メッセ館青ログ:オリジナルキャラ設定話に小話をつけてみる1.0 二週目

小話をちまちまちまちまと。

設定話順に5人ずつとなります。
フェイト、ワザナ、フォーレイ、月炎、カー君まで

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フェイト二周目



「ただいま、っと」

久しぶりにエースのホームに戻ってきた。
特に自室を確保していない自分にとっては、我が家同然である。
しばらく滞在して、検査調整でラボと行ったり来たりのんびりする予定だ。

「おかえり、ちょっと賑やかだけどごめんね」
「しばらくお邪魔してま~す」

まだまだ健在の怜とティアが出迎えた。

「あ、ちびっこいの逃げた」
「ん?」
「人見知り激しいから…フェイト君は初めてだし」

なにやら察するに、子どもがいるらしい。
イクスは、ごくまれに極端に力のある能力者や出生が特殊な子供を連れてきては育てている。
本人曰く『成長していく過程が非常に楽しいですよ』だそうだ。
今回も、そんな子供を見つけてきたのか。

「ほんと、イクスさんどこから見つけてきたんでしょ」
「またか…相変わらず好奇心に貪欲だな」
「今回はスゴイですよ、みんな最初は一様に固まりますから」

ティアが少々困った表情を見せる。
すぐに怜が隠れた子供を抱き上げてあやしながら連れ戻ってきた。

「ほら、大丈夫よ」

その子供は、鮮やかな赤の髪と目。
幼いながらもその輪郭には見覚えがあった。
データベースも、見覚えがある同一人物と一致する。

「は!?」

どこから探してくればこんな子供が見つかるのやら。
砂の星から目当ての砂粒を一個見つけるようなものじゃないのか?!
何考えてるんだ、イクス。

「ねぇねぇ、しってるひと?」
「お兄さんはフェイトって言って、物知りで力持ちさんよ」
「フェイトさーん、フリーズしてませんよねー」
「ああ、やっぱりフェイト君も驚くか」
「…嘘だろ」


流石に、コレばかりは驚いた。



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ワザナ二周目



「だからお前は単純なんだ」
「セっちゃんも容赦ないネ」

いつもウルサイ雪月花の相手はイヤなんだよ。
だけど敵う相手がいないから、仕方無くテキトーな時間に襲っている。
ただし全敗中。

「言わせてもらうが、この前片肺に穴開けてやったんだが完治してないな」
「してナイよ」

ヒューヒューと息苦しいが、退屈で仕方がない。
退屈なのでいつものクセで適当に雪月花にちょっかいをかけた。
その結果が…

「…今回は内臓半分潰したから、いいかげん大人しくしていろ」
「イーヤーダー、ヒマはキライ~」

文句をいくつか言いたかったが、やめた。
ソレよりもめったに感じない大きな気配を見つけた。
丁度、自分の真上。

「きひひっ!オモシロイものみーぃつけた」
「げ、ワザナ」
「…マズそう」

飛び上がり、武器で攻撃する。
居たのはディーダとリヴァイアサン

「リヴァイアサン!」
「えーっとこれは新手の歓迎?」

思ったよりちょこまかと避ける。
もしかしなくても雪月花よりは感触を掴むのがムズカシイ。

「あのバカ…全然武器持ちの自覚ないのか!」
「ブレスさんも帰ってきて早々災難だナァ」

外野ウルサイ。
強いヤツと戦うのはタノシイ!

「仕方ない、プラズマ」

武器を呼び出したリヴァイアサンのリーチが急に伸びる。

「おおおっ?」

バランスを崩したところに、腹に衝撃。

「血の気多いから抜こうと思ったんたけどねぇ」

声がした瞬間すとんと力が抜ける。
腹を貫通している半透明の刃がどんどん赤くなっていく。

「む…が…?」
「このケガだと、精気抜いて黙らせるのが一番かな?…不味いけど」


何が起こったかよくわからず、意識が暗転した。
目が覚めたのはそれから4日後で、動けるようになったのはそれから6日も経った後だった。



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フォーレイ二周目



「霊廟」といわれる特殊な空間は限られた人間しか入れない。
その場所になぜか中から足跡がついていた。

「何があってもおかしくないけど、歓迎しないな」

現場は、造られて数十年しかたっていない第3霊廟らしい。
まだそれほど時間が立っていないにもかかわらず、壁面が全面特殊なクリスタルで覆われ、水晶窟のようだとカリザナが言っていた。
クリスタルは強力な魔力を帯びているため、自分にも鮮やかに見える。
そのなかにはっきりと人影のようなものがあった。

