェームスに生で会えるとあって、優はおおはしゃぎであった。

なおこの回はマミの歌うシーンはないので、冒頭で「LOVEさりげなく」がBGMとして使われている。
あとてっちゃんなっちゃんのこの会話が好きです。
てっちゃん「素敵、最高、カッコイイ。君たちはそれしか言葉を知らんのかね。」
なっちゃん&優「なんか言った?」
てっちゃん「いや、ごめんなさい。」

優がパルテノンプロに電話をして仕事を聞くシーンだが、
何度かこういうシーンあったと思うが、よく優だとばれないな(笑)。
立花さんも木所さんも、わかれよ少しは。
でもこれはつまり、優とマミは同じ声だということを暗に認めているようなもので、
それは辿れば太田貴子が優とマミの声の使い分けが出来ていないことを言っているようなもの(苦笑)。
でもこの頃になると、太田貴子もだいぶうまくなってきてるんだけどね。

衣装合わせの百合丘撮影所にいつものように遅れてきたマミだったが、
ここでは0010には会えなかった。
惜しいのは、マミの変身シーンが描かれなかったこと。
まだルミナスターに代わって3話目だというのに、早くもルミナスター不憫。
あと監督さん、いい味出してます(笑)。思いっきり個人趣味に走ってません。
でもその時に決めた衣装、ドラマで実際に着ていないような(苦笑)。

撮影場所である永山スキー場に、いつものように俊夫とみどりとやってきた優は、
俊夫が目を離していた隙にマミに変身してスタッフに合流し、
ついにあこがれの0010と対面するのだった。
でも永山スキー場さんよ、1月に雪がまったく無いってのは、もう致命傷じゃないの?。
スキー場たたんだほうがいいのでは?

優「何か調子狂っちゃうなぁ。」
俊夫「0010と悪漢ジェームスが、仲良く1杯?」
優「ほら俊夫だってそんな風に思ってるんじゃない?。幼稚ねぇ。」
俊夫「い、いや、だから俺は・・・」
この優と俊夫の会話、好きです。

おっと、スキー場で変身シーン描かれてましたね。これは失礼。
不憫だったのは、ルミナスターじゃなくて、めぐみさんでした(苦笑)。
でも変身中はカットされてましたね。あとスキー場にその衣装はどうかと思うよ、マミちゃん(苦笑)。

撮影が開始され、
ジェームスにさらわれロープウェーに連れこまれたマミを、0010が救い出すシーンの撮影となった。
ところが意外にも高所恐怖症の0010は、ロープウェーの上からの演技がうまくできなかった。
そのシーンを観ていたネガは、マミが連れ去られたと勘違いしてマミを救おうとし、
ロープウェーの運転台をいじくり、逆にロープウェーを上に上げてしまう。
しかもそのネガを発見した助監督が、ネガをつかまえようとして運転台を壊してしまい、
ロープウェーはなんと地上数十メートルで止まってしまうのだった。

さらに悪いことに、その高度で気絶した0010がロープウェーから落ちそうになり、
助けようとしたジェームスも0010の体重を支えられず落ちそうになり、
マミが二人を支えることになってしまった。
さすがにマミひとりの力では持たないので、魔法を出してルミナスターの力で支えてもらい、
そのあいだに俊夫が壊れた運転台を直し、マミは二人を救うことができたのだった。

マミがドラマ出演する、というと前半にも似たような展開の話があるため、珍しいことではないが、
この回を名作にしているのは、なんといってもルミナスターの使われ方であろう。
いままでのクリィミーステッキでは、
基本的に魔法を使うにはマミがステッキを握って振りかざさなければならなかったが、
ルミナスターに変わったため、キャノのつぶやいて星型のルミナスターを出せば、
マミが持っていなくて宙に浮いてても絵になるので、
今までにはできなった使われ方が可能になったことだ。

この回のシーンでは、
ルミナスターが宙にういて魔法の力でマミの手の負担を軽くする作用をしているが、
明かに今までのステッキでは絵にならない。実にうまい使い方だといえよう。

しかし、俊夫ってそんなに頼り甲斐あるかなぁ。
(2004年9月17日加筆)
第30話 前略おばあちゃん 1984年1月27日放送
サブタイトルランキング第10位を参照
第31話 優のフラッシュダンス 1984年2月3日放送
サブタイトルランキング第8位を参照
第32話 二人だけのバレンタイン 1984年2月10日放送
昆進之介作監の回なので、やはり評価は低くなってしまう。
しかし前話以上に優と俊夫の恋をストレートに描いた回なので、
優の俊夫に対するけなげさが涙を誘う。

バレンタインデーに手作りのチョコレートをプレゼントしようとする優は、
当日の放課後俊夫の帰り時間を聞くために中等部の俊夫の教室に足を運んだのだが、
こちらはまだ授業中。「いっけねぇ。まだ授業中かあ。」
優は先生に「おっと、これはすばらしいお客さまだね〜。中等部に何の御用かな?」と歓迎されてしまう。
優「は、はい!4年1組森沢優。幼馴染の大伴俊夫くんに用があって参りました。」
俊夫「あのタコ〜」
先生「ほぉ〜、で用というのは?」  優「あのね」
先生「オー、ノーノーノー、声が小さい。聞こえないねぇ。」
優「は、はい!。俊夫、今日何時に家に帰るの?」
俊夫「もう〜、アホ、スカタン。こっぱずかしいだろう。」
先生「大伴君、お客様にご返事は?」  クラスメート「アンサープリーズ」
俊夫「さ、3時頃」  先生「聞こえないねぇ」  俊夫「3時頃だよ!」
優「やったあ、3時ねぇ。りょーかーい!」  先生「御用はそれだけかな?」
優「はい、どうも失礼しちゃいました。」
このシーンがこの回のなかでいちばん面白いと思う。
俊夫のクラスの英語の先生もいい味だしていて実にいい。
このシーンだけ繰り返して観てしまうほどである。

優は俊夫の部屋に飾り付けをして俊夫の帰りを待っていたが、
俊夫はやっと帰ってきたかと思うと、ポストのなかに入っていたまみちゃんからのはがきを見て、
優をほっぽらかして大喜びで待ち合わせ場所に向かい、優と俊夫は大喧嘩をしてしまう。

しかし、待ち合わせ場所に現れたのは、マミではなく隣のクラスの篠田まみでありがっかりしてしまう。
頭にきたまま街中を歩いていた優は、幼い子供に俊夫にあげるはずだったチョコをあげてしまう。
たまたまその場面を観ていたみどりは、その子の母親が捨ててしまった優のチョコを拾い、
俊夫の帰りを待って俊夫にそのチョコを渡すのだった。

そのころ優はいつのまにか幼い頃俊夫とよく遊んだ教会を見つけ、
俊夫と二人の秘密の屋根裏部屋に入るのだった。
俊夫は優を探しまわり、
優の家を訪れた際にラジオで流れてきた賛美歌にハッとして教会に急ぐのだった。
しかし、俊夫はさまにならないなぁ。ま、そこがいいところなのかもしれないが。
あと思ったのだが、賛美歌なんかわざわざバレンタインデーにラジオで流すかぁ。
NHKでも流さないんじゃないのか。
(2004年9月19日加筆)
第33話 恐怖のハクション! 1984年2月17日放送
「マミ」のなかで、一番笑えるのがこの回である。
簡単に言えば、風邪をひいて体が大きくなってしまったネガの騒動を描いた話なのだが、
大きくなったネガがかわいいのなんの、
あんなぬいぐるみなら私でも欲しいと思ってしまう程いいよ。
ネガは木所さん以上にいい味だしてるよ。

ネガの体が最近太ってきたことに気がついた優。
運動させてネガをやせさせようと、家までネガを走らせることにした。

この回でマミが歌うのは、「LOVEさりげなく」。でもDJブースじゃないですね。
「冗談じゃない。僕の風邪をマミに移さないために、どれだけの苦労をしたと思ってるんだ」
あはは。だからそんなこといわれたら、誰だって怒るって、立花さんよ。

しかし守くんは、そんなネガをみて風邪をひいていると優に告げた。
フェザースターの生き物は絶対に風邪を引かないのに、ネガが風邪を引いたことに驚く優。
どうやらフェザースターの生き物でも、地球に来ると風邪を引いてしまうらしかった。
「ネガ、大丈夫?」
いいね。なんかポジの言い方に、ネガへの愛情が含まれているような気がするのは、私だけかな?

守くんはネガのために風邪薬をつくって持ってきてくれると言ったが、なかなか来ない。
そんなおり、ネガにクレープを運んでやったなっちゃんは、
ネガがくしゃみをするたびに体が大きくなっていることに気付き驚いてしまった。
そのことをてっちゃんや優らに知らせ、
実際にくしゃみをすると体が大きくなるネガを見て彼らもビックリするが、
てっちゃんはようやくネガも成長期に入ったんだろうと推測し、その場は収まった。

しかし翌朝、
ネガはいつも寝ているバケットに入りきらないくらいにまで大きくなっていて、優はショックを受ける。
優はネガを病院に連れていこうとするが、
レントゲンを撮られると地球のネコでないことがわかってしまうとポジに言われ、
家で見つからないようにおとなしくしていて、とネガに言うのだった。

あのバケットいっぱいの大きさにまででかくなってしまったネガ、欲しい〜。
「マミ」って、お目付け役のネガとポジがかわいかったことも、人気の秘密のひとつだと思っているが、
それを証明したのがこの回ですよ。男の私でも、でかくなったネガのぬいぐるみなら、
欲しいと思ってしまうくらいなんだから、尋常じゃない。
優がでかくなったネガを抱えているシーンも、なにげに笑えてしまいます。
ちなみに、「今日は土曜日で早く帰ってくるから、おとなしく隠れてるのよ」
という優のセリフに、週休二日制になってしまった今の学校とのギャップを感じてしまいます。

学校に行った優は、昨日薬草を届けにこなかった守を探したが来ていなかった。
一方ネガは、クレープを持ってきたなっちゃんに見つかってしまい、
「これじゃライオンのこどもじゃない!」と言って動物病院へ車を走らせてしまった。わはは。

