世界樹 (スタンド名なし)
本体名:DIO<ディオ>
ディオ・ブランドーの頭部とジョナサン・ジョースターの肉体を持つ吸血鬼
能力:36名の極罪人を植物に変えて根を繋げ、一つの「実」を生み落とす
スタンド形成法 | 射程距離 | パワー | 射程・パワー増加法 |
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スタンド体復活体 | − | 超 | 自活パワー供給 |
スタンド解説
■「天国へ行く方法」の一手順として、DIOのスタンド「ザ・ワールド」が、「人類の正しい終着点」を演算する際に発動する能力。ただし、「ザ・ワールド」はこの手順が実行される前にDIOの死と共に消滅してしまったため、実際にはこの能力は、DIOが生前に自分の肉体から抜き取りプッチ神父に渡していた「骨」に、スポーツ・マックスのスタンド「リンプ・ビズキット」が力を呼び戻すことで発動されている。
■「ザ・ワールド」が「人類の正しい終着点」の演算を始めるには、まず「ザ・ワールド」をその「器」である一個人、DIOの肉体と記憶の束縛から解放しなければならない。(なお、解放された状態の「ザ・ワールド」と、「骨」に純粋に力だけを呼び戻したものとは、その性質はほぼ等しくなる) 解放された「ザ・ワールド」は、自らに触れた人間たちを無差別・無条件に「植物」の姿へと変えて取り込み、自身の一部とする。そして植物化した人間から伸びていく根は、他の植物化した人間から伸びてくる根と触れると接木のように繋がり、このようにして植物化した人間たちを互い互いに網の目のように結ぶことで、その全体が一つの巨大な植物として機能するようになる。この植物の構造はいわば、複数のコンピューターを連結して一つの膨大な演算を行う「スーパーコンピューター」のようなものである。そしてこの植物は「ザ・ワールド」の意思のもと、植物化した人間たちの肉体と魂を記憶容量に、その身に受ける太陽光を動力に、成長速度を演算速度に変えて、ある一つの「シミュレーション」を行う。そのシミュレーションとは、この植物内部に世界を抽象モデル化した「世界の縮図」を作り出し、その世界内の「時間」を運命を操りながら未来へと加速させ、その果てにある「人類の正しい終着点」を演算結果として得ることである。
■強いパワーを持つとされる極罪人36名以上の魂で以って、「世界樹」内に実体を持たない情報的存在として構築される「世界の縮図」は、時間・空間・エネルギー的に「世界」としての体を成す最小限の構成を持つ。その空間範囲は生命進化の舞台にして、真空という無を境にそこから外を無視したほぼ「地球」のみの範囲。その(初期状態の)時間は人間にまで進化が進んでいる本物の世界の「今」と同じ時代。そのエネルギー規模は「36名の人間の魂のエネルギー」に、下記の「太陽のエネルギー」を加えたものとなる。
■本物の世界において、生命を生み出し維持するエネルギーのほぼ全ては、遥か遠くから届く「太陽光」によってもたらされている。(地球自体は生命が存在できる「環境」を用意しているに過ぎず、地球内部の地熱などが生命にもたらすエネルギーは、太陽のそれに比べれば微々たるものに過ぎない) これと同様に「世界樹」そして「世界の縮図」もまた、本物の太陽からエネルギーを与えられることではじめて活動できる。植物である「世界樹」は、太陽光を最大限に効率的にその身に受けて加速度的に成長していき、そしてこの成長速度は「世界の縮図」内における「時間」となり、その時間を加速度的に未来へと進めて行く。(なお、本物の世界に比べてエネルギー規模が遥かに小さい「世界の縮図」にとっては、本物の太陽から与えられるエネルギーは相対的に非常に膨大なものとなるため、ほんの数分の日射でも「人類の正しい終着点」に至るまでのエネルギーを充分まかなえる量となる)
■また、36名分の魂の規模しか持たない「世界の縮図」内では、「ザ・ワールド」が持つ意思、「人類の正しい終着点へ辿り着こうとする力」も相対的に非常に強いものとなる。これにより「ザ・ワールド」は「世界の縮図」を、王のごとき力で支配し、神のごとき力で運命を操り、確実に且つ無駄なく効率的に「人類の正しい終着点」へと導く。こうして「世界の縮図」が「終着」へと至った時、「ザ・ワールド」は情報的存在であるそれに同化して実体を与え、「世界樹」はこれを「実」として外界即ち本物の世界の中へと生み落とす。そしてこの存在は後に全生物が「時の果て」へと旅立つ際に、「時の果て」の中に眠る「人類の正しい終着点」の座標を示す「道標」の役割を果たすことになる。