「これはこれは…どこから入られたのでしょう」
「う。ウワサには聞いてたけど本当に物陰でも見えるのか」

悪びれたそぶりが無い返答が帰ってくる。
男でもなく女でもなく、中性的な感じの声だ。

「所属は9番?」
「ん?…そうですが」

随分くだけた部隊の呼び方をする。
しかもやや古い言い方だ。

「悪いっ、見逃してくれっ」
「それはできません、何者か答えないと実力行使させていただきます」


「風しか『この事』は知らないんだ、イクスにバレるとまずい!!」

風しか知らない…
ということは、まさか。

「察したな、他言無用で頼むよ」
「いったいどうやって…」



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月炎二周目



「いい店見つけたから行ってみないか?」

大地が見つけてきた店はちょっと洒落た店だった。
が、どうも一見さんお断りだったようで。

「うっわ…せっかく来たのに」
「まさか知り合いなんているわけ無いし、ね」

三人で途方にくれていると、予想もしない助け舟が。

「ちょっと、兄さんたち見つけちゃったの?」


本当に「まさか」冥華がいるとは。


「あんまり教えたくなかったんだけど、見つけられちゃったらしょうがないよね」

花屋のメンバーの隠れ家的な店だったらしい。
よく見るとカウンター席になじみの顔がそろっていた。

ジャズがかかる店内はゆったりとした雰囲気だ。
軽く肴を食べながら、しばらく三人で談笑しながら飲んでいた。
時たまにカウンター席を見やると、あちらも楽しそうに食事しながら他愛の無い話で盛り上がっているようだ。


十分酔いがまわってきたところで、照明が落とされて生演奏が始まった。
若干空気が浮き足立つ。

「演奏…に浮いてるわけじゃなさそうだな」
「うん、何か常連さんしか知らないことやってる感じ」
「何か遊んでいる感じがするな」

と、囁いていると後ろから肩を叩かれる。

「君ら、早くしないと好みの子取られちゃうよ」

隣の席から、常連客らしき人がカウンター席を指差しながら話しかけてきた。
カウンター席を見ると、花屋の四人がカクテルを片手に二席ずつ空けて座りなおしていた。
なんとなく始まったゲームのメインらしいということが判った。

「なんかルールとかあるんですか?」
「グラスを持って話しかけるだけでいいよ」


「だと」
「やるの?」
「やるか!」

顔を見合わせ、迷わずじゃんけんをする。
大地が負けてしまい、クリムゾンとあいこの死闘を繰り広げ一番をもぎ取る。

「うおっしゃ!」
「むむ…」
「じゃ、お先」

自分のグラスを持ち、そっと席を立ってカウンター席に向かう。

なんとなく相手は決めていたので悩むふりをして、カウンター左端に向かう。
相手の肩を叩いて声をかけると、店内がどよっと騒々しくなった。

「よ、雪」
「月炎?!なんで…」
「ナンパしにきた」

騒々しくなった原因は、どうも大穴を選んだかららしい。

「冗談は…」
「少し本気、だからちょっと付き合わない?」



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カーマイン二周目



「空気が緩んでますね」

いつも何か思いつくと、唐突に事を起こすので行動力には頭が下がる。
が、十中八九難しくて厄介で難解な事ばっかりだ。
そんなエースの総元締めは、また何かやらかすらしい。
独り言に、あきらかに企みの芽が出ている。

「何を考えついたんですか」
「若い連中にテコ入れ」

なんとなく思い当たる節はある。
甥っこの件でデビルズと闘争状態に陥ったのだ。
あちらの穏健派と組んで、やっと収まった所である。
エースはその後の後処理に追われていて、まだ忙しい。
ただし、一部隊に所属してる者はかなり長い休暇が出た。と一番下の弟と妹の話。

「…もう少し休ませたらいいんじゃないですか?」
「いや、そろそろ皆退屈してる頃だと思うよ」

一番下の弟は毎日のように槍の稽古をしていた、もう癖になっているらしい。
下の妹は休暇を利用して趣味の機械弄りに没頭しているようだ、工房に閉じこもりっぱなしである。

「それに、体も動かさないと気持ちの整理はつかないよ」
「…月炎君は傷が落ち着かないし、クリムゾンもまだ目を覚まさないので除外しますね」

なんとなく、集める人が見えてきた。
この調子だとシオンも呼んだほうが良さそうだ。

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