熊谷守一 先生

熊谷守一先生の絵もいい、字もいい、随筆もいい、 でも先生の一番素晴らしい作品は一点の曇りも無い透明なお顔とその生き方だと思う。昨年大阪で先生の作品を150点あつめた「守一展」があって滅多に見られない秀作の大量展示にこれ以上ない幸せな1日だった。1992年2月に私の住む松山市で「宇宙に遊ぶ童心 熊谷守一展」が開催されたがそのときの感動を再体験した。

 わたしは赤ん坊が好きです。赤ん坊の泣いているのは景気がよくていい。
    大きくなると嘘を覚えてもういけません。
      みんなが不老で長寿だったらどういうことになるんですかね。

 ご縁あって私は「ほとけ」のリトグラフを一点所蔵しているが油絵とか、軸物はよほどのお金持ちでないかぎり先生の作品を手に入れることは困難。著書も人気あって「へたも絵のうち」、「蒼蠅」は人に貸す度にいつの間にか行方不明になりインターネットで古書を何度も求めた。古書を探す途中クロッキー集「鳥獣虫魚」がリストにあってしかも驚くような安い価格。半信半疑で゛購入したが限定860部と記載されてあり、内容は最高、宝物がまた一つ増えた。

大好きなものは、世の中にいっぱいあります。
        特に小さな子供と、鳥と虫には目がありません

「へたも絵のうち」「蒼蠅」「書 熊谷守一」「書もうひとりの熊谷守一」「赤い線 それは空間」

撮影 加藤昌志(読売新聞社)書 熊谷守一より

書斎に掲げている95歳の作品「ほとけ」

先生95歳の作品 ほとけ様

先生の写真はどれを見ても眼が輝いている。