厚生労働省の最低賃金と柔道整復師の報酬

厚生労働省の最低賃金と柔道整復師の報酬

   厚生労働省は旧労働省時代から、最低賃金を規定しております。現在も同様ですが、下記の様になっております。
  平成9年度(平成10年3月作成)の千葉県の最低賃金では、
     産業別最低賃金額5190円/日(650円/時)
     鉄鋼          6058円/日(758円/時)…792円/時(平成14年12月25日現在)
   厚生労働省が言う8時間/日(40時間/週、320時間/月、3840時間/年)とした場合、
 5190円を基準にすると 25950円/週、103800円/月、1245600円/年
 6058円を基準にすると 30290円/週、121160円/月、1453920円/年
 792円  6336円を基準にすると 31680円/週、126720円/月、1520640円/年 となります。
   典型的な零細接骨院(長谷川整骨院同様の)の収支を考えてみますと、次の様になります。
     従業員1名+柔道整復師1名で整骨院又は接骨院を開院した場合です。
         建物(施術室+待合室+便所+事務室+消毒用の手洗い等)
                   …土地建物共に銀行からの借り入れとした場合、……………100000円/月
         機材(ベッド+物療機器+その他の機器等)
                   …リース(総額600万円リース期間5年とした場合、……………100000円/月
     人件費(上記の条件で、結婚手当・賞与・時間外割り増し・休日割り増し・深夜割り増し・精勤手当                    ・通勤手当・家族手当等は含まず)126720円/月*2…………253440円/月 
         合 計 ……………………………………………………………………453440円/月 となります。
   これを単純に1部位加療の再診の患者さん(580円/人)に振り分けると、月間延べ人数453440円/580円/人=781人となり、21加療日数/月とした場合、37.2人/日となります。つまり、厚生労働省の言う最低賃金を得る為に加療しなければならない患者さんの人数は、毎日37.2名は必要であると言う事です。
   柔道整復師のこの現状を、どの様にとらえるかは各々異なるでしょうが、医師の報酬、弁護士の報酬、裁判官の報酬等と比較すると、あまりにも低すぎる様に思えるのですが、いかがなものでしょうか。交通事故裁判等での、柔道整復師に対しての『必要かつ相当な実費全額』の請求とは、どのように計算されるものか教えていただきたいものです。



2004.01.11