under the sky


 壱哉が、珍しく早目に時間が取れて、休日の午前中早く樋口花壇を訪ねた日、その主は出掛けていた。
 留守番の青年の話では、壱哉達が通った中学校に花壇の手入れをしに出掛けていると言う。
 せっかく会えると思っていたのに、肩透かしを食らった壱哉は不機嫌になる。
「あと一時間もすれば戻って来ると思うんですが‥‥‥」
「‥‥いや、学校に行ってみる」
 樋口のいない所に長居するのも嫌で、壱哉は店を後にした。
 ―――――――――
 所々に見覚えのある道を辿り、壱哉は中学校を訪ねた。
 覚えのある校舎を見上げると、もう忘れたと思っていた様々な思い出の欠片が浮かんで来る。
 十年ぶりにこの街に来た時には苦い思い出でしかなかったこの場所。
 この校舎を、懐かしく見上げる事が出来るようになったのは、樋口のおかげだと思う。
 まだ午前中の早い時間のせいか、校庭に生徒の姿はない。
 樋口は一ヶ月に一回程度、学校が休みの日に花壇に植えた薔薇の手入れをしに来ているのだと言う。
 壱哉は卒業生であるばかりかこの街にも幾つかビルを持つ実業家である、教頭に話を通すと、すぐに学校へ入る許可が出た。
 樋口がいるのは、中庭の一角にある薔薇の花壇だ。
 樋口花壇が再建された頃から、学校の依頼を受けて育てやすい薔薇を植え、定期的に面倒を見ていると言う話だった。
 記憶に残っている渡り廊下を抜けて中庭に出ると、鮮やかに咲いている薔薇の株の前に見覚えのある後姿がしゃがみ込んでいた。
 薔薇園にいるのと同じ真剣な様子で手入れをしている樋口を、壱哉はぼんやりと眺めていた。
 樋口は、薔薇を前にすると壱哉の事も忘れてしまっているのではないかと思う時がある。
 現に、普段なら壱哉が来ればすぐ気付いてくれるのに、薔薇を相手にしている時だけは声を掛けなければずっと気付かない。
 自分でも馬鹿のようだと思いつつ、薔薇に嫉妬めいた感情を覚えてしまったりする。
 もっとも、薔薇に打ち込んでいる時の樋口の顔はとても真剣で引き締まって見えて、それは嫌いではなかったのだが。
 終わった花を切り取ったり、元気のない葉の様子を見たりしていた樋口は、一段落したのか立ち上がった。
 そこで樋口はやっと、向けられていた視線に気付く。
「え‥‥壱哉?!」
 振り返った樋口は、壱哉を認めて驚いた顔をした。
「なんでここに‥‥?今日は夕方来るんじゃなかったのか」
 大きく目を見開いた顔は、どこか学生の頃の印象に重なる。
「今日の予定がキャンセルになったんだ。お前がここにいると聞いて、来てみた」
「そっか‥‥ごめんな、留守にしてて」
 申し訳なさそうに眼を伏せた樋口は、汚れた軍手を脱いだ。
 手入れに使っていたハサミやシャベルなどを道具箱に纏める。
「ここには、例の新種は植えてないのか」
 背の高い薔薇やミニバラ、蔓バラなど、狭い空間の中でも植えられている薔薇達は高さや花の色のバリエーションに富んでいる。
 しかし、その中にあの薔薇は見当たらなかった。
「あぁ‥‥あれは、水遣りとか、少しマメに世話してやらないと花が咲かないんだ。学校の花壇だと、手入れは子ども達がやるからどうしても行き届かないだろ?まず、薔薇に触れてもらいたいから‥‥多少環境が悪くても、ちゃんと花が咲くものを植えてあるんだよ」
 樋口は、愛しげにも見える目で花壇の薔薇を見回した。
「俺の方は大体終わったから、後始末をしたら帰れる」
「そうか‥‥」
 頷いた壱哉は、ふと、生徒のいない場所なら校舎を見て回ってもいいと言われた事を思い出す。
「俺も久しぶりだからな。屋上にでも行っている」
「え‥‥あぁ、わかった。終わったら行くよ」
 少し怪訝そうな顔をした樋口は、それでも頷いた。
 ―――――――――
 フェンスが新しくなっているものの、屋上は壱哉が学生の頃と変わっていなかった。
 風に吹かれていると、一瞬、あの頃に戻ってしまったかのような錯覚を覚える。
 あまり人との会話を好まなかった壱哉は、昼休みなど纏まった時間が空くと、屋上で本を読んでいる事が多かった。
 樋口と親しくなってからは、一方的なお喋りの聞き役に回って休み時間を過ごすようになったから、あまり屋上には来なくなったが。
