八里村郷土誌
昭和31年9月29日発行
第16節 松之草小八兵衛
義公の御世、時は元禄年間、松之草に小八兵衛と言う者があった。この者は賊の頭領で、一昼夜の中に三十里を往来し、忍びの術に於いても達人だったという。
後捕らえられたが、義公の尊徳をもって助命を仰せつけられたばかりか、一生涯二人月俸を給せられたので、その恩恵に非常に感激して、「自分の命ある間は決して御領内に盗賊は立ち入らせない」言ったというが、果たしてその言の通り、彼の存在中は、領内に夜盗の心配はなくなったと口碑に伝えられている。
其の他領内の変事は申すまでもなく、隣国の変事を報告する間者として彼は使われたと言うことが、桃蹊雑話に出ている。水戸歴世談 抄