そういえばクレープカーって、第8話で運転していたときは左ハンドルだったような。
右ハンドルで描かれてますけど。どっちが正しいの?(笑)。

レントゲンを撮られるところを間一髪で逃げ出したネガ。
病院に連れていかれたことを知って、変身しようとする優。

ここでのポジとのやりとりがまたいいですな。
「急がなきゃ、急がなきゃ、ネガが解剖されちゃう」「どうしたの優、何してるのよ。」
「何って決まってるでしょ、変身するんだよ。」「変身してどうするの?」
「えっ、あれ、どうするんだろ。いっけなーい、あせって変身しようとしちゃった。」「バカね。」

守くんはようやく薬が完成。優は通信機を使ってネガと連絡を取り、ネガのもとへと急ぐのだった。
通信機を活用したのは、第28話以来2度目。1回こっきりの使用にならなくて良かった良かった。
ま、優とネガ、ポジが離れ離れにならなければ、なかなか使う機会がないからしょうがないけど。
この回は、まさに通信機の出番にうってつけでしたね。

「わああ、こんなになっちゃったよ。まいったなぁ〜。優のやつ、遅いなぁ。」
いくらなんでも、大きくなりすぎだって(苦笑)。それでもやっぱりかわいいネガ。

守くんとともにネガのもとに辿りついた優、しかしそこで観たネガは怪獣のような大きさになっていた。
優「ネガ、ネガ、助けに来たよ」  ネガ「待ってた〜」
優&守「うわぁ〜!助けて〜!!」  ネガ「俺だよ、ネガだよ〜!」
もう何も考えずに笑えますな。またネガと優の構図が笑えます。

守はさっそく作ってきた薬草をネガに飲ませようとビンのふたを開けると、
とんでもない臭いにおいに優はたじろいだ。
しかし鼻水がつまってにおいがわからなかったネガは一気にのんだが、
これまたとてつもなくまずかった。

その夜必死にネガを看病する優とポジ。
その看病のかいあって、翌朝ネガは元の大きさに戻っていたのだった。
しかしこんどはポジがくしゃみをして・・・。
「あんな薬、飲ませなきゃよかった〜」と言っているポジ、やっぱりネガへの愛情を感じてしまうのだが。

しかしこの頃になると、もう既にマミがほとんど出てこない、
言いかえれば優中心の話が多くなってきているなぁ。
31話はマミが出てくるが、大筋のストーリーにはからまないし、32話はほとんど出てこない。
そしてこの回も、ちょこっとマミは出てくるが、とりあえず出しました、といった感じだ。
このへんに、スタッフのマミの話の作り方がようやくわかってきたことがうかがえる。

つまりマミの芸能界での出来事を中心にした話から、
優の日常生活のなかでの話へ、移っていったということだ。
そしてマミは、そんな優の日常生活のなかの話しに、さりげなく登場させるというやりかた。
このへんが、TVシリーズ後半が名作揃いといわれる所以なのだろう。
しかし、あの大きさのネガを一体どうやって優の部屋に入れたのだろうか。謎だ(笑)。
(2004年9月19日加筆)
第34話 スネークジョーの逆襲 1984年2月24日放送
スネークジョー5回目の登場の回。ついにサブタイトルにまで進出してしまった(笑)。

最近すっかり信用がおちてしまったスネークジョー。
スネークとまで呼ばれたこの俺が、
マミの正体だけはあばけないことに苛立ちを感じていたジョーは、
なんとしてもつきとめて再び芸能レポーターのトップに返り咲いてやると意気込み、
マミが最初に姿を現したクレープ屋(つまり優の家)に何か鍵があると焦点を定め、
24時間張り込むことにした。そのジョーの執念が実った。

今回のマミは、TV映像で「LOVEさりげなく」を歌っています。
しかし、マミが最初に現れたのが、クレープ屋だということを知っているとは、さすがスネークジョー。
マミちゃんは、また私が一番好きな服を着てくれています。

ポジ「でもわかるわ。俊夫くんと一緒に帰りたいっていう乙女心」
ネガ「知るかそんなもん」
この会話も好きです。

マミの姿のまま自宅まで戻ってきてしまい、どこかに優に変身して家に入ろうとしたが、
出先からの両親からの電話の時刻がせまっていたために、
マミの姿のまま家に入ったところをジョーに観られてしまった。
さらに外から電話の話しをジョーに盗み聞きされてしまった。

ジョーよ、せめて1枚写真撮っておけばよかたのにな。
なぜあれほど張り込みしながら、カメラの1台も持っていなかったのか。スネークジョーらしくない。
だってマミが優の家に入るところをスクープ写真として公表すれば、
それだけでもうマミは言い逃れできんと思うぞ。
あと、今までは優の姿で電話してマミと名乗っていたが、
今回はマミの姿で優として電話に出ていたな。まさに逆のパターン。

ジョーは名案を思いつき、クリィミーマミを驚かせるドッキリカメラをTV局に提案し、
プロデューサーはOKを出すのだった。
その名案とは、マミに一日郵便局長をやってもらい、郵便局を宣伝するビラを配らせるが、
そのビラが終わってしまったためにマミに隣の部屋に取りに行っている間に、
郵便局をクレープ屋に変えてしまう。
おまけにそのクレープ屋はなんと優の家のクリィミークレープ。
そこでは優の両親、つまりてっちゃんとなっちゃんがクレープを焼いているという設定。
マミはいきなり現れた両親に驚いて、うっかり「パパ。ママ。」と叫んでしまう、というものだ。

しかし最近は、TVでもドッキリカメラやらなくなったなぁ。
今の若い人は、ドッキリカメラなんて知らないんじゃないか。

さらにジョーは、そこでマミが叫ばなかった時のことを考えて、
元俳優にも声をかけて何かたくらむのだった。
その頃何も知らないてっちゃんとなっちゃんは、TVに出られるときいて喜んでいるのだった。

ドッキリカメラ当日。
一日郵便局長をめぐみさんとしていたマミは、なくなってしまったビラを取りに行っている間に、
予定通り郵便局をクレープ屋に変えられてしまった。
何も知らずに戻ってきたマミは、いきなり自分の家のクレープ屋が扉を開けた目の前にあること、
さらに自分の両親までもがそこにいることに驚いてしまうが、ジョーの思惑通りにはいかず、
マミは「パパ。ママ。」とは叫ばなかった。

その光景を窓越しに見ていた立花さんは、この企画をスネークジョーが考えたことに驚き、
何かたくらみがあるのではないかとジョーに詰め寄るのだった。
マミ「ここは郵便局では?」  てっちゃん「ここは10年前からクレープ屋ですよ。」
この時のマミの表情は、なかなかの名シーンといえよう。
私はこの回を初めて再放送で観た時、
もうハラハラしながら観ていたことを今でもはっきり覚えている。
今にもジョーの陰謀に引っかかってしまうのではないかと、気が気じゃなかったからだ。

そしてそろそろ看板もって出ていったほうがいいんじゃないか、と立花さんは言い出すのだが、
ここで終わられちゃ話にならんと慌てたジョーは、
いっそのことクレープ屋の夫婦も道連れで騙してしまい、
看板がなかなか出てこなくて慌てるところをTVで流しちゃいましょう、とプロデューサーに提案し、
ディレクターも面白いと話しに乗ってくれて難は逃れるのだった。

ここで第2幕が発動。こんなときのために用意していた元俳優が、強盗役でクレープ屋に侵入、
何も知らないマミやてっちゃん、なっちゃんは驚いてしまう(そりゃそうだ)。
強盗はてっちゃん、なっちゃんに「金を出せ!」と要求し、
ぐずぐずしてるとマミの命がないと脅すのだが、
金など持っていない二人は「ここにはお金などない」と答えるしかなかった。
その光景に驚いていた立花さんは、マミを助けるために木所さんとクレープ屋に突入。
ところが立花さんが芸能プロの社長だと知ると、
いきなり元俳優の強盗は態度を豹変させて立花さんに、
「僕をアンタのとこで使ってくれる?」と自分が元俳優であることを名乗ってしまうのだった。

立花さんはそのスキにマミを助けると、元俳優は再び態度を変えてカウンターに上がりはじめた。
さすがに警察を呼んだほうがいいとめぐみさんとプロデューサーは思うが、
ジョーにやらせだと言われ、
おまけにこの際立花さんのお大立ちまわりもTVで流してしまおうとまで、
プロデューサーに提案してしまうジョーだった。
しかしこのプロデューサーもどうしょうもないな。もうちょっと止めろよ、ジョーを。

そしてついに、ジョーが望んでいた時がくる。
いいかげん怒った元俳優は、もう立花さんの言葉を聞かず、
ついになっちゃんに銃を向けてしまう。
その光景にマミはついに、「ママ〜!」と叫んで元俳優にしがみつき、
元俳優から銃を手放すことに成功する。

初めてこのシーンを観ていたとき、柱の影に身を隠して恐る恐る観ていたことを思い出す。
ここでようやくスネークジョーが看板を持って登場。
すべてがドッキリカメラであったことに全員が驚き、
立花さんはジョーに食って掛かるのであったが、
ここで重大な新事実、マミのご両親がわかったと、先ほどマミが「ママ〜!」と叫んだ、
とジョーに指摘されて、マミはガックリと膝をおろしてしまうのだった。

ジョーに改めてマミのご両親だと言われたてっちゃんとなっちゃんであったが、
28歳の私(なっちゃん)に15、6歳くらいの娘(マミ)がいるわけないでしょ、
と言い残して出て行ってしまう。
結局このクレープ屋の夫婦がマミのご両親である、ということは誰も信じず、
あと一歩爪が甘かったため、ジョーの作戦は失敗しまった。
でも今回のジョーの作戦はすばらしかった。
失敗したとはいえ、本当にマミに「ママ〜!」と言わせたのだから。やっぱり名作だなぁ〜。この回は。
(2004年9月19日加筆)
第35話 立花さん、女になる!? 1984年3月2日放送
「恐怖のハクション!」の回ともに、マミのなかで特に笑える回といえばこれ。

立花さんが女装をしてマミのマネージャーになり、マミの情報を得ようとしたのだが、
その女装姿を見た木所さんと立花会長(慎吾の父親)が一目惚れをしてしまうという内容。
もう爆笑の嵐。