 あの頃、校庭や校舎の学生達の声を遠く聞きながら、一人でいるのが好きだった。
 いや、『好き』と言うのとは少し違う。
 まだ遠い将来の事など考えず、無邪気に笑っている学生達に比べ、抗う事も出来ない巨大な力で全てを決められてしまっている自分を、自嘲混じりに省みていた。彼らとの間にある、埋める事の出来ない溝のようなものを物理的に感じるのを、天邪鬼な自分は楽しんでいたのかも知れない。
 どうせ卒業してしまえば、彼らとは全く違う道を歩かされるのだ。
 束の間に過ぎない時間を過ごしたこの校舎を懐かしむ日など来ないだろう、そう思っていた。
 それが今、こんなにも穏やかな気持ちで校舎を見ている事が自分でも意外だった。
「あ、壱哉!待たせたな」
 壱哉の思考は、樋口の声によって断ち切られた。
 泥汚れも落として来たらしい樋口は、作業用のエプロンも脱いでいつもの服装になっていた。
「お前が遅いって聞いてたから、その前にこっちの仕事を済ませておこうと思ったんだよ。そんなにかかる訳じゃないから、家で待っててくれれば良かったのに」
 樋口としては、壱哉にわざわざここまで足を運ばせたのは済まないと思っているのだろう。
 それは判るのだが、せっかく時間が取れたのだから少しでも早く会いたいと思った壱哉の気持ちも少しは察して欲しい。
 さっき、薔薇に打ち込んでいてしばらく気付いてもらえなかった事も手伝って、壱哉はちょっと面白くない気持ちになる。
 ふいっと顔を逸らし、校庭の方に視線を移してしまった壱哉に、樋口は慌てる。
「留守にしてたのは悪かったって!でも、お前がこんなに早く来るなんて思わなかったし‥‥」
 樋口は、顔を真っ赤にして必死に弁解に務める。
 そんな樋口の腕を掴んで引き寄せた壱哉は、抱きすくめるようにして唇を合わせる。
「――っ?!」
 一呼吸置いて、我に返ったらしい樋口はじたばたし始める。
 樋口があまりに抵抗するので、壱哉は唇を離した。
「‥‥っは、なっ、なにするんだよいきなり?!」
 本気で嫌がっているらしい樋口に、壱哉は余計気を悪くする。
「嫌なのか?」
「嫌もなにも‥‥ここ、学校だろ?いくら屋上だってまずいだろ!」
 理性的に考えればその通りなのだが、今の壱哉にこの言葉は逆効果だった。
「ほう?俺が何とか時間を取って、しかも留守だったお前をわざわざ訪ねてここまで来たと言うのに、お前の方は嫌なのか」
「そっ、それとこれとは別だろ?」
 妙に不穏な響きを帯び始めた壱哉の口調にいや〜な予感を覚えつつ、樋口は何とか腕から抜け出そうと身をよじる。
 壱哉の腕の圧力が弱まり、抜け出そうとした樋口は、後ろから抱きすくめられてしまう。
「ちょっ、壱哉‥‥っ!」
 耳を甘噛みされ、樋口は息を飲んだ。
「おいっ、やめろって‥‥!」
 必死に壱哉の腕を振り払おうとした樋口は、首筋を這う唇にビクリと身体を震わせた。
 壱哉の手がいつの間にかスラックスの前を開け、するりと中に入り込む。
 下着の上から撫で上げられて、樋口は背筋を震わせた。
「なあ、壱哉‥!悪かったから‥‥っ」
 尚も逃れようとする樋口の動きは、かえって壱哉を煽り立てる。
 股間を包み込むように揉み上げられ、樋口の脚から力が抜ける。
 壱哉の身体に身を預けてしまいそうになって、樋口は慌てて足を踏み締めた。
 一言も発しないまま、壱哉は樋口の身体を弄り続ける。
 布の上から膨らみ始めたものを撫で上げ、別の手ではシャツの上から乳首を強く潰すように刺激する。舌と唇で、耳からうなじにかけて嬲るのも忘れない。
 弱い場所を知り尽くした壱哉の愛撫に、樋口の身体は意思とは関係なく昂ぶり始める。
 だが、ここは学校なのだ。
 休日で生徒は少なく、まして屋上に来る者はいないとは言っても、それでもこのまま、最後まで行ってしまうのは本気でまずいと思う。
「たのむ‥からっ‥‥!」
 樋口が必死に抵抗すればする程、壱哉は欲望をそそられる。
 下着を濡らし始めたものを、壱哉は外に引き出した。
 軽い圧力から解放されたものに、樋口は思わず吐息を洩らす。
 緩く勃ち上がったものを、壱哉はやや強く掴んで扱き上げる。
「やっ、そんな‥こと、されたら‥‥っ!」
 樋口の全身が痙攣するように震えた。
