メッセ館青ログ:オリジナルキャラ設定話に小話をつけてみる2.5

設定話順に5人ずつとなります。
今回はラピス副長、混沌君、ひーくん、ボダちゃん、冬くんまで


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ラピスの場合



一部隊が任務を大失敗した。

「………バカか?」

普段なら少数精鋭のこの部隊は2~3人で片付けるのだ。
それを数十人連れて行っての大失敗。
もう何もかける言葉ナシ。
いったいどんだけ無能なのかと頭を抱えていた。

「あー、もう今日のコース講義止めだ。ヤメ!!」
『そんなこと言われても困りますよ、副長;;』
「んなもん自習でもしとけ!」

春から専用回線で部隊の現状報告を聞くのはいいのだが、ますます怒りが湧き上がるばかり。
リオが隊長をしていた頃は最強といわれていた部隊がここまでなるとは…
ぐっと拳を握り締め、気持ちを切り替える。

(一度、本気見せてやろうじゃないか)


「おい春、カウスは今日どこだ?」
『えと、父は…城のはずです』
「わかった、あとは講義室のモニタすぐに繋げるようにしておけ」

隠密専門で二重スパイのカウスがいれば後は十分。

『副長、お呼びで?』
「ちょっと付き合え、一時間以内に落としてやる」
『本気ですね、今付近の地形データ送ります』

あちらも何をするかわかっているようだ。

『先に行って忠告してくるわ~』
「あと、オペレートを中継してくれ。今日の講義代わりだ」
『…うわ、手抜き』
「一部隊の本気が見れるめったにないチャンスだぞ?」
『まぁたしかに。副長が出たの一度しか見てないですよ』

地形データ、天候、相手の人数を頭に叩き込みながら準備をする。
一対複数なら上空の見えない位置に設置型レーザー系の魔方陣一つでも撹乱できる。
濃霧で視界を遮る方法もありだろう。

「部隊の失敗は俺が落とし前つけないといけない決まりなんだよ」
『あれ?今の隊長の尻拭いはやらんって言ってませんでした?』
「今回は部隊のため特別に出てってやる」
『…八つあたりですか』




一時間後、講義室は静まり返っていた。
それもそのはず。
つい数時間前に失敗した任務を、目の前で副長が一人で成功させたのだ。
「…実力が違いすぎる……」
これが大半の講義参加者の反応である。
ただし、まったく違う反応をしている3人組が居た。

「父さまを呼び出したのは、このためだったのね」
「これ、隊長にあてつけだよな」
「同感、あれは13でも5人くらいで落とせるハズだし」

講義室の隅っこで聞かれないようにこそこそと話す緋翠、アルド、春であった。



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混沌の場合




それはそれはずっと昔。


「もし、自分に何かあったら…ルーン、止めてくれるか?」

人の命は短いから、すぐにその時は来ると思った。


「その時」は思ったより早く突然やってくる。
黒い嵐が止まらない。
嵐の中心に見知った人影が二つ。
どす黒いしみの中に。

手を伸ばしかける、とどくはずがないのに。
伸ばした手に得物を呼び出す。


最期の頼み、叶えてやらねば



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緋翠の場合



自分が子供のころは、おとなしかった。
それは周りに迷惑をかけたくなかったからだと思う。
よくイタズラするアルドを止めていたものだ。

「緑、ちょっとこい」
「う。」

それより輪をかけてイタズラ好きな次男坊は手がかかる。
今回はまだマシで、城の診療所の薬品棚にらくがき。
まず、目線を合わせて問いただすのが一番だろうと腰を落とした。

「なんで薬品棚に落書きしたんだ?」
「…まっしろでつまんないんだもん、それにみんな暗い顔してるし」

なるほど、子供ながら雰囲気を明るくしようと思ったわけか。
細かい所に目が付くのはこの子のいい所だ。
が、落書きはよろしくない。

「診療所が白いのはな、清潔に保つためなんだ」
「そうなの?」
「白いと汚れが目立つからきれいにしなきゃって思うだろ?」
「うん」

どうして白いのかを説明すれば分かってくれたようだ。

「わかったら次は何をすればいいのか分かるな?」
「…はーい」

雑巾を手渡しながら促す。
渡された雑巾を手にしながら緑はしぶしぶ掃除に向かった。


そんな背中を見る緋翠はやさしい目をしていた。



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ボゥダリの場合



上に上がってきて早数年。
学校を出てから、お世話になっているショップで働き始めた。
魔術アサシンにも登録して忙しい日々だ。

「うっわ、かわいい…」

今日は新デザインの小物をアサギルドの双子に試着中。

「かわいいですの~」
「ホント、かわいいのです」

かわいいと連発しているのは、ピンクのウサギ耳つきミニシルクハット
わざわざ海外のショップから取り寄せたものだ。
他にもハンドバッグやらフリルつきカチューシャやら小物中心に取り寄せたらしい。

「この小物どこから取り寄せたのです?」
「ホントかわいいものばかりですの」
「えーと…日本だ」

ボゥダリは手元にある配送伝票の送り先を確認した。
ふと、この二人とは別の双子を思い出す。
そういえば一度会いに行くと言ったが、まだ会ってない。



「ゼノンとネメシス元気かしら?」



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冬の場合




「セラフめぐりねぇ…また懐かしい」

アーウェイから話を聞いて四人がここまで来た理由が分かった。
ここは「氷の神殿」とあだ名がついてしまった隠れ家である。
変なあだ名が付いた原因は、自分が氷のセラフになってしまったからなのだが…

「すいません、迷惑かけて…」
「いやいや、構わないよ」

運悪く天候の悪い時期に来たため、一行は凍傷にかかり足止めを余儀なくしている。
三人が寝静まったころに、残ったアーウェイを自室に呼び出した。


「で、話とは何でしょうか」
「約束を果たそうかと」
「…約束、ですか」

グラスを二つ出し、とっておきの一本を開ける。

「いつか弟と約束したんだ、二人で飲み明かそうってね」
「…」
「今、果たさないとたぶん二度と叶わない」

相手の表情が固まる。
内心を表情に出さないのは昔からだが、少々読みにくくなったな。
一直線な熱いところも影を潜めたようだ。

でも、向けられる眼差しは変わってないじゃないか。




『なんで判るんですか。俺たちだけの秘密なのに…』
「兄弟ってそんなものだよ」
『…今晩だけですよ」
「悪いね、クリムゾン」



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