だが作画のほうは正直言ってかなり厳しい。
今回は今まで原画を担当してきた千葉順三さんが作画監督をしている。
後にも先にもこの回だけなのだが、作画レベルははっきり言って昆進之介さんとどっこいどっこい。
それなのに何度も観たくなる面白い話なのだから、ある意味すごいのかも。
でもそれもそのはず、この話は伊藤和典さんが脚本を担当しているいのだ。
だから面白くないわけがない。
つまりシナリオがよければ、作画レベルが低くても面白い話は出来るいい見本なのである。

いつもいつも時間ギリギリで仕事場にやってくるマミ。
いつかマミが時間に間に合わない時がくるのではないか、
と気が気でない立花さんはノイローゼ気味になっていた。
せめてマミの住所と電話番号くらいは知っておきたい、と思っていた立花さんは、
めぐみに24時間マミについてもらって、マミの秘密を探り出そうとお願いした。

しかしめぐみさんはあっさりこの願いを拒否。
おまけに自分で聞き出せばいい、と慎悟に女装をさせて、
一日だけマミのマネージャー「ひとみ」としてマミに近づくことになってしまった。
ところが事務所で会った木所さんが、
女装した立花さんを観て一目惚れをしてしまい話がややこしくなってきた。
ところがこれは、まだほんの序の口であった。

木所「ひと〜みちゃ〜ん」
立花「あのタコ、給料減らすぞ!」
もう爆笑である。

木所さんとともにマミのチャリティーショーの会場に着いた立花さんは、
そこでなんと自分の父親の姿を発見する!。
こんな時に限って、なんでこんなところにいるの!。
おまけに自分の姿を父親に観られてしまうと、会長は息子だとはまったく気付かないどころか、
亡くなった妻にそっくりだと言い、木所さんにひとみちゃんを私にしばらくあずけて欲しいと切り出した。

会長、ニューヨークじゃないのですか?。慎悟にも言わずにひそかに日本に戻っていたとか?。
とにかくもう最高です。立花さんが女装をする、というだけで笑いが絶えないのに、
木所さんどころか会長まで登場して、ひとみちゃん争奪戦を繰り広げてしまうなんて、下らな過ぎます。
しかしマミに密着しようとした立花さんが、逆に木所さんと父親に密着されてしまうなんて、
よく考えますな、こんなストーリー。さすが伊藤和典といいたい。
しかし二人はバカですな。ポジとネガはあっさりひとみちゃんが立花さんだと見破ったのに。

会長「しばらく私に預けたまえ」  木所「いくら会長のお言葉でも、それはお断りします。」
会長「何!?、君は私の言う事が聞けんというのか!」
マミ「木所さん」  木所「先に行っててちょうだいね。今大人の話をしてるんだから。」
マミ「はぁ〜、大人の話ねえ。何が大人の話よ。」
最後のマミの一言が好きです。

ネガとポジに、マミがひとみちゃんが立花だと教わるシーンの会話も好きです。

マミは立花さんがなぜ女装をしたのか調べようと思い、優に戻って行動を開始。
一方ひとみちゃんこと立花さんは、あいかわらず二人に付きまとわれていた。
なんとかトイレに入った時に煙に巻くことができたが、
そのトイレでつい顔を洗ってしまい化粧が落ちてしまった立花さん。
二人は二人で逃げたひとみちゃんを追っかけるのをやめず、探しまわるのだった。

「女性に変装してマミに密着しようと思ったのに、俺が密着されてどうするんだ、まったく〜。」
わはは。もうこれ書いてるだけで吹き出しちゃいますよ。

もう頼りになるのはめぐみしかいない立花さんは、めぐみの到着を今か今かと待っていた。
やっとのことでめぐみさんが到着。
そこでもうこの計画は中止しにして、まゆげを何とかして欲しいと頼む立花さん。
しかし一度剃ってしまったものはもう戻らない。

木所さんはそのあいだに、会長が気に入られているヒゲを自分もつけようと、
ちょうど通りかかった優に「つけひげ」を借りてきて欲しいと頼むのだった。
優はさらにめぐみさんに「つけまゆげ」をもらってきて欲しいと頼まれてしまう。
マミの仕事で来ている優はそんなことをしている時間がなかったため、
マミを観にきた俊夫とみどりに頼むのだった。

「つけまゆげ」が来るまで、不慮の事態に備えて再度化粧をした立花さん。
するとあっさりめぐみさんと居るところを、二人に見つかってしまう。
おまけに立花会長はひとみちゃんのためにドレスを用意していて、それを見た立花さんは気絶。

「探したよ、私のかわいい子猫ちゃん」ぎゃははは。もう何も考えずに笑えますよ。

俊夫は俊夫で「つけまゆげ」を間違えて「つけまつげ」を持ってきてしまう。
そこにヒゲをつけた木所さんが乱入すると、ひとみちゃんの前で立花会長の悪口を言い出し始め、
ついにひとみちゃんは自分が立花だと、正体を明かすのであった。

今回のショーではマミは、「LOVEさりげなく」を歌ってますね。

一番面白いのは何と言っても最後の木所さんのこのセリフ。
「ですから、ひとみちゃんは突然カムチャッカ方面に旅だっちゃったんですってば〜。」
(2004年9月19日加筆)
第36話 銀河サーカス1984 1984年3月9日放送
この話は、個人的にあまり好きではない。
作画監督が昆進之介さんであるのがその一因であるが、
今回のゲストキャラ、ペーターが個人的に好きになれなかったのが、大きい。
第16話のゲストキャラ、あゆみが同じ例といえる。

ただ、作品的にはなかなかレベルは高いと思う。
このシナリオでは、ペーターが守の姿になって登場しているのだが、
守といた時は通常の色彩であるが、ペーターが登場した以降は光に照らされた色彩に変えて、
明らかに違いがわかるようにしている。

ペーターという設定も、銀河サーカスも、決して悪い設定ではない。
それを俊夫が解明していくのも、ストーリー的にはいい流れだと思う。
ピノピノがあんなことにも関わっていたことは、驚いたが。
ただ私にはどうしても、ペーターが優を連れていこうとするのが、許せなかった。
だから私は、この話を好きになれない。それだけである。

それでも私にすら気になったことがある。
俊夫が読んだ銀河サーカスの本に書いてあった、「1991年、ペーター再び森沢優と会う」ということ。
果たして1991年に、優はペーターに再会できたのだろうか。

あと、あんなとこでマミに変身したら、バレバレじゃないかと思うのだが(苦笑)。
(2004年9月19日書き下ろし)
第37話 マリアンの瞳 1984年3月16日放送
サブタイトルランキング第5位を参照
第38話 ときめきファンクラブ 1984年3月23日放送
「マミ」に出てくるキャラには、私の嫌いな人物も中にはいるが、
「ときめきファンクラブ」に出てくる兵藤進ノ介は、そのなかの筆頭といえるだろう。
だから普通なら、この回は嫌いな回になるのだが、悔しいかな名作である。
兵藤進ノ介のどこが嫌いかなんて、書かなくても分かると思うので省略するが、
そのほかにもマミの親衛隊の声が大きすぎて、マミの歌声がまったく聴こえない、
なんてシーンもあり、実際に桃井はるこさんの追っかけをしていて、
そういうコールを入れていた経験のある私には、このシーンはかなり身につまされる思いである。
ただアニメのように、歌を無視したコールは入れてないがね。

マミのスプリングコンサートが行われていたが、最近親衛隊の活動が活発になり、
歌の最中に熱心にコールを入れるようになった。
そのため普通のファンにマミの歌声が聴こえないような状況になってしまった。
俊夫の親衛隊のことを良く思っておらず、ついに親衛隊に張り合ってしまう。

これはヒドイ状況です。でも80年代のアイドルのコンサートなんて、似たようなものか。
親衛隊がいくつも出来、左右からまったく違うコールが発せられるなんて日常茶飯事。
せめてああいうコールは、間奏部分に留めてほしいもので、
歌にあわせたコールをしてほしい、とかいまさら言ってみる。

俊夫「俺はマミとは友達なんだぞ」  親衛隊長「マミちゃんです!」
俊夫「はい!。いや、呼び捨てにするくらい親しいんだよ!
 だいいちな、マネージャーの木所さんと、仲いいんだからな。」
確かに木所さんとは仲いいな。間違っちゃいない。
それどころか、社長の立花さんとも知り合いだな。そう考えると、すごいぞ俊夫。

マミを出口で待っていたファンの喧騒の中、一台の車が横付けし、
降りて来たのはハイソサエティークラブの代表兵藤進ノ介であった。
マミに花束を渡し、ファンクラブをつくることになったことを告げると、
もマミの顔は赤らんでいた。そう、マミは兵藤に一目ぼれしていたのだ。

マミちゃんよ、一体なんであんな男に惚れるんだ!?
私はそれが悲しい。惚れるなら第46話の貴宏のような人にしてくれ。

「な〜に〜〜〜!、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイソサエティークラブだって〜〜!」
立花さんの驚きようはすごいです。で、そのあとは立花さんちょーっとおかしくなっちゃいます(苦笑)。
はぁ〜、しかし優だけでなく、ポジまでもがかっこいいとか言ってるじゃん。悲しいなぁ。

後日兵藤はパルテノンプロを訪れ、ファンクラブ設立の許可を立花からもらい、正式に活動を始める。
「うわぁ!あれ全部?」「ハハハハハ。まさか、そんな。あのビルの30階と31階ですよ。」
この会話は面白いです。

「マミの人気は不動のものになるぞ。くくくくく、ぐわはははは〜」
ついに立花さんがおかしくなってしまった(苦笑)。だめだこりゃ。
しかしそのファンクラブ設立には、しょーもない裏があったことを、まだ知らなかった。

マミのファンクラブは、設立開始からマスコミを賑わせたが、
そのファンクラブに入るには、入会金10万円が必要であったり、
学校成績10番以内でないとダメであったり、かなり厳しいものであった。

一方マミは、あいかわらず兵藤しか見えない状態。
「俊夫なんて月とスッポン。サラブレッドと豚よ。」
ポジ、それはちょっと言いすぎじゃないの(苦笑)。いくらなんでも豚はひどいと思うが。
「ちぇっ、マミも金と権力には弱かったのか。こいつだけは、そんなことないと思ってたのに!。」
ネガ、よく私の心を代弁してくれた。マミちゃんよ、僕は悲しいぞ。