 力の入らない体を支える為にフェンスを掴む。
 ガシャン、と思いの外大きな音がして、樋口は身を竦めた。
 強い刺激を受け、樋口のものは瞬く間に固く張り詰めて行く。
「‥‥だめ‥だって‥‥いちや‥‥!」
 樋口は、吐息のように呻いた。
 しかしその横顔には朱の色が浮かび、どこか甘い表情が混じっている。
 樋口が達してしまうと言う寸前、壱哉はすっと手を離した。
「え‥‥?」
 樋口は、肩透かしを食らった不満を押し殺し、熱に潤んだ目で壱哉を振り返った。
「俺も無理強いはしたくないからな、お前がそんなに嫌だと言うなら諦めよう」
「‥‥っ」
 薄い笑いを含んだ言葉に、樋口は絶句した。
 意地の悪い、初めて犯された時に少し似た表情。
 壱哉が、一旦このモードに入ったら、泣いても縋っても通用しない。
 恥ずかしい事をさせられたり、泣いて許しを乞うまで焦らされたり、壱哉の気が済むまで嬲られるのだ。
「どうする?このまま帰るか?」
 壱哉は、樋口の耳元に唇を寄せるようにして囁いた。
 ぞくり、と背筋を震えが走り、張り詰めたものにもっと熱が集まるのが自覚出来る。
 こんなに昂ぶってしまった状態では、出してしまわなければ到底収まりがつかないのは壱哉も承知しているはずだ。
 しかも壱哉は、樋口が自分で擦れないように、フェンスを掴んだ上から両手を抑えている。
「あ‥ぁ‥‥‥」
 樋口は、うっすらと涙を浮かべ、悩ましげに腰をうごめかせた。
「なんだ。早く帰るんじゃないのか?」
 壱哉は、わざと耳元を息が刺激するようにして囁く。
 その楽しげな口調に、恨めしい気持ちが湧く。
 しかし裏腹に、既に熱い快楽を覚え込んでしまった身体は、焦らされた末に訪れる強烈な快感を期待してしまっていた。
「いち‥や‥‥だ‥出させて‥‥‥っ」
 頬に快楽とは別の朱が上るのを自覚しながら、樋口は呻いた。
「だって、こんな所では嫌なんだろう?」
 からかうような口調に、樋口は思わず首を振っていた。
 ここは学校なのだと理性が叫ぶが、行き場のない欲望は簡単にその声をねじ伏せる。
「いい、から‥‥お、ねがい‥‥!」
「ほう?だが、自分だけ気持ちよくなりたいと言うのはずるくないか」
 壱哉がニヤリと笑う。
「俺を満足させるなら、考えてやるぞ」
「え‥ここ、で‥‥?」
「嫌なら強いてとは言わん。‥‥どうしてほしい?」
 意地が悪い壱哉の言葉に、樋口は唇を噛んだ。
 だが、止められている欲望はすぐに樋口からまともな理性を奪う。
「あ‥‥‥」
 樋口は、ごくり、と生唾を飲み込んだ。
「ぃ‥‥いれ、て‥‥俺の、中‥‥いっぱい、かきまわして‥‥っ!」
 恥ずかしさで、顔も頭も真っ赤に血が上るような気がする。
「ふふ‥‥そこまで言われれば仕方がないな」
 満足げに笑った壱哉は、樋口の両手を離した。
 樋口のスラックスと下着を少し引き下げた壱哉は、既に期待にヒクヒクと収縮している場所に軽く指を突き入れた。
「く‥‥‥」
 ピクリ、と樋口の肩が震えた。
 入り口の辺りで指を前後させるだけで、樋口は誘うように腰をうごめかせる。
 恥ずかしいのか、耳まで真っ赤にして唇を噛んでいる樋口の横顔は酷く欲望をそそった。
 加えて、ここが学校の屋上であると言う事が更に壱哉を興奮させる。
 いつ見られるか判らない、そんな場所での行為は、とても刺激的だった。
 既に固くなってきていた自分のものを何度か扱き、壱哉は樋口の窄まりに先端を当てた。
「んっ、あぁぁ‥‥」
 壱哉がゆっくりと腰を進めると、樋口は甘い声を上げた。
 慣れた身体は、先走りに助けられ、何とか壱哉のものを飲み込んで行く。
 緊張の為か、熱い体内はいつもよりも強く締め付けて来て、壱哉は軽く息を洩らした。
「いい‥具合だぞ、崇文‥‥‥」
 快感の為に少し掠れた声で呼ばれる自分の名が、まるで愛撫のように樋口を昂ぶらせる。
「あっ、あ‥‥」
 切なげに目を閉じ、フェンスに両手で縋るようにして樋口は喘いだ。
 そんな樋口を、壱哉は目を細めて眺める。
 と、壱哉の口元が笑いの形に歪んだ。
「おや‥‥校庭に部活の連中が出て来たな」
「え‥‥‥」
 酷く面白そうな壱哉の言葉に、樋口の意識は現実に引き戻される。
「あまり大声を上げると、学生達にばれてしまうぞ?」
