それは世界に排除される宿命と、世界を排除する力を持つ者。
それは邪悪に染まる宿命と、世界を邪悪に染める力を持つ者。
キング・クリムゾン KING CRIMSON
本体名:ディアボロ<Diavolo:悪魔>
巨大ギャング組織「パッショーネ」<Passione:情熱>のボス、
二重人格者、エピソード61巻P129〜
能力:時間を消し飛ばす
スタンド形成法 | 射程距離 | パワー |
---|---|---|
身体・能力加形体 | 2m | 高 |
告知
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スタンド解説
■「世界」に敵対し、「世界を排除する力」をその身に宿す人型スタンド。その全身は「檻」のような金網状の紋様に覆われ、その目は邪悪且つ異界的な輝きを帯び、額にはもう一つの小さな顔、「エピタフ」が付いている。「K・クリムゾン」はその「排除の力」により、「周囲の時間・空間を一時的に消滅させ」「自分に対する世界からの運命を無力化する」能力を持つ。また「排除の力」を宿すスタンド体による攻撃は、対象を「焼く」かのように破壊する効果があり、人体程度なら容易に貫き、切り裂くことができる。
■額の「エピタフ」(<Epitaph:墓碑銘>)は「時間のみを消滅させる」ことで、壁に錐(きり)で穴を空け壁の向こうを見るように時間の向こうの「未来」を見て、「10秒後までに自身とその周囲に起こる事」を本体の眼前に映像・音声として映し出すことができる。ここで見える「未来に起こる事象」(本体自身の行動も含む)は、「絶対に起こる運命」であり、決して変える事はできない。ただしこの「未来」は、「本体自身が予め(本来の)未来を知り、それに何らかの反応・対応をした」上でのものに変えられている。つまり「エピタフ」には「運命を自分に有利になるように改変する」効果があり、これにより自身の攻撃命中・敵からの攻撃回避・隠れている敵の発見などの確率も増す。
■「K・クリムゾン」の最大能力は内なる「排除の力」を解放することで発動され、「周囲の時間と空間を一時的に消滅させる」ことができる。(以下、この能力を「宮殿」と名付けて呼ぶ) 「宮殿」能力で消滅させられる空間範囲と時間の長さは比例し、「宮殿」の最大持続時間の10秒に対し、その空間範囲は半径数100mぐらいになると推測される。なお、消滅させられた時空間は、「宮殿」能力の消減と共に「世界の自己修復力」により元どおり復旧される。
■「宮殿」発動中の時空間内は、「K・クリムゾン」とディアボロを除く全ての物体(物質・生物・スタンド)が「実体」を失った、虚ろな状態にある。そしてその中では、時空間破壊直前の「原因」から時空間復旧直後の「結果」へと至る「動き」だけが、「残像を残していく立体の軌跡」として見える。そしてこれら実体の無い物体の動きはディアボロに対しては無力であり、立体映像のようにぶつかる事なくすり抜けてしまう。このため「宮殿」内ではディアボロはいかなる攻撃に対しても完全に「無敵」であり、例え「宮殿」発動前の「エピタフ」で彼に「死の未来」が示されたとしても、これが現実となる事は無い。つまり「宮殿」には(「エピタフ」でも回避不可能な)「不都合な運命を強制的に無力化する」力がある。また、実体の無い生物は当然「宮殿」内での自分の行動を認識・記憶できず、このため時空間の「復旧直後」を能力「発動直前」の次の瞬間と錯覚し、「時が飛んだ」と感じる。
■ディアボロは「宮殿」内で実体の無い壁や床を自在に通り抜けられる反面、実体の無い他物体への手出しや攻撃も一切できない。ただし「K・クリムゾン」が他の人間を「掴んだ」状態で「宮殿」を発動すれば、実体を保ったままのその人間を「宮殿」内で引っ張り移動させることができる。(この時その人間は意識を失った状態に陥るらしい) さらにその人間を、本来他の物体がある場所に「重ねる」ことで、時空間の復旧と同時にその物体により「貫かせる」こともできる。(トリッシュをエレベーターから連れ去り、ナランチャを鉄柵で刺し貫いたのはこの手法であろう)