ついでに書いておくが、このときマミがいたところって、
第23話にちょろっと出てきたCentral Hallですね。懐かしい。

悔しいことはさらに続く。マミちゃんの親衛隊は、こともあろうに兵藤側に着きやがった。
おまけに今まであれほどコールで騒いでいたのに、
手のひらを返したように、下品な掛け声はやめようと言い出す始末。
俊夫は対抗し、自分一人でも掛け声をするというが、会場全体からの猛反発を受けてしまう。

マミはコンサート終了後、兵藤の車に乗って帰ってしまうが、
俊夫は兵藤のやり方が気に入らず、文句を言いに行くことに。
「ついでに、マミちゃんを独占するのはやめろって言ってやるんだい!。」「えっ」
「いや、ほんのついでにだよ。
 あくまでも、俺の好きなように応援させろって文句を言うのが目的なんだからさ。」
このときの俊夫の表情は、いいですね。

何より気に入らないのは、車の中での兵藤のキザなセリフです。
こんなやつにマミちゃんを取られたくないです。
おまけにポジとネガを車の中に置いてきちゃうし。で、マミは2人を取りにファンクラブの事務所へ。

ファンクラブの事務所に着いた俊夫とみどりは、
勝手に事務所の中に入ってしまうが、そこへ兵藤が帰ってきてあわてて隠れることに。
兵藤は電話をかけると、こう言い出した。
「ああ、俺だ。賭けは俺の勝ちだな。ははははは。クリィミーマミなんてちょろいもんさ。
 俺が見つめただけでトロンとしちまって。ははははは。
 マミもいただいて、賭け金の1億円もいただきだな。ははははは。
 あんなガキに近づくために、ファンクラブなんて作る必要なんてなかったぜ。」

まったくもって悔しいし、観たくないシーンである。こんなやつに騙されていたなんて。
でも、作品としてはよく出来てるんだよな。だから観ないわけにはいかない。
その後俊夫とみどりは怒り、兵藤の前に姿を現すと、兵藤に襲い掛かかるわけだが、
マミが兵藤の腕をがぶりと噛むシーンで、ようやく胸のつかえが取れたという感じ。

「不動の人気が、政府公認のファンクラブが、音をたてて崩れていく。」
立花さん、気が狂っちゃったのかと思われたが、めぐみさんのビンタで正気に戻ってくれたし、
まあ良かった良かった。

「外見だけで人を判断しちゃだめよ。」何を言ってるの、ポジは。
ネガが怒るのも無理なんぞ。
(2004年9月22日書き下ろし)
第39話 ジュラ紀怪獣オジラ 1984年3月30日放送
「マミ」のTVシリーズ後半のなかでも、ひときわエピソードの幅が広かったのが、この「オジラ」であろう。
なにしろ怪獣が出てきちゃうんだから、ひとつ間違えば、何のアニメだかわからなくなってしまう。
またこんな怪獣ものだと、駄作に終わってしまうことが懸念されるのだが、
この回の脚本はシリーズ構成の伊藤和典氏。
1990年代に入って、映画「ガメラ」の脚本を担当したことでもわかるように、
この手の話が好きな伊藤氏ならではの話であり、またうまく名作に仕上げているのもすごい。

この回は、立花さん、めぐみさん、木所さんのパルテノン3人組に、
優、俊夫、みどりに、優の両親のてっちゃん、なっちゃんが一緒に旅行に来た時に、
偶然オジラに遭遇したときの騒動を描いている。
この設定は第9話に似ているが、あの時はてっちゃんなっちゃんは車で待っていたため、
騒動には巻き込まれず、立花さんらとの掛け合いもなかった。
あとは第8話でカーチェイスをしたくらいで、アニメではほとんど初めて、
パルテノン3人組と優の両親の掛け合いが見られたわけで、大変貴重なシーンといえる。
別の言い方をすれば、優サイドのキャラと、マミサイドのキャラが、初めて接したということか。

ま、いくら優や俊夫が立花さんらと親しくなったからといって、
優の両親も誘って一緒に旅行に行く関係にまでなるなんて、考えられないけどね(笑)。

その旅行でとある漁村を訪れた一行であったが、
その漁村はここ4日ほど、魚が何も獲れない状況であった。
そこへ人が流れてきたとの報が。その状況をみて、老人はオジラの仕業ではないかと思い始める。

民宿に泊まることにした一行は、そこでオジラについての話を聞くが、
そこの人の一人は、魚が取れなくなったのは、海底油田のためし掘りのせいだと言った。

「わたし、見たいよぅ」
あいかわらず優は、まったく怖いもの知らずで困っちゃいます(苦笑)。
でもそんなことを言ってる優はかわいいので、私は許しちゃいます。

「おい優、猫だまらせろよ。ミャーミャーもううるさくて、目が覚めちまったよ。」
俊夫にも、その前のポジとネガの会話を聞かせてやりたいです。
あいかわらず、ポジとネガはいいコンビです。

その時、民宿にものすごい音が。
ここに居ては危険と判断し、皆でクレープカーで避難することにした。
おっ、今回も右ハンドルですね。やっぱり左ハンドルじゃないんだ。
しかし、ぬかるみにはまり、車はなかなか発進できずにいた。
そこへ何かがせまってきて、間一髪のところで車は発進し、難を逃れることができた。
そして民宿は、何者かによって、踏み潰されてしまった。

翌日、民宿に戻ってみると、上から押しつぶされたような跡が。
オジラの仕業としか考えようがなかった。
「もういいわよ。こんなところたくさん。早く東京に帰りましょう。」
「ああ、言い忘れてましたが、それは無理です。」「えっ」
「岬の道が崖崩れで塞がってましてな。
 今大忙しで復旧作業をしておりますが、今日中に開通するかどうか。」
ありがちといえば、ありがちな展開。これもオジラの仕業ですか?

てっちゃん、なっちゃんをはじめ、みんなは村の人が用意してくれた服を着るというのに、
優は自分の服をつぶれた民宿から探し出して着るなんて。普通着ないよ(苦笑)。
おまけに魔法のコンパクトまで、服と一緒だったとは。よくコンパクト壊れなかったなぁ。

そこに現れたのが、海底油田で働いている山根さん。
考古学に興味があり、今回のオジラの騒動にも注目していた。
詳しく優たちから話を聞きたいとのことで、てっちゃんやなっちゃんを誘って海底油田へ行くことになった。
ただ立花さんらは村に残ることに。

立花「オジラを生け捕りに出来んかな。」  めぐみ「オジラを何ですって?」
立花「オジラを使って宣伝用のフィルムを作るんだ。」
めぐみ「あたしは嫌よ。あんな怪物の前で歌うなんて。」
立花「は?、誰がそんなこと言った?。俺が言っているのは、マミのデモフィルムだ。」

立花「マミの歌を聴いてにっこり笑うオジラ。こりゃ受けるぞ。」  木所「オジラが笑いますかね。」
立花「笑わせるんだよ。」
ここの立花さんのセリフは、なかなか笑わせてくれます。

そしてついに、オジラが皆の目の前に現れるのであった。
そしてオジラが向かった先は、なんと優たちがいる海底油田。
電話で、オジラがこちらに向かっていることを知った山根さんは、
海底油田の設備自体を船として動かそうとした。
ところが、こんな時に限っていかりが上がらない。
そこで海に潜って爆薬をしかけ、いかりの鎖を吹っ飛ばす手段に出ようとした。
ところがもう目の前に、オジラは来ていたのであった。

俊夫「あいつ、この船をなんだと思ってるんだろう。」
山根「訳のわからん奴が作った、邪魔者ってとこかな。」
優「ううん。何だか返事を待ってるみたい。」
おい優、なんでそんなことがわかるんだ!?(苦笑)。

ついに優たちがいる船を揺らし始めたオジラ。
その衝撃で外に放り出されてしまった優は、瞬時にマミに変身し、
かろうじて鉄骨につかまるのだった。
ルミナスターにしてから、通算5度目の変身シーンです。

マミはルミナスターをかざすと、魔法はジュラ紀の幻影を映し出し、
オジラはその幻影に向かって歩き出し、オジラはいなくなったのであった。
ラストはちょっぴりシリアス。なんにしても、自分の海に帰れてよかったです。
(2004年9月22日書き下ろし)
第40話 くりみヶ丘小麦粉戦争 1984年4月6日放送
スネークジョー6回目の登場の回。
昆進之介さんが作画監督の回であるが、今回はジョーがらみなので面白いです。

ジョーの恋人久美子さん初登場。なかなか美人です。
なんでジョーに惚れてるのかわかりませんが、ジョーうらやましいぜ。
久美子さんは、お好み焼き屋火の車で生計を立てているが、
ジョーに一緒にお好み焼き屋を手伝って欲しいと願っていた。
ジョーにはその気はもちろんないが、芸能記者の仕事はまったく来なくなっていた。
こうなったのも、マミのせいであり、今でもマミの秘密を暴いて、
芸能レポーターのトップに返り咲く野望を捨ててはいなかった。
その時ジョーはお好み焼きでひらめき、久美子の仕事を手伝うことにしたのだった。

ジョーが火の車でやってきたのは、なんとくりみヶ丘。
しかも優の家のクリィミークレープの真ん前。

ジョー「よう、皆さんしばらく。」  
てっちゃん「あんた、あんなところに店開いて、どういうつもりなんだよ。」
ジョー「どういうつもり?。そりゃないぜ。あんたたちのせいで、俺は芸能記者出来なくなったんだぜ。」
なっちゃん「なんで、あたしたちのせいなのよ。」
ジョー「あんたたちは、マミを知ってる。」  てっちゃん&なっちゃん「そんな」
ジョー「ふっ、知らないとは言わせないぜ。」  てっちゃん「でも、知らないものは知りませんよ。」
ジョー「ま、、どうしても教えないって言うのなら、そこで店を続けるんだろうな。」
なっちゃん「なによ、そんな訳の分からない脅しなんか聞かないから。」
ジョー「ほほぅ、じゃ、やってやろうじゃないか。あんたの店が潰れることになるぜ。」