「なっ‥‥!」
 慌てて身を捩ると、その弾みにフェンスを揺らしてしまい、大きな音が響く。
 反射的に竦んだ体が、壱哉のものを強烈に締め付けた。
 思わず放ってしまいそうになって、壱哉は必死にその感覚を耐えた。
「まずいって‥‥あっ、あぁ!」
 もがきかけた樋口の言葉は、深くまで突き上げられ、甘い喘ぎに変わる。
「普通は上など見ないだろうが、フェンスの音やお前の大声が聞こえれば当然気がつくだろうな」 
「そん‥な‥‥っ」
 樋口は、低く呻いた。
 けれど、そんな事を言われる程に、樋口の身体は熱くなってしまう。
 見られるかもしれないと言う羞恥と、突き上げられる快感とで頭の中が真っ白になる。
 無意識に堪えようとしているらしい樋口の甘い喘ぎと、強烈に締め付けて来る体内とに、壱哉も限界が近かった。
「く‥‥っ」
「あ‥あぁ‥‥!」
 壱哉が低く呻き、樋口が頭を仰け反らせた。
 僅かに理性が残っていたのか、樋口は達する寸前、ポケットからハンカチを引っ張り出し、自分のものを包むようにする。
 直後、樋口はハンカチの中に勢い良く放っていた。
「‥は‥‥ぁ‥‥」
 熱い吐息を洩らし、樋口は力尽きたように膝をついた。
 同じく息をついた壱哉は、欲望を遂げたものを拭って仕舞い込む。
「‥‥何をやってるんだ、お前は?」
 樋口のハンカチに目を留めたらしい壱哉が、怪訝そうな顔をした。
「だ‥‥だって、屋上をこんなので汚しちゃったら悪いだろ?」
 もじもじと目を伏せる樋口に、壱哉は苦笑した。
 もう抱かれるのは一度や二度ではないのに、妙に初々しい事を言う樋口が愛しくも可愛い。
「あ‥?!」
 ピクン、と身を震わせた樋口は、慌てて後ろの窄まりにハンカチを当てた。
 壱哉が体内に注ぎ込んだものが溢れ落ちて来たらしい。
「こんなんで、どうやって帰ればいいんだよ‥‥」
 涙目になりながら、樋口が文句を言う。
「別に、このまま帰ればいいだろう。服は汚さないでやったんだ」
 壱哉の方は、いつもながら全く反省の色はない。
 恨みがましい目で見ても、自分が悪いと言う自覚の全くない壱哉は涼しい顔をしている。
 その後、樋口は汚してしまったハンカチを持て余しながら何とか身支度を整えた。
 さっさと帰りたいのに、丁度通りかかった校長と壱哉が長話になって樋口は居心地が悪かったとか、偶然植物好きの女子学生に捕まって、樋口は薔薇の事を色々訊かれながらも、見る見る不機嫌になる壱哉に内心気が気でなかったとか、そんな些細な出来事があったりしたのだが。
 やっとの思いで校舎を出た樋口は、駐車場に乗って来たワゴン車がない事に唖然とした。
 そこにあるのは、学校の駐車場には不似合いな壱哉の高級車である。
「お、俺の車‥‥」
「あぁ、お前の車ならさっき連絡して取りに来させた」
「は?!」
 壱哉の唐突な言葉に、樋口の思考は一瞬停止してしまう。
「もしかして、すっぽかした事、まだ怒ってるのか?あ、それとも俺が女の子と喋ってたから怒ったとか?」
「うるさい。さっさと乗れ」
 と、壱哉は樋口を強引に助手席に放り込む。
「店の人間には、あさってまでお前を預かると言っておいたから心配するな」
「え゛」
「俺のマンションなら邪魔は入らんからな。さっきはあまり声を聞けなかったから、今度はたっぷりと啼かせてやる」
 エンジンをかけながらの壱哉の笑みが怖い。とても怖い。
「ちょ‥‥ちょっと待ったーっ!」
 樋口の空しい叫びを残し、BMWは勢い良く走り去るのだった。


END

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4444HITを踏んでいただきましたナツミ様のリクは「校舎でH」と「ラブな中にも鬼畜あり」だったんですが‥‥ラブがものすご〜く少なくて、鬼畜路線に突っ走ってしまいました。これって「鬼畜の中にもラブあり」?‥‥ラブなんか‥‥あるんだろうか‥‥‥。でも樋口っていぢめ甲斐があって、つい泣かせたくなるんですよう。
すいません、こんなものしか出来ませんでしたが、これでよろしければお持ちください。

そう言えば、一応この話を考えている時に、校舎Hの鬼畜EDバージョンなんかのネタが浮かんだので、そのうち書くかも知れないです。