メッセ館青ログ:オリジナルキャラ設定話に小話をつけてみる4
設定話順に5人ずつとなります。
氷室君、R、神無ちゃん、アブソ姉、カーディさんまで
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氷室君の場合。
最初の印象は「とんでもない一年生が入ってきたな」と。
ぱっと見て髪の色とあいまって軽いやつかと思ったが、まったくの正反対。
真面目で礼儀正しく、集中力がハンパではない。
しかも教えたことが次の日にはできるようになっていたりする。
いくらなんでも飲み込みが早すぎると感じていたが…
「せ…先輩なんてところに」
「…お前こそ、まさか13部隊だとは」
副長の紹介で1部隊の修練施設に出向いてみたら、思わぬところに話題の後輩の姿が。
しかも、武器は槍ときた。
どうりでやたら覚えが早いわけだ。
「澪副長に紹介貰ったんだが…まさか相手って」
「…先輩の武器のタイプじゃ相手は…あいつ」
緋翠が指を差した方向には、アルドがいた。
「ちょいまてーっ緋翠!!俺に押し付ける気かーっ!!」
「自分の穂先は真っ直ぐだから、最初の相手はお前の方がいいだろー!!」
たしかに、緋翠の穂先を手にとって確認すると突き用のまっすぐの槍だ。
対してアルドの槍は切るタイプのなぎなた状の穂先。
「うそこけ!俺はお前みたいに一撃タイプじゃねーよ!!」
アルドも的確なことを言う。
なぎなたもどちらかといえば、一撃にかけるタイプだ。
どの道、二人とも相手にしなければならないようだ…
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Rの場合
「副長、そろそろ限界なんですが」
凄んでみてもいかんせんディスプレイ越しである。
しかも体がさび付いて今はネット上に逃げ込んでるため、相手に表示されるのは良くて三頭身のミニサイズ。
「気持ちは判る」
「だったら早く下克上してくださいよ」
「…準備というものがあるだろうが」
「それ、もう20回くらい聞きました」
物騒な事をさらりと言うが、はっきり言って限界である。
そもそも長がいたころから情報戦は激しく、ハッキングなんて日常茶飯事である。
ところが今の隊長は情報戦を重要視していない。
むしろ「そんな所に力を注いでどうする」という態度である。
「あのアナログめぇ…」
「…頭痛て」
実は情報関係の費用として出費されるものの大半はRの維持費も兼ねている。
生体パーツの所為で年単位のメンテナンスが必要なのだ。
その情報費を今は半分以下に削られていて、メンテナンスもままならない。
ネットRのサーバーも、副長のポケットマネーでなんとかなっているのが現状。
「今度の異動覚悟してろ、アナログ」
「まーそろそろ強制的に降ろすのも悪くねぇな…」
ぶつぶつと副長に文句を並べる。
「おいR、ちょっと悪巧みに付き合え」
「なんですか」
何か思いついたように、しかし前から計画していたような副長からの提案。
「まず裏で足元固めないと、ただ降ろしてもまずいだろ」
「と、言いますと」
「外に出てる奴らを呼び戻す」
「なるほど。で、隊長は誰か適任いましたっけ?」
「今、6部隊に澪が副長でいるじゃないか」
「そういえば…1部隊長試験合格してましたね、誰かと違って」
「うるせー」
数ヵ月後、計画は見事成功し1部隊は新隊長の下で再発進する事となる。
Rがひさびさのメンテナンスに入り、最新モデルにフルチェンジしたのはその一ヵ月後である。
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神無 雪の場合
「かえるの子はかえる」というが、本当に父親に似てきたものだ。
ワイヤーの使い方も随分さまになった。
仕事の合間をぬって、時々二人でお茶を飲みに行く。
最近は月唯も任務が忙しくなり、なかなか会う時間が取れなくなっている。
「わー;;遅くなっちゃった」
今回も遅れてきたのは月唯のほうだった。
「そんなに待ってないから大丈夫だよ」
「ほんと?」
