得意分野・不得意分野と併業禁止規定

得意分野・不得意分野と併業禁止規定

  医師においても柔道整復師においても、得意分野と不得意分野があります。言い方が悪ければ、『得意分野』『得意でもなく不得意でもない人並みの分野』『不得意分野』と言い換えた方がよいかもしれません。
  医師免許では、眼科、耳鼻咽喉科、内科、外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、整形外科、精神科等の、歯科を除いた全ての分野の加療が可能です。更に細分化した場合、外科では脳外科、心臓外科等に分科しております。整形外科でも同様に手関節部、肘関節部、肩関節部、足関節部、膝関節部、股関節部等に分科までしていないものの専門科になっております。医師は不得意分野では必要最低限の加療しかできませんので、それぞれの得意分野において技術を発揮しております。
  柔道整復師においても同様です。解放性でない運動器系疾患を業務範囲としていますが、医師同様『得意分野』『得意でもなく不得意でもない人並みの分野』『不得意分野』があります。しかしながら、健康保険・労災保険が求めている『得意分野』『得意でもなく不得意でもない人並みの分野』以外の技術に関しては、別途料金設定しうる筈です。(カイロプラクティック・整体療法等は、現厚生労働省では規定外の領域です。…当然医師も含め、柔道整復師の加療料金体系にも存在しません。)この分野で交通事故被害者に対して、自由診療が認められるべきです。損害保険会社の中には、現厚生労働省の規定外の技術を提供させた後に、加療費用は柔道整復師用の健康保険・労災保険を基準にして作られたとする自賠責料金を適用させようとしています。
   公務員、多くの民間会社の従業員の併業禁止の規定は、柔道整復師にはありません。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等の免許所持者が、柔道整復と同一の施術所での併業は従来から認められております。この事からも、仮にカイロプラクティック・整体療法等が柔道整復の範疇にないとしても、柔道整復師が、カイロプラクティック・整体療法等を実施していたとしても不法行為にはなりません。仮に、全くの素人が、それらを実施するより、より安全性があります。 医師においては、前記の様に、歯科以外はどの様な科でも診療可能ですし、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師を含めた、医療系他科も全て可能です。(当然、カイロプラクティック・整体療法等も含まれます。)言い方を変えれば、看護師、臨床検査技師、臨床放射線技師、理学療法士、作業療法士等一人で全て併業している事になります。 
  裁判所は、国民或いは社会から、国民或いは社会が必要としているこれらの技術を取り上げないでほしいものです。



2004.01.11