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このたび追分コロニー有限会社は、スポンサーの協力を得て、旧油屋旅館の建物保全と運営を「旧油屋再生プロジェクト」として委託されることになりました。

旧油屋旅館は江戸時代においては中山道追分宿で脇本陣をつとめた由緒ある旅籠であり、明治以降に鉄道が敷設されて宿場が衰退したあとは、堀辰雄・立原道造・加藤周一に代表される文士たちが執筆に利用する宿として、多くの作品の舞台となりました。

「追分コロニー」はそのような文士の愛した軽井沢町・追分地区で古書店を5年前に開業し、まさに油屋旅館が育んだ「本好き」が多いという土地柄に助けられて営業実績を積んでくることができました。一方、軽井沢町は今年度から2年間で中山道・追分地区の歴史街道としての景観整備の事業を行うことを決定し、既に工事が開始されています。

旧油屋旅館は、景観とインフラ整備が進むその追分地区の中心に位置しており、厳しい経済環境等の事情から閉鎖されていることを惜しむ声も多いなかで、「追分コロニー」ではなんとかその建物と景観を遺して有効活用する方法がないか考えて関係者と交渉をしてきました。そしてその結果、今般、幸いにスポンサーの協力を得ることができ、「追分コロニー」が旧油屋旅館の建物保全と運営(有効活用)を委託された次第です。

旧油屋旅館の建物保全と運営(有効活用)については、軽井沢でも活動を進めている「ナショナルトラスト」のような歴史遺産の保全を行うという考え方で、当面は昨年発足した「本のまち・軽井沢」の活動を発展させながら有効活用していきたいと考えています。

従って、旧油屋は旅館として営業を再開するのではなく、事務所・貸店舗・催事場・ギャラリー・アトリエ・倉庫等として活用することで、建物の維持保全を図っていくことになります。追分地区の文化資産である旧油屋を経済的利益優先ではなく町おこし的な活動の拠点として、有効運営していきたいと考えており、この「油屋再生プロジェクト」を追分地区、そして信州を愛する皆さまにもご支援いただきたくお願い申し上げる次第です。

平成23年7月



「追分コロニー」有限会社
斎藤尚宏
斎藤祐子