弁護士の報酬と柔道整復師の報酬

弁護士の報酬と柔道整復師の報酬

  日弁連の「弁護士報酬のご説明」では市民法律相談料として5000円〜10000円/30分で、また一般法律相談料として5000円〜25000円/30分の相談料の徴収を規定しております。実労時間8時間/日としますと、最低レベルでも日収8万円にもなります。原告のように拘束時間11時間/日(実労時間10時間/日)でも、この数分の一の収入にしかなりません。自賠責におきましては、『必要かつ相当な実費全額』の請求は認めるとしておりますが、この格差はどのように説明されるのでしょうか。司法関係者は、その他の人より高級だから高所得を得るのは当然で、柔道整復師は低級だから、その数分の一の収入で我慢しろと言われているようにも思われます。
  柔道整復は、一部の整形外科医が柔道整復師のバッシングをする為にも引用しているように、相当のリスクを伴なう場合があります。原告も慎重の上にも慎重に整復します。また、万一の為に個人賠償責任保険、柔道整復師賠償責任保険にも加入しております。かっての医師のような税制での優遇措置もありません。更に、訴訟のリスクもあります。また、100%の加療は100%の知識では実施できません(学校で教えられる程度の知識での加療では充分とは言えません。)ので、より広範な加療に関しての知識の習得も必須です。神経をすり減らし、本来不必要かもしれない保険にも加入し、何ら優遇されることもなく、裁判での金銭的、時間的負担まで負わねばならないこと等も考慮した場合、『必要かつ相当な実費全額』の請求が、どのように計算されるものか注目に値します。
  弁護士にも技術力が有ります様に、医師にも技術力があります。当然柔道整復師にもあります。仮に、昨日医師免許を手にした医師も立派な医師であるには違いないのですが、その隣に、熟練した臨床医が居られた場合、私は、後者に受診し加療していただきたいと思いますがいかがでしょうか。ここにも自由診療の意義があるように思えます。交通事故被害者で有れば、なおさらその気持ちが偽らざる処だと思います。(損害保険会社代理人弁護士も、その能力を認められて法廷に居る訳です。)
  加療開始時に料金体系の確認をしないまま加療させ(自賠責等に関しては自由診療とされていることからも、加療料金格差が有るのが前提だと言えます。)、加療終了時になって施術費の査定を行うのは、医師のように投薬・検査等はほとんど無い柔道整復師にとっては、技術の踏み倒し以外のなにものでもありません。弁護士が、裁判終了後に依頼人から一方的に値切られることがあるでしょうか。また、医師に関しても、交通事故関連の濃厚過剰以外には無いように思われますがいかがなものでしょうか。



2004.01.11