| 金沢を舞台とした恋愛小説です。 東の廓、卯辰山・・・・そして街中で見つけた素敵な喫茶店、20歳代の独身の頃何度か金沢に行ったことがありますので懐かしい景色を思い出しました。 主人公希和子は、24歳の独身女性。元芸者の母親を持つ私生児として生まれますが、母親との暖かい雰囲気の中に育ちました。ハキハキした現代っ子ですが、勤め先の銀行の上司のセクハラ的な嫌がらせに、ビールを顔にぶっかけて辞めてしまうというように芯の強い女性です。 ある日、母親の知り合いの女性萌子の呉服屋で俊市と出会う。俊市は有名な加賀友禅の絵付師烏水の弟子。喜和子は銀行を辞めて加賀友禅などを扱った雑誌社に入社する。このように美しい加賀友禅が二人を結び付けていく。 しかし呉服屋の女将(既婚)萌子と俊市の関係と希和子。希和子の幼なじみで喫茶店を開いている恒の思いと、その恒を思う芸妓のみづ江。そして母親と烏水。。。。。希和子。 これらの登場人物のそれぞれの愛が描かれています。人間模様が読んでいるうちに明らかになり、流れは急になっていきラストを迎えます。引き込まれるように読みました。 恋愛小説としては、金沢の美しい風景と加賀友禅、美しい希和子。加賀友禅の展示会のレセプションで女優たちと並んでも見劣りしない和服の似合うも萌子。こんな女性たちを惑わす俊市。すべてが美しい中で描かれています。 でも、読み終わったあとの感じとしては、昼のメロドラマを見終わったような、テレビドラマを見終わったような気持ちです。金沢の景色も、加賀友禅も、美しい女性たちも、まるでテレビのドラマのように流れていくだけという感じがしました。 なんとなく奥深さが足りないように思います。テレビのドラマ化としての作品としては最高かもしれません。 2003年11月 記 夕螺 |