とまあ、こんな具合で、火の車はクリィミークレープの横で営業を始めるようになった。
火の車は、半額セールを続けていることもあって、客足は途絶えず、
一方優の家のクレープ屋は、お客がまったく来なくなってしまった。
守くんから、火の車についての情報を知ったてっちゃんは、反撃開始。
ミスクレープコンテストを開催し、お客さんの回復を狙うことに。
ところがそのイベントにジョーが乱入し、このイベントに来たお客さんに、
全メニュー100円にすると公言、つられたてっちゃんは、1個50円で売ると言ってしまうのでした。

ジョーは、煽り方がうまいね。さすがスネークとまで呼ばれた男。
ちょっとてっちゃんじゃ、かなわないね。
ただ火の車にしても、全メニュー半額ですら赤字なのに、100円じゃつぶれちゃうって。

ついにジョーはマミに接近。そこでジョーはマミに、
これから1週間、クレープ屋と火の車で値引きしないで売れる枚数を勝負し、
もしクレープ屋が勝ったら、くりみヶ丘から出て行く。
但し火の車が勝ったら、マミの秘密を全部ジョーに話す、という駆け引きを持ちかけた。
こうして、クリィミー対火の車の1週間に及ぶ戦いが始まった。

なお今回はマミちゃんはここで、「LOVEさりげなく」を歌ってました。

スネークジョーが出ると、ピンとした空気が張り詰めて、なんともいえない緊張感がありますな。
特にシリーズ後半に登場した2話は、芸能レポーターとしてやっていけなくなり、
マミの秘密を暴いて再び芸能レポーターのトップに返り咲こうとする執念が感じられ、
よりマミのライバルという構図が明確になり、非常にスリリングで面白い話になっている。

今回は久美子さんというキャラを新たに登場させ、
お好み焼きやでマミの秘密を握っていると思っているクレープ屋を攻撃するという、
今までとは違ったやり方も目新しく新鮮である。
で、その勝負はどうなったかというと・・・

2日目途中で 火の車・・・276  クリィミー・・・312
3日目 優のクラスと俊夫のクラスの仲間が協力してくれたため、火の車・・・572  クリィミー・・・602
4日目 ジョーはめぐみさんに応援を頼んだが断られてしまう(苦笑)。
5日目 ジョーは新メニュー「お好み焼きクレープ」を作るが、火の車・・・1090  クリィミー・・・1228
6日目 久美子さんの秘策は実るのか? 火の車・・・1492  クリィミー・・・1552
7日目 ついに最終日。マミが応援に駆けつけ、「BIN・KANルージュ」を披露。
 この時点で、火の車・・・1720  クリィミー・・・1900、と180枚差にまで広がった。

ところが、なんと久美子さんの親父さんが、お好み焼き協会の人々を連れて、
なんと大阪から応援に駆けつけてくれたのであった。
これにより、火の車は一気に追い上げ、ついに2025枚でクリィミーに並ぶと、ついに逆転し、
戦いは終了。
最終結果は、火の車・・・2155  クリィミー・・・2133。火の車の勝利であった。

「これで一流の芸能記者に返り咲けるぞ」そう呟いたジョーであったが、
久美子さんに「どうゆうことやそれ?」と言われてしまう。
ジョー「いやマミと約束したのさ。俺が勝ったら正体を明かす。負けたら俺達がこの街から出て行くってな」
久美子「ほんなら本気で店やる気なかったんか?」
ジョー「嘘をついたのは悪かった。でもな、俺はどうしても芸能記者に戻りたいんだ。
 さ、マミ。俺に全部話すんだ。」
久美子の父親「待った。話が違うやないか。
 久美子があんたを好きで、一緒にくりみヶ丘で店続けたいってゆうたさかい。
 こうやって応援したんや。芸能記者に戻るゆうのなら、協会の人買うてくれた分、全部無しやで。」
ジョー「そんな」
久美子の父親「マミちゃん。あんたもしゃべる必要、ちいともあらへん。
 この男がごちゃごちゃ言うようやったら、わてらが守ったるさかいな。
 やいジョー、半額サービスで出した大赤字の分、ここですぐ返してや。」
ジョー「今さらそんな。」  久美子の父親「じゃかしいやい」
久美子「ジョー、よくもうちらを」

とまあ、こんな具合でマミは助かるのだが、ホントジョーはついてないよな。
前回もマミに「ママ!」と言わせておきながら失敗したし、
今回だって勝負に勝っていながら無効にされちゃうし。
まあそんなジョーだから、愛せるキャラなのだが、
さすがにこれ以降はジョーを絡めた話が思いつかなかったのか、
出番はラスト3部作の1話目である、第50話までおあずけとなってしまう。
これはチト残念。
(2004年9月22日書き下ろし)
第41話 勉強しすぎに御用心 1984年4月13日放送
サブタイトルランキング第6位を参照
第42話 ママの思い出ステージ 1984年4月20日放送
なっちゃんが主役のこの話も、なかなかの名作である。
なっちゃんが昔、歌手を目指していたというのは驚きであったが、
歌手を諦めてから暴走族にいってしまったのかと思うと、そっちのほうが驚きである。

くりみヶ丘にのど自慢がやってくることになり、なっちゃんは優に出場をすすめた。
なっちゃん「ねえ優、俊夫くんにマミより優のほうがずーっとうまいんだって見せるチャンスよ。」
優「えーっ、だって」  なっちゃん「俊夫くん、絶対優を見直すって。」  優「そうかな?」
なっちゃん「そいじゃ、決まりね。」  優「でも俊夫、観に来てくれるかな。」
なっちゃん「大丈夫。ゲスト審査員にクリィミーマミが来るもの。」  優「えーっ!」

いきなりの展開に驚くばかり。嫌がおうにも、果たしてどうなるのかという期待が膨らみます。
でも優ののど自慢は、観てみたいものです。
「どうしよう」と言っている優は、かなり萌えです。

なんと今回のマミちゃんは、初のセーラー服。スタッフもファンサービスがうまくなってきましたねぇ。
立花さんにそののど自慢の日は都合が悪いと言ったが、まるで聞いてくれなかった。
マミがでる番組に、優が出ることは出来ない。
そこでテストとか言って休もうと考えるのだが、既にみどりを中心とした応援団が出来ていた。
だが予選で落ちればいいとわかると、優の表情も明るくなるのだった。

予選の日、会場に着いた優は、入り口で人を探している久保さんに声をかける。
また始まった優のおせっかい。なんと久保さんが探していた藤野さんの話まで聞かせてもらっちゃうし。
もう優のおせっかいは、病気みたいなものなので、気にしていません(苦笑)。
しかし久保さんも、恥ずかしい過去をあっさり小学生に話すなよ。

今から14年前、のど自慢の司会を始めた頃のことであった。
とある出場者が極度の緊張で声がでなくなってしまった。
そこへ友達の藤野さんが舞台の袖から駆け寄り、率先して歌い始めたという。
そのとっさの勇気と、飛び切り美しい声に感動した久保さんは、彼女に歌手になることを薦めた。
彼女も乗り気で、オーディションを受けることになったのだが、一人になると声が出ず歌えなかった。
何度かオーディションを受けたが、やるたびに声は小さくなっていき、
彼女はついに歌手になるのを諦めてしまった。
「私、ほかにもやりたいこと・・・やりたいことがいっぱいあるんです。」
そういって、藤野さんは久保の前から去っていた。

そのやりたいことが、暴走族だったのか(笑)。
まあそれはいいとして、ようは久保さんはロリコンだったということですね(失礼)。
しかも彼女がまた番組にでるかもと、のど自慢の司会を続けてきているとは。
久保さんの想いもかなりなものですね。

その久保さんの話を聞いていた優は、わざと落ちることをすっかり忘れて予選に挑み、
見事本選出場を果たしてしまった。さて、どうなることやら。
なっちゃんは優に、昔のど自慢大会に出たことがあることを話し、
優がのど自慢に嫌がらずに出てくれたことをありがたく思っていた。
しかし仮病を使うことにした優は、当日熱があると装ってしまった。
なっちゃんは熱があるなら仕方ないと、あっさり引き下がり今日はじっとしているように言ったが、
俊夫は仮病だと信じて疑っていた。

あれだけ優の参加を渋っていたてっちゃんが、
本選出場が決まると逆になっちゃんより待ち望んでいるのが面白い。
しかしなっちゃん、いつもに増して今回優に優しいですね。なんかいい雰囲気です。

しかしマミとして会場に行かなければならない優は、ロープを使って部屋から脱出しようとして、
俊夫とみどりに見つかってしまう。当然てっちゃんはカンカンだが、
今日ばかりはのど自慢出場を優に押し付けてしまったとあって、なっちゃんは優しいです。
そこで優は、「私、クリィミーマミと同じステージに出たくなかったんだもん。」と言うと、
俊夫は「はははは。ばっかだな。誰も優とマミちゃん比べたりしないぜ。勝負始めからついてるもん。」
と言い、優を怒らせつい「あたし、出るもん。」と言ってしまうのであった。

会場に一足早く着いた優は、久保さんに出会い、急に便意をもよおした久保さんに代わって、
藤野さんらしく人を探すのだった。でも優に、分かるわけないじゃん。
優は15番、最後の出場者であったため、控え室で待つてっちゃんに、
散歩してくると言って出て行ってしまう。その間にマミに変身し、ステージへ。
さらにポジとネガに、優の出番の前に騒ぎを起こしてもらい、
その隙に優に戻ってのど自慢に出るという案をたて、実行してもらうのだった。
ネガは、とりあえず会場の上から空き缶をいっせいに落とすことにした。

その頃ステージでは、スペシャルゲストのマミが「LOVEさりげなく」を歌っていた。
のど自慢がスタートしたが、控え室のてっちゃんの元には、いっこうに優は戻ってこない。
心配のてっちゃんをよそに、順番は徐々に近づいていき、ついに次の番まで来てしまった。
いよいよネガとポジが騒動を始めようかというときに、なんと守くんに見つかってしまい、騒動を起こせず。
てっちゃんは番組のディレクターに娘が戻ってこないことを伝えたが、もう出番はすぐであった。

いいですねぇ。ここいらへんの雰囲気。マミから優に戻ることが出来ず、ゲスト席で顔を覆うマミ。
優が出番になっても登場しないのに気付き、落胆する応援席。
私も初めて観たとき、この先どうなるのかと画面に釘付けになったものです。

