「時が止まった世界」でのスタープラチナの活動時間
■空条承太郎の「スタープラチナ」は知ってのとおり、ジョジョ3部の最終決戦で「止まった時の中で動く」能力を獲得したスタンドである。そして4部以降での彼はこの能力を常態的に使用している。
■しかしその持続時間、つまり「止まった時が解除されるまでの承太郎の体感時間」は、時期によってかなりのばらつきがある。そしてその増減は、承太郎の「年齢」や「体調」とは全く連動していない。つまりこの現象の理由はそれとは別にある。
■「スタンド」という超能力は、1個の生物であるスタンド使いに宿る生命エネルギーの「個性」、その概念や法則を「世界に押しつける」ことで効力を発揮している。一方でジョジョの「世界」の側には、スタンド能力を妨げようとする「霊的な力場」があり、そしてその強さは「土地」によってばらつきがある。つまり、この力場が強い土地ではスタンドの効力は弱くなり、逆に力場が弱い土地ではスタンドの効力は強くなるわけである。
■ただしこの力場の強さがスタンドの効力を大きく上下させるのは、その能力が本体に大きな負荷を与える場合に限られる。例えば人が激しい運動をする時、空気中の酸素濃度の高低は限界が来て動けなくなるまでの時間に大きな影響を与える。しかし日常生活程度の運動であれば酸素濃度に影響されることは特にない。数あるスタンド能力の中でも「止まった時間の中で活動する」能力は特に強力で負荷が大きく、それゆえにこの能力は「世界」の側の力場の強さに大きく影響され、持続時間が大きく上下するのである。
■それでは以下で、各土地での持続時間とその理由を詳しく見ていく。
エジプト(一瞬→2〜3秒)
ジョジョ3部の最終決戦で承太郎は「止まった世界で動ける能力」を会得し、戦いでの逼迫性からその能力を急速に伸ばし、「2〜3秒」動けるようになっている。そしてこの時の承太郎は、自分の生命エネルギーの限界によってこの数値を達成していると思われる。つまりエジプトという土地の「霊的な力場」の中では、彼が「動ける」時間はおそらくこれが限界値である。
そしてエジプトの力場の強さはおそらく、地球上の平均値に近いと推測される。つまり「2〜3秒」という数値は、スタープラチナが「止まった世界で動ける時間」の基準値といえる。
杜王町(0.5秒→1〜2秒)
ジョジョ4部の舞台である杜王町という土地には、「知性」という力が大地に留まり続けて生じた強力な意識体が存在する。この存在によりこの土地では「霊的な力場」がかなり強く、スタープラチナの能力持続時間はかなり短くなる。その持続時間は4部の初期では「0.5秒」である。(ちなみにこの時の承太郎は心のなかで「10年ぶりにこの能力を使った」と漏らしているが、このことはたぶん時間の短さには影響していない)
ただこの数値は4部中盤以降では「1〜2秒」にまで伸びている。この理由は、承太郎が杜王町に長期滞在し、杜王町の食材を食べ、また杜王町の大地からの「知性」信号を受け続け、心身ともに杜王町に「馴染んだ」ためと考えられる。その土地の霊的な力場に馴染めばスタンドの効力は少し増すのである。
グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所(2秒)
ジョジョ6部の主舞台であるグリーン・ドルフィン島には、杜王町とはまた別の「霊的な力場」、数多の罪人を収容し続けてきたことで生じた力場があり、それはスタープラチナの能力持続時間を短くする。しかし一方でこの土地は、地球上で最も「重力」が弱いとされるケープ・カナベラルの一帯に位置しており、こちらは「霊的な力場」を弱くし能力持続時間を長くする方に働く。
この両方の力が働いた結果、この土地でのスタープラチナの能力持続時間は基準値より少し短い「2秒」となっている。
ケープ・カナベラル(5秒→1秒足らず→5秒)
上での説明のとおり、地球上で最も重力が弱いケープ・カナベラルでは「霊的な力場」の強さが弱まる。このためこの土地でのスタープラチナの能力持続時間は、かつてのDIOと同じ「5秒」にまで伸びている。この数値はプッチ神父のスタンド「C-MOON」と戦った時も、C-MOONが進化して「メイド・イン・ヘブン」となり、それが「時を加速する」という能力を発動している最中でも変わらない。
ただし唯一、時間の加速が始まった初期だけは持続時間が「1秒足らず」にまで落ちている。これはメイド・イン・ヘブンの能力の影響によるものである。メイド・イン・ヘブンの時間加速は、宇宙船を地表から宇宙空間に飛び立たせるかのように、地球上の全生物を「今」から「未来」へと飛び立たせることで起こっている。そしてこの際には宇宙船発射直後の乗組員が強力なG(重力加速度)を受けるように、メイド・イン・ヘブンに運ばれる全生物もそれに似た力を受ける。それは霊的な力場を一時的に大幅に強め、この結果スタープラチナはその時間帯だけ極端に能力持続時間が短くなったというわけである。