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朝焼け小焼けだ
大漁だ
大羽鰮の
大漁だ。
浜は祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
鰮のとむらい
するだろう。
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母さん知らぬ
草の子を、
なん千萬の
草の子を、
土はひとりで
育てます。
草があをあを
茂ったら、
土はかくれて
しまふのに。
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上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしてゐて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせてゐて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面も見えないで。
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かいこは まゆに はいります、
きゅうくつそうな あの まゆに。
けれど かいこは うれしかろ、
ちょうちょに なって とべるのよ。
ひとは おはかへ はいります、
くらい さみしい あの はかへ。
そして いいこは はねが はえ、
てんしになって とべるのよ。
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