で、なんと優の代わりにてっちゃんが「BIN・KANルージュ」を歌うはめに(笑)。
こんな大勢の観客の前で、大の大人が「BIN・KANルージュ」を歌うのは、かなり恥ずかしいぞ。
てっちゃんじゃなくても上がっちゃうって。
予想通り音痴の上に上がってしまいまったく声が出ないてっちゃん。
それを観客席で観ていたなっちゃんは、立ち上がるとステージにあがり、
14年前の再現のように、てっちゃんをリードするように歌い始めるのでした。
ほっとしたマミは、2人のそばにいって、変則的ではあるが親子3人による共演となったのでした。

このシーンは、「マミ」史上に残る名シーンのひとつといえよう。
何度観ても胸が熱くなります。特にマミまでもが駆け寄って歌い始めるところは、
何とも言えない感動があります。
しかしよく、なっちゃんが駆け寄る前に鐘が鳴らなかったねぇ。
ま、マミちゃんまでもが歌い始めちゃったら、歌の途中で鐘を鳴らすなんて出来ないと思うけど。
ちなみにてっちゃんに駆け寄るなっちゃんを観て、久保さんがびっくりしたのは言うまでもありません。

おまけに藤野さんことなっちゃんは、結婚していたことを知って気絶しちゃいます。
クライマックスはもっていかれちゃうし、藤野さんは物に出来ないし、最後までついてないですね。
(2004年9月23日書き下ろし)
第43話 走れ優!カメよりも速く 1984年4月27日放送
TVシリーズ後半は、私的には第36話と第45話以外は、すべて面白く楽しめる話ばかりであるが、
そのなかでも第43話は、失礼ながらちょっと質が落ちるかな。
バリバリという、時間管理人のキャラクターは大変好きであるが、
作品の雰囲気的に惜しかった感がある。いや、面白いことは面白いんだよ。

騒動は結局、優が勝手にボタンを押してしまったことが原因であり、
優に過失があるのにバリバリはそのことについて一切怒っていないのもどうかと。
あとマミに今度のスタジオの番号を、木所さんが紙に書いて渡したようだが、
ただ「606」としか書かないのも、どうかと思うのだが(苦笑)。

また作中には、優の成長した姿が描かれ、優は成長してもマミにはならない、
というのを実際に描いてしまったことも。
このへんは、あえてアニメでは描かず、ファンそれぞれに委ねる形のほうが良かったかも。

でもてっちゃんとなっちゃんが今の家を建てた頃に、優がタイムスリップするシーンは、
なかなか面白かったですが。

ま、そんなわけで、マミの仕事でとあるテレビ局に来たはいいが、
紙にかかれたスタジオ番号「606」を、「909」と勘違いして、幻のスタジオに入ってしまう優。
ところがそこは、なぜかスタジオではなくTV局の外。しかも11年前の自分の家の前であった!
なっちゃんのお腹はふくらんでいて、それは優に違いなかった。

なっちゃん「あっ、また暴れてる。きっと男の子ね。だってほら、こんなに元気だもの。」
優「んっ!?、女の子だよ。絶対女の子。」
優はなっちゃんのお腹にいるときから、元気だったのね。
優にそう言われて、女の子の名前も考えとかないと、と悩むてっちゃん。
するとなっちゃんは、優に名前を聞き、女の子の名前を優にしようと決めるのだった。

んっ!?。するってーと、優の名前の名付け親は、優自身ということになるなぁ。
訳がわからん(苦笑)。
優はその後新築の家に入らせてもらい、ピカピカの家に大喜びであったが、
窓をあけたところで元の時間に戻されてしまう。
そこで時間管理人と出会い、今度は1週間後の未来を見せられるが、
なんとその世界にも優はいってしまうのだ。
ここではマミのコンサートの最中。家に帰らなければならないこの時間のマミに代わって、
アンコールを務めるのであった。
ちなみにここで歌った歌は、久々の「パジャマのままで」でした。

ここでの未来のシーンもいいですね。優とマミの2ショットは、なかなか見られません。

で前述した通り、優が勝手に時を支配する2匹の亀のボタンを押してしまい、
亀が暴れだして現在・過去・未来がごっちゃごちゃのごっちゃ煮になっちゃうわけである。
優は元に戻すため、なんとか時間管理人さんと出会い(途中自分の結婚式を見たりしたが)、
亀の追跡をなんとか逃れて魔法で元に戻すことに成功するのだが。
このへんのシーンがいまひとつかなーと。
なんか表現方法が、シリーズ前半のファンタジーっぽいんだよな。

タイムスリップがからみ、いわゆるSFものと言えるだけに、私としてはちょっと悔しいつくり。
また時間が優が時間管理人に会う前に戻ったということは、
時間管理人に会った記憶は無くなってるんじゃないの?、とか思うのだがどうだろうか。
(2004年9月23日書き下ろし)
第44話 SOS!夢嵐からの脱出 1984年5月4日放送
伊藤和典さんが自ら脚本を書いたこの回は、夢嵐のことを詳しく描いた回で、
私としては非常に嬉しい回である。
夢嵐とは、第1話でフェザースターの箱舟が迷う込んだところであり、
優がピノピノから魔法のコンパクトを授かるきっかけとなったものである。
しかし夢嵐とは一体何なのか、今まで語られることはなかっただけに、
こうしてひとつの話として描いてくれたのが、ファンとして嬉しいのである。

しかもこの話は、その夢嵐に絡んで環境問題も取り上げるなかなかの意欲作。
マミが夢嵐に迷い込んでしまうという、スリリングな展開とあわせて、まさしく名作といえよう。

「きゃー、見て見て〜、すごーい、ミニチュアセットみたい」
といきなりはしゃいでいるマミちゃん、かわいいねぇ。
今回のマミちゃんは、髪を頭の上で結ってるわけで、「マミ」では珍しいです。
しかしマミちゃんはどんな髪形でもかわいいんだから、たまりませんな。
じゃなくて、立花さんがヘリのライセンスを取得し、めぐみさんとマミちゃんを乗せて飛行中なのである。
本当は俊夫とみどりも誘われていたのだが、遅れてしまい乗れなかったのだが。

「すっごーい、ねえねえ立花さん、宙返りやって」「わかんなーい」
「ジェットコースターみたいだったね。もう1回やってよ。」
マミちゃんの笑顔が最高です。
一方めぐみさんは非常に怖がって、途中降りようとして大変なことになりますが(笑)。
あんな操縦してたら、命がいくつあっても足りませんって。

そんなおり、マミのルミナスターがいきなり出てきたかと思うと、
マミのまわりは光る星でいっぱいになって、マミはおおわらわ。
なんとか星を全部捕まえることができたが、めぐみさんに突っ込まれ、
「何でもないよ。うん、マミ元気。」とうまこごまかしたのでした。

しかし、星がでて慌てるマミちゃんの表情が、かわいいのなんの。
また「うん、マミ元気。」「あなたいつだって元気よ。」というマミとめぐみさんのやりとり、最高です。
また光が漏れないように、ルミナスターをスカートの中に隠すマミちゃんの仕草も、GOOD。

でもそのルミナスターの点滅が、警告であることをポジが知らせると、
立花さんが操縦するヘリは、急に操縦不能に陥り、夢嵐の中に入ってしまうのだった。
その頃俊夫は、まだ立花さんが待っているかもと急いでいたが、
姿は見えないがヘリの音に気付くのだった。

目が覚めると、なぜがマミから優に戻っていた。この夢嵐の中では、魔法が効かないようであった。
改めて魔法でマミに変身しようとしても、やはり魔法は効かなかった。
そんなことをしているい間に、立花さんは目が覚めてしまい、
優は仕方なく立花さんの頭を石で殴って気絶させるのであった。
乱暴はいけません(笑)。仕方ないけどね。
しかしここは、変身出来なかったとはいえ、変身ポーズは堪能できましたね。
優もスカートの中にルミナスターを隠す仕草をしてくれて、もうドキドキものです。

優たちがいる夢嵐の中は、変な世界であった。
今にも崩れそうな陸地にかろうじてヘリは着陸しているのだが、
優がいる間にも遠くの陸地がひとつ、またひとつと崩れて下の海に落ちていっている。
おまけに優がパパの琴を思うと、パパの映像が海に映し出されたのだ。
つまりこの世界と優の世界は、繋がっているのである。
そこで優は俊夫の事を思い、俊夫の映像を映し出すと、
ルミナスターを自分の元に置いておいて、魔法のコンパクトを俊夫に向けて投げるのであった。
コンパクトは見事俊夫の元に。俊夫もコンパクトを見て優と気付き、「優〜!」と叫ぶのだった。

優と俊夫が魔法のコンパクトによって繋がったが、
地上ではまた緑が失われようとしており、その影響で優の世界の優が立っている陸地も、
崩壊を迎えようとしていた。あわててヘリに戻った優は、
必死にルミナスターを抱いて呪文を呟いたのだった。

魔法が効いたのか、無事元の世界に戻ることができたヘリ。
しかしマミは何といって俊夫にコンパクトを返してもらおうか悩むのであった。

夢嵐とは、消えていく都会の自然の夢であったわけで、最後はなかなか考えさせられてしまう。
(2004年9月23日書き下ろし)
第45話 悲しみの超能力少年 1984年5月11日放送
はっきり言って嫌いな話である。昆進之介さんが作監であって良かったと思ってしまう回である。
第46話 私のすてきなピアニスト 1984年5月18日放送
サブタイトルランキング第2位を参照
第47話 マミのファーストキス 1984年5月25日放送
タイトル通り、マミがファーストキスをしてしまう回である。

マミ主演映画第2弾「ブルーメアリの伝説」のなかで、マミがキスシーンを演じることを知らされた。
マミは出来ないときっぱり断るが、立花はマミの言葉を無視してしまう。
さらにその映画でのマミの相手役、すなわちマミのキスの相手を決めるオーディションが始まり、
マミ自身も審査員としてオーディション参加者を採点することになってしまった。
しかしマミは、ファーストキスは一番好きな相手としたいと思っており、困惑していた。

