沖縄観光案内 〜那覇・首里編〜




 大阪・伊丹空港、午前9時。
 3月の冷たい雨は止みそうもなく降り続いている。
 気が滅入りそうな天気だが、ここから南海の楽園・沖縄へ出かけることにする。
 全日空101便はポケモンジェットだったが、乗ってしまえば前方カーテンと枕カバーが絵入りというだけで、特に変わっているわけでもなかった。


  
那覇空港 バス停


 約2時間後、晴天の那覇空港に降り立つ。
 飛行機だとあっけなく着いてしまうが、ここは鹿児島の南方700kmの海上に浮かぶ、遥か絶縁の彼方の島である。
 さすがに5月下旬のような陽気で、Tシャツ1枚でもまったく寒さを感じない。
 沖縄に来るのは初めてで土地勘もなく、ロクに予定も立てていないが、ここにいても仕方ないのでとりあえずバスに乗ることにする。
 バス停には冷房のないトップ車が廃車体のように佇んでいた。


開通間近のモノレール バスターミナル


 開け放しの窓から吹いてくる風が心地よい。
 那覇バスターミナルで降り、国際通りを抜けて琉球の古都・首里まで歩くことにする。
 バスターミナルの場所には戦前は駅があったらしい。が、50年以上経った今、往時を偲ぶものは何も残っていない。
 ここには沖縄の路線バス4社の事務所が置かれ、パンチパーマに金縁サングラスの乗務員がサンダル履きでうろついている。
 こんなに遠くまで来たのにバス屋はどこでもおんなじで、とても寂しくなった。


バスいろいろ


 国際通りを歩いていく。
 那覇市役所の前にはガジュマルの巨木がある。
 本土では鉢植えの観葉植物だが、ここでは街路樹として利用されている。
 しかし、気根が巨大化してグジャグジャになっているサマは、一抹の不気味さを感じさせなくもない。
 国際通りは変わった店が多くてそれなりに面白いが、人の多さに辟易して路地裏を通っていくことにする。
 

那覇の風景@ 那覇の風景A
坂道の風景 首里への道


 首里は那覇市街を見下ろす高台にある。
 バスターミナルから歩いていく物好きはほとんどいないと思うが、初めてということもあり、沖縄気分に浸りつつ散歩がてら行くことにする。
 しかしそれにしても暑く、また坂道もきつい。
 首里城の近くまで来た頃にはへとへとに疲れ果て、沖縄そば屋で生ビールを頼むが、ぬるかった。


大陸の匂い ガンダーラ
中華の風 街を見渡す
ガンダーラ 台湾の風
展望台 石門


 首里城は大戦で破壊され尽くしたが、現在では大規模に復元されている。
 いちばん中まで入るにはお金がいる。
 またいつか来ることもあるかと思い、入らずに帰る。
 公園の中には那覇市街を一望できる展望台がある。誰もおらず、非常に贅沢なひとときを過ごす。
 

石畳@ 石畳A
石畳B Backstreets of Naha


 アベックの多い金城町の石畳をひとり下っていく。
 さすがに歩き疲れてきてバスに乗りたいと思うが、全然時間が合わず、のろのろ歩いてバスターミナルまで戻ってくる。
 この後、レンタカーを借りることになっているので空港に向かう。
 もう午後五時だが、西方の島・沖縄の日は長い。
 いちばん安い軽自動車を借りて、さてどこへいこうかしらんと思ったが、道が嫌がらせのように混んでおり、大人しくホテルで缶ビールを飲み、寝る。