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スケート

私がスケートを何とか楽しめるようになったのは、盲学校に入学する直前の、17歳の冬くらいからだった。
その冬、当時s町にあった屋外スケートリンクに行って滑ったり、家の前の田んぼに兄が水を引いて作ってくれた「田んぼのスケートリンク」で練習したりして、一応滑れるようにはなったものの、まだまだ安定したスケーティングにはほど遠く、ちょっとした氷の凹凸でも直ぐにバランスを崩して転ぶ事も多かった。
、盲学校に入学して何年目かの冬の或る日、体育の授業の一環だったのか、私のクラスを含めた2、3クラスの生徒と数人の職員で市営のスケートリンクに行った。
その頃になっても、私のスケーティング技術は17歳の冬からそれほど進歩していなかったが、転倒の頻度はかなり減っていた。
リンクに出てしばらくは、私も友人たちと楽しく滑っていたが、休憩を挟んで再びリンクに出ようとした時、友人が気をきかせて当時私が好意を寄せていた若い女性職員と二人で滑れるように取り計らってくれた。
嬉しかったのだが、自分一人で滑るのがやっとの私にとって、誰かの手を引いて滑った経験などそれまでほとんどなく、ましてや相手が若い女性という事でガチガチに緊張してしまった。
それでも少しの間、彼女の左手を引いてどうにか滑っていたが、案の定僅かな氷の凹凸につまずいて大きくバランスを崩した。
私は何とか体勢を立て直そうと踏ん張ったが、結局こらえきれずに派手に尻餅を突いた挙げ句、勢い余って右に回転しながら仰向きに転倒してしまい、彼女のほぼ正面の位置で大の字になってしまった。
それまでスケートの練習中に数え切れない程転倒したが、これほど派手に転んだのは初めてである。
しかも、よりによってこんな時に…。
慌てて起き上がろうとして頭を起こすと、両手で顔を押さえて後ろを向いてしまっている彼女の姿が目に入った。
この時ばかりは、どうしていつも自分はこうなのだろうと、己のふがいなさを心の中で嘆かずにはいられなかった。

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