いきなりのマミのキスシーンとの話に、一体誰がマミとキスをするのか、
その一点に興味は集中し、早くも釘付けになる。
ちなみにマミ主演映画のタイトル「ブルーメアリの伝説」は、
松田聖子主演映画「プルメリアの伝説」から取っていることは、知らなくてもいいことです。

そんなおり、オーディション会場に俊夫が入ってきて、マミは驚いてしまう。
俊夫はあがっていたため、王子のセリフを言うところを王女のセリフをしゃべってしまい、
監督やプロデューサーに笑われてしまった。
ところがいざ王子のセリフを言ってみると、なんと監督やプロデューサーにもなかなかの好印象を与える。
そして監督は俊夫に、この映画でキスシーンがあることを知っているかね、と言われ驚いてしまう。
さらに立花さんからは、
「君は確かかわいいガールフレンドがいたよね。マミちゃんとキスなんかしたら、叱られないかな。」
と言われ、俊夫は「あんなの関係ありません。」と答え、マミはふくれてしまうが、
監督や立花さんの採点もなかなかの高得点であることに喜び、10点をつけるのであった。

しかし、俊夫らファンは既に映画のことを知っていたのに、
当の本人のマミが、オーディション当日まで映画のことを知らなかったというのはどうかと(苦笑)。
いや、映画にキスシーンがあるので、マミの猛反対が予想された立花さんは、
あえてマミにこのことを直前まで伏せていて、映画を降りられないような状況を作ってしまったのでは。
立花さんのやりそうな手口ですね。

で俊夫なんだが、そんなに評価が高い演技をしていた?。
私としては、ちっともうまいと思わないのだが(苦笑)。
あれで監督の目に留まるのなら、誰でも俳優になれると思うぞ。
立花さんは、俊夫のことを良く知っているから、お情けで点が高くても納得できるが。

マミの相手役に選ばれたのは、42点を取った注目の新人俳優・城田まさきであり、
俊夫は惜しくも次点の41点だった。
俊夫はなによりマミちゃんが他の男とキスをすることに、大きなショックを受けてしまい、
俊夫の所にやってきたマミに、「映画頑張ってください」というのが精一杯であった。

「やだやだやだやだよ〜、やだやだ絶対やだ。好きでもない人とキスするなんて、絶対いや。」
「だって自分の事みたいなんだもん」
家に戻った優は、皆の前でこう叫ぶのだが、俊夫は
「仕方ないよ。それが仕事なんだもん、仕方がないじゃないか。
 僕はさ、マミちゃんに本物のラブストーリーを演じられる、すばらしいスターになってほしいんだ。
 ファンがキスしてほしくないなんていうの、わがままだよ。」
と意外な言葉を発するのであった。
そして優は一晩考えた末、映画の撮影を承諾するのだった。
でも映画の撮影の最初がキスシーンなんて、ちょっと順番が違うんじゃない?

優にあんなことを言った俊夫であったが、やはり俊夫にはマミちゃんがキスをするのが耐えられなかった。
一方優もキスするのが怖くなって両親と寝ようとしたが、そこで2人のキスを目撃してしまい、
俊夫の家まで走ってってしまうのであった。
「ねぇ俊夫、あのさ、あの私、初めてキスする時はさ、一番好きな人とするんだ。」
このセリフをしゃべる優が、健気で実にかわいいですね。

でいよいよキスシーンの撮影の時が来てしまった。
結局撮影現場に来てしまった俊夫は、そこでまさきとマミのキスシーンを邪魔しようと企てている、
まさきのファン3人組を見つけてしまった。
しかも撮影の邪魔を注意した俊夫は、コンテナの中に閉じ込められてしまった。
まさきのファンは、まさきとマミがキスをするベンチにロープをくくりつけ、
いざとなったらロープを引っ張りキス出来ないようにしかけた。

そして意を決してキスシーンに臨んだマミ。しかし、まさきファンの妨害によって、
まさきとマミは川に転落してしまった。コンテナから脱出していた俊夫は、
ためらいもなく川に飛び込み溺れているマミに追いついたが、
俊夫も川底の岩に体を大きくぶつけ、その反動で水中で俊夫とマミはキスをしてしまうのだった。

俊夫よ、川に飛びこむシーンはホントかっこよかったぞ。
ま俊夫とマミがキスしちゃうのは、この作品なら出来レースですから驚かないが。
でもやっぱりうらやましい。

それにしてもあのセットの壁、もろすぎるぞ。あんなロープで引いただけで、
ベンチもろとも川に落ちちゃうなんて。紙で出来てるんじゃないの(苦笑)。
さては制作費浮かそうとしたな、監督。
あと魔法によって動いたドラゴンは、なんでまさきを先に助けたの?
主のマミを先に助けるのが筋ってもんだろう、とか突っ込んでみる。

個人的にこの話は好きである。
キス、について優と俊夫、それぞれの心境が細かく描かれている点がいい。
むしろ前話でないがしろにされた俊夫のほうに、私としては感情移入してしまう。
で、マミとまさきは結局、キスはその後したの?
(2004年9月24日書き下ろし)
第48話 優とみどりの初デート! 1984年6月1日放送
プップクプー以来となる、みどり主役の回。
タイトル通り、みどりが優と初デートをするわけで、その一部始終を描いた回である。
この話は、なかなかの名作である。
脚本は伊藤和典氏。見事にみどりの心境を描いている

おおっ、久々のDJブースですね。歌ってるのは「LOVEさりげなく」ですね。
しかも今回は守くんまでマミを見に来てますね。
珍しい、と思ったら歌の後にマミとデートできる人を選ぶ抽選があるのね。
なんだ。守も誘ったのは、抽選に当たりやすくするためか。

結局俊夫は抽選には選ばれなかったのだが、当たったのが小学生の女の子で、
ホッとするのだった。しかしそれは元からその女の子に当たるようになっていたのである。
ま、当然ですね。スキャンダルに発展したらとんでもないことになっちゃうから。

帰りの電車で優は俊夫らに合流したのだが、そこで俊夫は
「抽選じゃなくて、マミちゃんに相手を選ばせていたら、俺自信あったんだけどなぁ。」
と言うと、前話でのマミちゃんとのキスを思い返してしまう。

俊夫、マミちゃんとキスしてから、なんかダメ人間になってるよ。
いつにも増して、マミちゃんのことしか頭にないんじゃない?(笑)。

そこで優は、俊夫がマミちゃんとのデートに外れてしまったので、代わりにデートしてあげると言うが、
笑われてしまい、優はついみどりとデートする約束をしてしまうのだった。
「優ちゃんとデート!。優ちゃんとデート!」と言い、おおはしゃぎでみどりは帰ってしまった。

あ〜あ、また心にもないこと言っちゃって、優は。

ところがみどりは優ちゃんとのデートの仕方がわからず、どうしようかと悩んでしまった。
なんか優とのデートを期待して喜んでいるみどりを見ると、
大昔にジャンプで連載していた「キックオフ」の乗りを思い出すなぁ。太陽そっくり。
ついでに書くが、みどりが見ていたTVドラマも気になるのだが。あれ全部見たい気が。

優はポジに言われて、思い切って緑にデートを断ることにしたが、やはり断れなかった(苦笑)。
そしてデート当日。みどりは優との約束の時間になっても駅に現れず、
虫探しをしている守くんのところへ行き、心細いので後ろからデートについてきて欲しいと頼むのだった。
優とみどりのデートが始まったが、守は俊夫の姿を発見。やはり俊夫は気になっていたのである。
こうして、守くんは俊夫とともに優とみどりのデートを尾行することになった。

新宿に行き、最初にみどりが優と入った店が甘味処(笑)。いかにもみどりらしいですね。
でももう話すことが無くなってしまったみどりは、席を外して守くんに助言してもらい、
思ったことをそのまま優に言うのであった。
「僕、優ちゃん大好き」
思ったことってそれかい?。それ今思ったことじゃなくて、ずっと前から思ってることじゃん(笑)。
愛ちゃんよ、みどりはいい奴なので、見捨てないでやってね(意味不明)。

その後、デートは意外にも自然な感じでうまくいったのだが、
その途中でみどりは俊夫が後を追ってきてることに気付いてしまう。
そして優の俊夫への気持ちに改めて気付いたみどりは、守くんに俊夫を呼んでくるように言い、
「俊夫ちゃんは優ちゃんの優しくしなきゃダメなの。優ちゃんにいじわるなこと言ったらかわいそう。」
と言って、優の前から去るのであった。

この話で、結構みどりもいい奴なのだと再確認しました。
最後の捨てゼリフは似合わな過ぎですが(苦笑)。
でこの話があったから、最終回のエンディングに愛ちゃんが登場することになるわけで、
そう言った意味では、優に振られて良かったのかも。
(2004年9月24日書き下ろし)
第49話 潜入!立花さんちの秘宝 1984年6月8日放送
この話は、結構面白い話であるのだが、結構損をしてしまっている。
「マミ」の中で、普通の話としては最後の回であり、次回からはラスト3部作という状況では、
どうしてもラスト3部作のほうに目がいってしまい、この話はあまり目がいかない。
その上、この話から守役の声優が、今までの神保なおみさんから鈴木れい子さんに代わってしまった。
鈴木れい子さんといえば、第45話で誠を演じた声優さん。
そのイメージが強いうえ、今まで培ってきた守の雰囲気が完全にぶち壊しになってしまった。
ラスト3部作でも守の声は元に戻らなかったが、この話は守がかなり重要な役であるため、
ラスト3部作以上に守の声の違いが、作品の評価に響いてしまった。残念である。

なお守の声を今まで演じてこられた神保なおみさんは、OVA「永遠のワンスモア」で復帰される。

またこの回は昆進之介さんが作監の回なのだが、
この話は正直言って作画レベルが低くない。うまくなっているである。
マミも当然登場するが、マミがかわいく描かれているのである。どうしたの昆さん?。
ようやくマスターしたの?。でもこの回が最後の「マミ」の担当なんだよね。
もうちょっと早くうまくなって欲しかったな。

立花さんの父親が日本に戻ってきて、いきなり立花さん家の庭を掘り返すと言い出した。
なんでも立花さん家の敷地内を軍事衛星で写した地表探査写真に、
莫大な財宝をどこかに埋めたまま死んでしまった、祖先の掘った穴が写っていたのだ。
そこでTV局の特番として、財宝のありかを探すことになり、
マミは宝探しのレポーターを頼まれ、快く引き受けるのであった。

