シャングリ・ラ 美術館

―仮想美術館―

館長挨拶

 「シャングリ・ラ」は英国の作家ジェームス・ヒルトンが1933年に書いたベストセラーで、映画化もされた物語「失われた地平線」の舞台です。平和で美しい不老不死の秘境として描かれたシャングリ・ラがどこにあるのかは、長い間論争となっていましたが中国の専門家たちが調査の結果、同省迪慶チベット族自治州だと認定しました。
 同州は雪に覆われた山や峡谷、美しい草原、荘厳な寺院があり、人々が魅力的なことがその理由で「シャングリ・ラ」は現地で「想像上の理想的な場所」の意味という。そのシャングリ・ラの空間に無許可で建設した私の仮想・幻の美術館です。
 この美術館は私を慈しみ育ててくれた母に感謝を込めて捧げます。私の手元には幼稚園から中学校まで書いた絵の多くが残っています。たいした絵ではないがその絵を一枚一枚丁寧に箱にしまって置いてくれていた母の心がうれしい。それらを一堂に展示することはできないが私の心の美術館で並べてみたいと計画しまた。
 また今までに数々の「ご縁・回り逢い』」があって私の手元にある友人の作品。それらは世間的価値は別にして私的な想い出を付けると如何なる美術品よりも遥かに光り輝く作品に生まれ変わる素晴らしさをもっています。この美術館を観るのは私一人かも知れませんが『ロマネコンテ』をグラスに並々と満たして飲みながら60年の追憶にふける姿を想像してください。