大阪駅10番ホームの出発を待つトワイライト・エクスプレスと電気機関車EF81104
 世界最長の海底トンネルを潜って1500kmを21時間で走しる豪華な寝台特急列車がJRにある。1989年発足以来の人気で1編成に2部屋のスイートや8部屋のロイヤルを手に入れるには至難の業である。しかし汽車旅を楽しむには最高の列車であり、誰もが一度は乗ってみたい車両で、2002年末には内装もリニューアルされて走り始めている。
 私は是非乗車しようとの思いでインターネットのサイトを探ってみた。するとJTBのホームページに臨時貸切列車での北海道ツアーが掲載されていた。先ずは駄目で有ろうと試しに検索すると「ロイヤル」の最後の一部屋が残っていた為に即座にサイトに申し込んだのでした。何と幸運と言うかインターネットの恩恵を被った次第である。
 5月27日(火曜日)大阪駅構内で全員が集合してホームに向かうと列車9001レは10番線に到着していた。2号車の乗車口から入るとトワイライトのマットレスが、一番手前のA−5部屋に乗込むとそこはシックな個室の空間、足元にトワイライトのロゴが刺繍された白いスリッパが出迎えてくれた。窓際の洒落たランプの下には灰皿が置かれていて喫煙者の私にとっては嬉しかった。
 列車は12時丁度に発車して新大阪を出るとウェルカムドリンクが運ばれて来て、これ又ロゴ入りのHOKKAIDOワインで北海道産100%生葡萄酒の赤を頂いた。京都からの参加者を乗車させると山科から湖西線に入って列車は快適に高架線を走行する。55分に室内アナウンスが琵琶湖が見えて来ましたと案内した。晴れていた空はしっとりと変わって車窓から比叡山が霞んで見えた。
 13時40分に永原トンネルを出た処で北陸本線と合流し、最初の機関車交換が行なわれる敦賀駅に到着したのが13時50分だった。大阪からのEF81104号機とバトンタッチのEF8144号機の交替作業の間、約20分は皆さん車外に出て休息したり写真の撮影です。ここで初めてトワイライト・エクスプレスの全景を見る事が出来たのでした。
13時50分〜14時05分、敦賀駅での機関車交替風景
 14時14分敦賀を出発して間もなく車掌の室内アナウンスで北陸トンネルの説明が始まった。全長13.8kmのほぼ直線のトンネルは過去1972年、大阪発青森行き急行「きたぐに」の食堂から出火して30人が死亡700人以上が負傷するという惨事が有った事を説明されていました。列車は約10分で通過すると車窓の景色は一変して北陸の豊水地帯で弥生時代からの米作地である福井平野の田園です。
左側の車窓 北陸トンネルを10分で通過する 通路側小窓
福井の手前でアナウンスがあって14時56分福井駅到着。出発すると長閑な田園風景
 加賀百万石の説明で15時50分金沢駅到着16時10分倶利伽羅峠で富山県に入り16時23分高岡駅、16時38分神通川を渡るって富山駅に到着したのは16時40分だった。
 車掌の案内がさらに続きます。北アルプス立山連峰、富山湾の蜃気楼と蛍烏賊の夜光、17時15分に日本海が近付いてこれから新潟県に入り1時間の海岸風景を走ります。親知らずの浜では悲しい物語の銘せりふです。室内ラジオ4chからは石川さゆりの♪夜明け間ぢか北の海は波も荒く♪「能登半島」が流れていた。
17時41分頸城トンネル通過中 17時54分佐渡ヶ島見える?
18時00分直江津に到着 18時18分信越本線にて
この寝台特急のハイライトは車窓から眺める日本海の夕暮れ「トワイライト」風景
3号車の食堂車「ダイナープレヤデス」でフランス料理:(スシ24-2)
MENU
@ 海の幸のパートフィロ包み シガレット仕立て
A 穴子とグリーン野菜のラザニア
B プロヴァンス風野菜のファルシー
C 伊勢海老の軽い煮込みブイヤベース風
D 特選和牛ロース肉のポワレとアンディーブの煮込み
E アイスクリーム風ティラミスとエキゾティックフルーツ
食事の締めくくりは薫り高いブルーマウンテン紅茶
神戸の鷹取工場で電車から改造されていた 陽が落ちてよりシックになった食堂車内
 臨時貸切列車と言う事も有ってダイナープレヤデスの夕食は3回に別けて行われた。私達は最後の20時に参加し、とっぷり暮れた中を走るシックな車内でのフルコース料理はビールが弾んだ。
 ロイヤルの個室はとても素晴らしい。世界中に数ある豪華寝台列車の中でもこれほどの個室設備を持つ車両は見られない。シャワーとトイレが専用で使用できる事の快適さは格別である。JRにおいても他のカシオペヤや北斗星よりも余裕の有る空間を備えている。そして夜間の空間移動というだけでなく、昼間から夜間を21時間も走る汽車旅は誰もが堪能できるものである。
室内の設備 1編成に8室しかないA個室寝台ロイヤル:(スロネ25-502)
室内調節器 シャワールーム 洗面設備 専用トイレ
 車内アナウンスでは、おみやげグッズの販売を始めるという。オレンジカードやネクタイピン、文具セット、タオル、パズルなどなど、おみやげになるものから、車内生活に必要なものまで揃っている。商品にはオリジナルのエンブレムがついていてダークグリーンのシンボルカラーでまとめられて高級感がある。