「うん、だから早くケーキ選んでおいで」
4部隊のカフェは全部隊屈指のメニューの豊富さで有名である。
そしてスイーツの種類にいたってはダントツ。
そのため、他の部隊からお茶にくる人が絶えない。
「うーん、おいしーvv」
幸せそうにチョコケーキをほおばる愛娘を見て、おもわず頬が緩む。
「最近どう?」
「エースからの仕事がむちゃくちゃでさ。もーね、ストーカー状態」
「あー、なんか似たようなもの来てたな、この前」
エースと聞いて少々押し付けられた仕事を思い出す。
「はれ、もしかしてお母さんもイクスさんに何か押し付けられたの?」
「まぁ…ね、ある特定の魂が来たら教えてくれって」
「ふーん」
そいつらこの前、来てるはずなのに転生ゲートに現れなくて探しまくったんですが。
というのは守秘義務なので言わない事にする。
月唯いわく、「早いペースで転生を繰り返してるのがいるらしい」との事。
なるほど、それで死神の自分に回ってきたのかと納得した。
転生ゲートで確認、もしくは直接迎えに行けば同じ人物なのかすぐにわかる。
「…結局任務の話になっちゃったね」
「似たような仕事してるから、しかたないね」
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アブソリュートの場合
「ただいま戻りました、かあさま」
久しぶりに下の娘のパンドラが帰ってきた。
誘拐事件以降、この子の成長のために上に出している。
戻ってくるたびに聞く話が楽しみだ。
「ご苦労。報告は後でよい、まずゆっくり休め」
「はい…でも…これ」
パンドラがおそるおそる持ってきた箱を差し出す。
「これは?」
「チーズケーキっていう食べ物、かあさまとか姉さまに合うか分からないけど…」
「ふむ…では、食べながら報告を聞くとするか」
「ほんと?じゃ、姉さま呼んで来る!」
ぱたぱたと駆け出していったパンドラの後姿を見送って、自室に下がった。
『あー、そういえばチーズケーキ作ってましたよ』
「あの子が?」
『うちの炎と光が手伝いながらでしたけど』
上での保護者役に話を聞くと思わぬ答えが返ってきた。
パンドラが持ち帰った食べ物に、かすかに持ち帰った本人の気が混ざっていたのだ。
邪気ではなかったので食べてしまったが、気になって聞いてみたのだ。
『口に合いませんでしたか?』
「いや、パンドラの『想い』が混ざっていたのでな。気になっての…」
『そうでしたか』
「うむ、前にブレスの奴が持ってきたものよりは美味であった」
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カーディナルの場合
「若いってうらやましい…」
ぼそっと呟く声もビーチバレーの歓声にかき消される。
部隊の若い連中に混ざってジェードやオペラ、カーマインもいる。
めったに肌の露出が無いシオンまでも水着姿だ。
「やっぱりシオンはロングのパレオが良かったかしら?」
ただし、そういうものに疎いシオンの為に、自分がプレゼントしたものだったりする。
似合ってよかったと思うのは親心か。
「賑やかだな」
「…ラピス。人のこと言えないわよ」
「お前こそ」
半袖のTシャツにハーフパンツというラフな格好で、これでも副長のラピスが来た。
何も言わずに自分の隣に座る。
「うおわわっ」
ボールを追いかけていったジェードが勢い余って海に頭から飛び込む。
まったく、あのやんちゃ坊主はと苦笑してしまう。
「もう…なにやってんだか、でも昔のあんたも同じことしそうよね」
「俺がか?まさか…」
「冷静なフリして中身は激情型じゃない」
「うるせぇ」
昔より偏屈になっている…というか拗ねやすくなったなぁというのは置いておいて。
前より熱血な部分を頭の回転のよさで隠している。
後は、表情から幼さが抜けたようだ。
副長になった所為か前よりは、ね。
「…男前になったわね」
「何か言ったか?」
「何も?」
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