江連はり施術院/趣味/チャレンジ スポーツ/卓球

卓球

小学生の高学年の頃、当時多くの家にまだ存在していた着物を干すための細長い板を2枚並べてリヤカーの荷台の上に置き、何か適当な物をその脚の下に敷いて、それが水平になるように調節し、後はネットの替わりに板の真ん中に適当な寸法の角材を置いて、にわか卓球台を完成させ、何人かの友人たちと一緒にこの卓球台でよく遊んだ。
この「リヤカーの卓球台」を使っての卓球は、視力の弱い私でも屋外で明るかったのと、相手との距離が割に近かったので、卓球のボールが見やすくて充分にプレイを楽しむ事ができた。
ところが、たまに公民館に行って本物の「卓球台」で遊んだりした時は、屋内で少し暗い上に相手との距離もリヤカーの卓球台よりも遠く、更に窓からの光が卓球台に反射して光ったりして、とてもボールが見にくくなり、ほとんどプレイを楽しむ事ができなかった。
私が17歳の時眼の病気で、ある眼科医院に長期入院した事があった。
その医院にはなぜか三階に卓球ルームがあり、ほぼ毎日看護婦さんや入院患者さんたちがそこで卓球をして楽しんでいた。
私も手術後一度視力が回復して元気になったので、しばしば看護婦さんたちに誘われてそこで卓球をした。
幸い、夜間の卓球ルームでは、蛍光灯がほぼ真上から卓球台を照らしてくれるので、私でも比較的ボールが見やすくて、けっこうプレイを楽しむ事ができた。
その医院にはたまたま私と同世代の若い看護婦さんが何人もいて、入院生活が長引く中、その中の1人、Oさんに対して私は人知れず恋心を抱くようになってしまった。
Oさんも、当直で少し時間が空いた時などに時々私を卓球に誘ってくれた。
卓球台の向かい側に立つ彼女の姿はとてもまぶしかった。
それから彼女と二人で、何気無い会話とともに白いボールをやりとりしてすごした数十分間は、約一年間の男子校通いで女性に対する免疫を失いかけていた当時の私にとって、まるで夢のように楽しいひとときだった。

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