これはメッセ館のログ2011/11/01分を加筆したやつです。
お蔵入りする前に放出。
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「トリックオアトリート?」
今日は一部隊の大規模セキュリティーアップデートがある。
前日までにRが作ったパッチを当てないと、毎回大騒ぎになるほどのちょっとしたイベントだ。
なぜなら…
『お菓子くれないといたずらスルゾ』
ポップアップするコメントと共にかぼちゃがひょっこり現れる。
「ブルツーのお使い?ご苦労様」
澪がいる隊長デスクにもチェックにあらわれた。
展開されたパッチに同封されている飴をかぼちゃに渡す。
『パッチ確認シタヨ。飴ありがとー』
「げ、今日だっけ?」
「今日よ、副長」
慌ててラピスが副長デスクのパッチを当て始めた。
そのそばから二回目チェックのお使いがやってくる。
『お菓子くれなきゃ…サボテン投げるぞ』
「ちょっと待てテクト、もう少しで終わるから」
『じゃ待つ』
いつもならカウボーイハットのウェスタンスタイルのネットRが、ハロウィンらしく魔女帽子になって確認に来た。
一回目の確認を見てからパッチを当てるものが多いのは、このハロウィンスタイルのネットRを毎回楽しみにしているからだ。
「終わった、飴持っていけ!」
『もらってく!』
他のメンバーにも同時間にかぼちゃが現れ、飴をねだっていく。
ちゃんとパッチを当てているといいのだが…
『お菓子くれなきゃ…ミックスベジタブルの刑』
「待った、エクセノ。パッチのコードが見つからない」
『Rに問い合わせてください』
『お菓子くれなきゃ…雪だるまさんにしますよ』
「さっき当てたから飴どうぞ、キーワト」
『ありがとです、今度は早めにパッチ当ててください』
『お…お菓子くれなきゃ』
「あ、メタボんかぼちゃ帽子可愛い」
『好きでこんなカッコしてるんじゃなーい!!早くパッチ当てろー!!』
『お菓子…』
「クエンダーだ、はい飴どうぞ」
『やった!』
『お菓子くれなきゃ…
9割近くがパッチを当てた頃。
「そう言えば月炎どこだ?」
「今日はたしか休日…アクティブの間休憩取れなかったから起きてないのかな」
大地とクリムゾンが心配しているのは、姿を見せない世話焼き。
普段なら真っ先に終わらせて、他のメンバーのパッチを当てに奔走しているはずである。
珍しく姿が見えないのだ。
二人で月炎の部屋に向かうと、個人デスクを開きっぱなしのままベッドに突っ伏して寝ている姿が。
「おい月炎、ゆーえーん」
大地が肩を揺さぶって起こしにかかる、やはり力尽きて中途半端に寝てしまったらしい。
『Trick or Treat?』
かぼちゃを引き連れたハロウィンスタイルのネットRがひょこっと顔を出す。
「おい、ブルツー来たぞ」
「ん…?俺どのくらい寝てた?!」
月炎が目を覚ましたのとブルツーが来たのがほぼ同時。
『にひひっ☆』
「え、まさかパッチ当てる前に寝たとか…」
『お菓子くれなきゃ超いたずらスルヨ』
「げ」
飛び起きて急いでパッチを当て始める。
このネットRが来てから当てるのは、手遅れに近い。
パッチ展開時間を考慮せず時間カウントを開始して、いたずらをしまくるのだ。
デスクトップのアイコンやカーソルをかぼちゃがおやつとして食べるのはよくある事。
かぼちゃを大増殖させてハングアップは最悪な部類だったらしい。
『珍しいね、いつもは早いのに』
「直前までアクティブだったからかなり疲れていたようだよ」
『そかー、いつも早いからちょっとオマケしようかな』
てしてしとかぼちゃを叩きながら、珍しく少し待ってくれているらしい。
優秀なAIを使っているためかネットRは融通が効くのだ、多少の会話も成立する。
「よし、展開完了!飴もっていけ!!」
『貰って行くよー飴ちゃんvv』
「ちなみに間に合わなかったら何する気だったんだ?」
『今回はネ、はずかしー写真ばら撒くの。ジャーネ』
その言葉に固まる3人。
「ヘタするとアレをばら撒かれたの、か…?」
「そ、それはマズい。ていうか消してなかったの?月炎」
「どこかのファイルに紛れ込んで行方不明。クリムゾンの分もあったはず」
「あ、任務の時のアレ…まだあったのか」
何かしら思い当たる写真が残っていたようです。
主導しているRの元には刻々と飴のカウントが上がってきている。
「おー、上出来上出来。アクティブ除外しても97%完了はトップクラスねぇ」
『現在97.56%飴回収完了、0.81%がパッチ展開中です』
「ナビ、報告ありがとう引き続き状況監視しててね」
先ほどまでは「パッチのコード忘れた」という問い合わせがひっきりなしに来ていたが、それも収まった。
そろそろブルツーのかぼちゃにいたずらされた報告が上がってくる頃である。
「プリシラ、クルツ、飴にアイコン混ざってたらより分けておいて」
『先ほど一個混ざっていたので隔離しました」
「一個?本当に少ないなぁ」
やはり例年より少ないかと安心した矢先である。
『R、フォルダが混ざっていましたので隔離しました』
「…ちょっと中身見せて」
開くと数枚の写真データが入っていた。
19部隊の懇親会か飲み会らしき写真である、かなり泥酔状態の模様。
「…今回はいきなり写真盗ってきたよ」
まもなく隣の部屋から悲鳴と共に、またフォルダが転がってきた。
中には14部隊所属で先ほどの悲鳴の主のヒゲメガネ写真等数枚。
「ブルツー、この写真どうするの?」
『ばら撒くノvv』
何か新しいイタズラを思いついて実行しているようだ。
ぽろぽろと写真の入ったフォルダが飴に混ざってきていた。
程無く、隊長室にある会議用モニタにブルツーが集めて…というよりイタズラの成果が表示されていく。
「これは効果のあるイタズラだな、見てると違反が目に付くものもあるがどうする?」
「重大な違反でない限り、今回は副長のゲンコツで済ませましょう」
50枚に一枚ほど問題があるが、ほとんどは笑う写真ばかり。
疲れきってベッドに辿り着く前に沈んだ姿、酔った勢いの失敗あれこれ、バレンタイン戦の打ち上げ。
潜入任務の変装姿も多々ある。
しばらく笑いが途切れることはなかった。
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