■「K・クリムゾン」が敵を攻撃する際には、「宮殿」を発動して敵の実体と記憶を奪いその攻撃を無力化し、敵の動きを読みつつその死角へと移動、時空間が復旧し敵が実体を取り戻してから無防備状態の敵に致命的一撃を食らわせる、という戦法をとる。敵は「時が飛んだ」ことを認識するのにどうしても一拍間が空いてしまうため、「K・クリムゾン」からの攻撃を防御・回避するのは非常に困難となる。通常はこの戦法で充分だが、さらに完璧を期す必要があるとディアボロが判断した場合には、「宮殿」発動中から攻撃動作を始め、「宮殿」が解除され敵が実体を取り戻した瞬間に攻撃を食らわせるという戦法もとる。ただしこの場合タイミングを見誤ると非常に危険である。なぜなら、敵が実体を取り戻す前に攻撃が届き、実体の無い敵の肉体をすり抜けて重なり、この瞬間に時空間が復旧し敵が実体を取り戻してしまうと、重なった状態の自分の攻撃部位が敵の肉体によって貫かれてしまうことになるからである。
■ギャング組織のボスである本体ディアボロには、「ヴィネガー・ドッピオ」<Doppio:二重>という名前の「もう一つの人格」があり、普段はこちらの人格で活動している。ドッピオは精神年齢的に「少年」の人格であり、ディアボロが彼でいる間はその肉体も少年の身長・体格に変わる。その性格は気弱・臆病で、人に触れられることを極端に嫌う。ドッピオは自分を「ボスの腹心の部下」で、「ボスとは違う人間」であると認識し、「どこかにいる」ボスとの会話には、その辺の適当な物を「電話」だと信じ込んで使う。ドッピオ→ディアボロへの人格の移行はアナログ的に(例えるなら「コインの裏表」ではなく「月の満ち欠け」のように)行われ、肉体はがっしりと逞しく、精神からは臆病さが消え逆ギレしたような反抗意識に満ちてくる。なお、人格の移行がある程度まで進めば、ドッピオにも「K・クリムゾン」を使うことができる。ただし能力は制限され、使えるのはドッピオの額に現れる「エピタフ」による未来予知と、ドッピオの肩口から出現する「K・クリムゾンの腕」による攻撃だけとなる。
本体解説
奇妙なエピソードを経て、この世界に「産まれるはずの無い者」として生を受けた赤子「ディアボロ」は、この世界の「摂理」(プログラム)に生じた小さな「過ち」(バグ)を、その精神の奥深くに宿して誕生した。「バグ」はディアボロ少年の内で「もう一つの人格」に育ち、臆病な彼を徐々に支配し、時に彼に代わって彼の肉体で偽名を名乗り行動するようになる。そして19歳のときに「矢」によりスタンド使いとなった「バグ人格」は、「K・クリムゾン」のスタンド体に宿る人格となり、コンピューターのプログラムバグのように「世界をバグらせる」能力を獲得する。(ただしコンピューターのプログラムと違って世界の摂理はあまりにも巨大且つ完全に確立され、その上自己修復能力もあるため、「K・クリムゾン」の力では世界を局所的・一時的に破壊するのがせいぜいである) そしてさらに時が経ち、「バグ人格」はディアボロの肉体と精神を完全に支配して「現ディアボロ」となり、バグ人格に支配され精神の成長を止めた「元ディアボロ少年」は、その子供の肉体と臆病な性格でボスの正体をカモフラージュする「ヴィネガー・ドッピオ」となり、以降この二人は奇妙な共生関係を保ちながら生きることになる。
また、世界のバグである「K・クリムゾン」がその精神の力で「世界を排除する力」を持つのと同様に、「世界」はその自己修復力により「バグを排除する力」を働かせ、その力はディアボロに関わる人間をディアボロに敵対するように仕向け、ディアボロに「強力な人災」を集中させる。ただし、「バグ」であるディアボロがドッピオの精神の奥底に潜んでいれば、彼に働く「排除の力」も弱まり、「強力な人災」も「軽いトラブル」程度に抑えられる。ディアボロ少年が臆病な性格になったのは、産まれ落ちた時からずっと理不尽なトラブルに遭い続けたためであり、現ディアボロが国をも裏から操るほどの巨大ギャング組織のボスになり得たのは、その身に集中する「強力な人災」(これには必然的に闇社会の住人が関わる確率が高くなる)を無敵の「K・クリムゾン」で乗り越え、闇社会でのし上がっていけたが故である。なお、現ディアボロ=バグ人格の「邪悪さ」は、元ディアボロ少年が人とのトラブルで感じ続けてきた「負の念」によって培われたものであろう。