宝探しのレポーターか。なんか徳川埋蔵金の糸井重里氏のようだね。私でも引き受けたい仕事である。
ところが当日優は俊夫らと立花さん家に行ってみると、TV局も業者もまったく来ていなかった。
なんと立花家の婆やがキャンセルしていたのだ。
そこで婆やは、先祖が皆庭を掘り返した後に死んでいることを告げ、
発掘の中止を訴えるのであった。
立花さんの父親もそれに同意し、発掘は中止にすることになったのだが、
なんと話し合いをしている間にTV局も業者も、婆やの電話を無視して来てしまった。
さて、どうなることやら。

おっ、久々にルミナスターでの変身しーんが描かれてますね。第44話の変身未遂を含めても7度目。
今回はラスト3部作の直前ということで、意識的に変身シーンを挿入したのでしょう。

発掘が始まり、マミはレポーターの仕事を始めるが、
なにしろこういうレポーターの仕事は初めてなので、なかなかうまくいかない。
そこにめぐみさんが登場したため、レポーターはめぐみさんに交代してもらった。
そこに目的の穴が姿を現した。
守はいち早く俊夫、みどりを連れて穴に入っていったため、カメラもその後を追って入っていった。
一方立花さんらは子供達に宝を見つけかれてはとあせるが、
木所さんの提案でマミちゃんに宝探しをしてもらうことになった。

こうして、守をはじめとして、俊夫、みどり、カメラクルーのグループ、
マミをはじめとして、まもちゃんにカメラクルーのグループ、
そして立花さんに立花さんの父親、それにめぐみさんのグループ、の3班に分かれてしまった。
中は落とし穴の罠や隠し扉、首をつった人形など、数々の仕掛けがあり、
それぞれのグループを惑わすのであった。

おっ、なんと第33話以来、通算3度目の通信機が使われてますね。
この私ですら、通信機の存在をすっかり忘れてましたよ。
確かにここで使わなきゃ、いつ使うんだって感じですよね。

隠し扉の部屋にディレクターと入れ違いになったのを利用して、
マミから優に戻り、俊夫たちに追いつこうと一人で行動を開始。
ところがその間にも守のグループも、ディレクターと一緒になった立花さんらのグループも、
道に迷ってしまっていた。
そこで優は大声を出して俊夫に自分の居場所を知らせようと大声を出すと、
いきなり壁が崩れて隠し部屋が現れた。
そこで皆と合流したのだが、そこにはなんと宝箱が!
期待に胸を膨らませて中を開けたが、そこにはガラス細工の山が。
江戸時代には宝だったかもしれないが、いまではガラクタにしかならない(苦笑)。
ご苦労さまでした。おまけに発掘の請求書まできちゃって(笑)。
(2004年9月24日書き下ろし)
第50話 マミがいなくなる・・・ 1984年6月15日放送
サブタイトルランキング第9位を参照
第51話 俊夫!思い出さないで 1984年6月22日放送
「マミ」ラスト3部作の2話目。前話でマミの事実上のファイナルステージが決まり、
問題が解決したかに見えたが、今回の話で新たな問題が発生することになる。
それは、第27話で失ったはずの俊夫の記憶が、戻りかけていること。
優からマミに変身するところを俊夫に見られたため、魔法を一度は失った優であったが、
俊夫の記憶と引き換えに再び魔法を手にすることができたわけであるが、
その記憶が俊夫に戻ってしまえば、優はファイナルステージを行う前に魔法を返さなければならなくなる。
なんとしてもファイナルステージを最後までやりたいと思う優は、
なるべく俊夫に会わないようにするのだが。

しかしいいシナリオである。「マミ」中盤3部作を、完全な伏線にするなんて、うまいとしか言いようがない。
俊夫の記憶が戻るのが先か、それともファイナルステージをやり終えるのが先か、
最後まで「マミ」には、はらはらさせられるわけである。

ファイナルステージの決定が遅れたため、マミの仕事はものすごい量になっていた。
そのすべてをコンサート前にかたずけるに、午後8時のシンデレラを止めて欲しいと木所さんに言われ、
マミは午後9時までならOKと返事するのだった。コンサートまで、あと1週間であった。

その夜、俊夫は昔録音したマミちゃんのテープを、久々に聴いていて、
自分にまったく記憶のない吹き込みが流れてきて、驚いてしまう。
そしてそのテープの自分の声から、衝撃の言葉が発せられた。
「1983年12月23日。日記をつける習慣はないけど、今日の事はどこかに残しておくべきだと思った。
 ショックだった。どんな事情があったのか、優はまだそれを話してくれない。
 俺をあれほど夢中にさせていた天使が、実は優だったとは。
 今まで半年もそれを隠していた優のことを思うと、なんだかあいつがとてもいじらしくて。
 俺、その照れるけど、はっきりいって優を大切にしなければって。」

まさかあの日に、俊夫が自分の心境をテープに録音していたとは、思わなかったなぁ。
この日から俊夫は、この吹き込みの事が頭から離れなくなり、翌日優に直接聞いてしまう。
「去年の12月23日、何があったか覚えてない?」
この俊夫の言葉に、優の体に衝撃が走った。
俊夫が記憶を思い出しかけている。もし記憶が戻ってしまえば、魔法は使えなくなってしまうかも。
そうなればファイナルステージができない。優は俊夫が記憶を思い出さないことを、祈るしかなかった。

今回マミちゃんが歌ったのは、DJブースでの「LOVEさりげなく」。
これが最後のDJブースとなりました。
そのライブの後、俊夫はマミちゃんにあの日の事を聞こうとするが、
それを察知したのかマミは、めちゃくちゃ忙しいのを理由に俊夫の前から去っていってしまう。
そしてマミは、午後9時までの仕事のため、また両親に嘘をついてしまうのであった。

俊夫はその日も家に戻って、あのテープを聴きなおしていた。
マミちゃんが実は優だった。そんな信じられない事を考えていた俊夫は、
つい優に電話をかけると、なんと優が出かけているうえ、俊夫の家に行っていることになっていた。
俊夫は優のためにうまく話を合わせるのだが、さらに疑惑が強くなってしまう。
優が帰宅すると、俊夫から電話があったことを知り驚くが、
うまくごまかしてくれて助かるのだった。

ネガ「だってそうだろ。あいつが思い出したら、それで全てパーなんだぞ。
 切り札握ってるのはあいつなんだ。」
優「でも」  ネガ「でももクソもないわい!」
優「思い出して欲しいような気もするんだ。」
この回の優って、実に守ってあげたくなるかわいさがあるなぁ。
このセリフだって、俊夫への想いが詰まっていて、実にいいですなぁ。

「そっか〜、もうじきネガとポジともお別れなんだね。」
ここで初めて語られる、ネガとポジとのお別れ。
そう、魔法を返すということは、ネガとポジもフェザースターに帰るということ。
涙の別れは、刻一刻と近づいているのであった。

その後はマミの仕事で忙しくて、俊夫に会っている暇もなかった。
優の両親も帰りの遅い優に、何かしているのではないかと疑いだすし。
そして、運命のファイナルステージの日を、あいにくの大雨で迎えたのであった。

俊夫は最近優に避けられているのに気付き、嫌われてしまったのではないかと思う。
そしてセントラル競馬場に着いた優は、そこでみどりに俊夫がコンサートを見ないと言っていた、
と言われ俊夫を探しに行くことに。
俊夫はデパートのおもちゃ売り場にいた。
俊夫「俺、馬鹿だった。本当にみどりの言う通りだ。あんまり近すぎて気付かなかったんだよ。
 もう手遅れかも知れないけど、マミちゃんにあんまり夢中にならないようにしようって。」
優「ダメだよ。今日のコンサートは見なくちゃ。」
俊夫「いいんだよ、無理しなくて。」  優「どういう意味?」
俊夫「守となら無理することもないし、優はあいつの方が似合うよな。」
優「バカ!、そんなこと言ったら泣いちゃうから。」  俊夫「優」
優「俊夫のバカ!、何考えてるんだよ。私が、私が一番好きなのは、俊夫だからね。」

すごい。小学生がこんなこと言っちゃうなんて。ちょっとマセすぎでないかい?。
しかし俊夫も今頃になって優の大切さに気付くなんて、遅すぎるよ。
またこのシーンの優も、何ともいえないせつなさがあって、いいですな。
今回は遠藤麻未さんが作画監督なのだが、この起用は正解であろう。
後藤真砂子さんが担当していたら、ちょっとこの雰囲気はでないかも知れない。
ホント名シーンですよ。

その頃、立花さんはいつものようにマミが来るのを今か今かと待っていた。
めぐみ「直らないわね。あの子の遅刻。」  木所「僕の苦労わかります?」
めぐみ「わかるわかる。」  立花「お前らな!」
最後に来ても、笑わせてくれますね。

俊夫はやっと会場に着きみどりと合流したが、そこでみどりから意外な言葉が。
「あの時と同じだね。なんだっけ、NPB歌謡祭?。
 俊夫ちゃんと僕でマミちゃん見ていて、優ちゃんがいないの。」
いや、NPB歌謡祭だけじゃないと思うのですが(苦笑)。

そして優は、最後の変身をしようとしていた。
ルミナスターでは3話連続通算8度目、未遂を含めれば9度目の変身シーン。
いよいよこれで変身シーンも見納め。その場所は、厩舎の中であった。
そしてそこでネガとポジは、フェザースターの箱舟が向かっているのに気付いた。
優「早すぎるじゃない!。」  ネガ「俊夫が思い出しかけてるんだ。それで。」
優「俊夫!・・・あとどれくらい?」
ポジ「わかんない。俊夫くんが思い出すのが早いか、舟が下りてくるのが早いか。」
ネガ「どうすんだよ。」  優「最後まで歌えないかも知れないけど、あたし歌えるところまで歌う!。」
優「たぶん、これが最後の変身ね。」

「さあ、ファイナルステージが待ってるわ!」
そう、マミの言う通り、ついに次回は最終回である。
(2004年9月27日書き下ろし)
第52話 ファイナルステージ 1984年6月29日放送
サブタイトルランキング第1位を参照

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