波間のこぶた
銀色夏生さんの「波間のこぶた」の世界へようこそ。こちらは「波間のこぶた」の紹介と僕の感想のページです。一部の引用を除き僕の個人的な感想です。よろしかったら皆さんのお声も聞かせてください。
こぶたのタッくんのようなかわいい人に瞳はくぎづけ。
あの、玉のような一挙手一投足に思わず笑みがこぼれます。
タッくんは、はずかしがりやだからちょっと無口になるときもあるけど、キヌちゃんはそういうとこよくわかっていて、なにもかも全部、心からすきなんです。
甘えて、フキゲンになったときは,いじめていじめてこらしめるように愛してあげると、もうどうにでもよくなってしまうもので、余裕のある恋っていいですね。
(表紙裏まえがきより引用)
「波間のこぶた」は、ひそかな愛好家が多いのですが、めったにパラリとめくれないほど、いじらしさにあふれています。今、ちらりとみてみました。57ページです。ああ、なんて楽しそう。
(「つれづれノート」160ページより引用) |
「波間のこぶた」「岩場のこぶた」「花咲くこぶた」のこぶたシリーズのはじめの本です。
本を開くと、右ページに短い言葉、左ページにはかわいいイラストが描かれています。
タッくんは、海が好きで、時々難しい本を読む。むやみに幸せな気分になったり、急に寂しくなったりもする。そしてちょっと人をいじめてしまうときも。
タッ君にはキヌちゃんというガールフレンドがいる。
キヌちゃんは、もじもじしながらもタッ君が大好き。
気難しいような少しこわくなるようなタッ君の性格をすべて理解しているような女の子。
でも、キヌちゃんも少し甘えん坊。
キヌちゃんが怒ったりないたりしたとき、タッくんはぱちんとぶってしまう。でもその後ずっと優しくしてあげる。
夏生さんがお気に入りの57ページのイラストは、怒ったタッ君がその後に優しくなってキヌちゃんの手を持ってぐるぐる回しをしてあげているものです。
そんな二人のなれそめも書かれています。
キヌちゃんがタッ君に「これ、あげる」といって手渡したもの。イラストでは一輪の花のように見えますが、葉っぱもなくて、棒に雲か綿飴でもついているようにも見えます。僕は、「無辺世界」や「サリサリ君」に出てくる、棒の上に三日月のようなお皿状のものが乗り、その上に玉が浮いているイラストを連想しました。僕は、これを不安定な心の象徴と見るのですが、キヌちゃんがタッ君にあげたものもその心ではないかと思いました。
なんとなく小さな子供たちを連想するのですが、タッ君やキヌちゃんは、中学生から高校生ぐらいかな?
これといってストーリー性がある作品ではありませんし、10分もすればさらっと読んでしまうような作品です。
単発的な短い文章とそのイラストにかわいらしさが出ています。
最後のページに
「ボクをすきな人が
ボク以外にいるなんて
とても しあわせです」
とありますが、相手を信じられることは素敵な気分ですよね。。。。。
はじめのほうのページには、
「しあわせは,
君のとこから
ぐるっと”ワ”をかいて・・・・」
なんてタッくんは難しいことを言っていますが、少しけんかをしたり、甘えあったり、お互いに寄りかかって生きている中でも、「ボクをすきな人が、ボク以外にもいる」というように信じあえることが一番の幸せなのかなぁ?と感じてしまう作品でした。