サイネリア

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・発熱する発
光する濃紫----成熟の半鐘として---- あらゆる奇跡は
こともなげに開封しようとしている 開かれる五月の弓
----その水盤へとただ舞い降りる光の粒粒に---輪誕の
とぎれとぎれの呼称がひときわ色濃く染まりつつほどか
れる所在の火劇 微音の室内楽を導き---水差しの横顔
へとただそそぐ水滴の蒸発----ふるえる有孔の幻想楽へ
代理する そのとおりだ あなたはいつも美しい 唇か
ら毛髪へと青空は絶えず交易して----あなたの近隣とそ
の事象とをさぐりあてる 乳房----乾きへと落雷の夏至
を越えて----おいであなた ぼくらの主治医は舞踏会で
変拍子のマズルカを踊り明かしているところだ おいで
よあなた----ぼくらの指と災厄の静けさに今日もまた植
物の鼓動が隆起していくのが聴こえるだろう あなたへ
と渡す葉脈の月齢に・・・・・・・・・・・・・・・・

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