祭りの夜 |
「いらっしゃーい!」 樋口の家のドアを開け、中年の女性が顔を出した時、壱哉は思わず、家を間違えたかと思ってしまった。 「あなたが崇文ちゃんのお友達?またイイ男だわねぇ。ウチの旦那の若い頃みたいだわ♪」 「あ、あの‥‥‥」 「さ、入って入って!」 呆然としたまま、壱哉は女性に引きずられるようにして樋口の家に上がる。 「あ、壱哉。遅かったな」 茶の間から顔を出した樋口は、何故か浴衣姿だった。 今日は、この町内で昔から行われている祭りの日なのだ。 二週間ほど前の日曜日、仕事に戻る為に出ようとした時、今日の祭りに誘われた。 平日だったから樋口も半分諦めていたようだが、壱哉は何とか仕事の都合をつけて、数日間の休暇を取る事が出来た。 予定より長引いた会議を強引に打ち切って、壱哉は急いでここに来た訳なのだが。 「あらいやだ、もう夕方だわ!さ、早く脱いでね」 事情が良く飲み込めなくて呆然としている壱哉は、女性に言われるまま、服を脱がされ、実に素早い手際で浴衣を着付けられてしまう。 「はいっ、できた!うーん、いなせだねぇ。アタシが若かったら惚れてたところだよ」 女性は、うっとりと目を細めて壱哉の全身を眺める。 濃い藍染めの地に白い古典模様が鮮やかに染め抜かれた浴衣は、壱哉に良く似合っていた。 元々姿勢のいい壱哉は、和服を着ているとすっきりとした立ち姿で、端正な面立ちと相俟って実に格好がいい。 「あ、おばさん。浴衣もらった上に着付けまでしてもらってありがとう。助かったよ」 樋口が、奥の部屋から出て来た。 「なに、どうせ使わないものだし、ついでだからね。崇文ちゃんの浴衣も可愛いよ」 「なんで、壱哉が『いなせ』で、俺は『可愛い』なんだよ‥‥」 ちょっと傷付いた顔で樋口が膨れる。 彼女の言う通り、白地に紺で菱形や直線の模様の描かれた浴衣を着た樋口は、何故か子どもの頃を思い出させた。 一応大人の顔立ちになったとは言え、元々童顔だったからなのだろうか。 「それじゃ、アタシは行くよ。あっちこっちから手伝いに来てくれって言われてるんだよ」 「うん、本当にありがとう!」 樋口は、嬉しそうな笑顔で女性を送り出した。 「‥‥おい」 やっと我に返った壱哉が、少し不機嫌な表情で樋口を見た。 「なんなんだこれは。どこから浴衣が出て来たんだ?」 「あ‥‥ごめん、いきなり」 樋口は頭をかいた。 「あの人、いつも花を買ってくれる町内のおばさんなんだよ。せっかくの祭りだからって、もう使わない浴衣持ってきてくれたんだ。息子さんの浴衣、もう着ないからって。壱哉のやつは、仕立てたけど袖は通してないってさ」 「‥‥‥‥」 確かに祭りと言えば浴衣はつきものだが、まさかこの年になって浴衣を着る事になるとは思わなかった。 「へへ‥‥壱哉と、二人で祭りに行けるなんて思わなかったな」 樋口はとても嬉しそうだった。 今日休みを取る為に、この二週間大分無理をしたが、樋口のこんな顔を見られたのだから、安いものだったと思う。 「ほら、行こうぜ壱哉」 壱哉が着付けをしてもらっている間に戸締りを済ませたのか、樋口が促す。 浴衣姿の樋口は結構新鮮に思えて、壱哉はまじまじと見詰めてしまった。 「な、なに?」 じっと見られたせいか、樋口が戸惑ったように赤くなった。 「いや‥‥これも一種のペアルックだと思ってな」 「‥‥‥どーしてそう言う事考えるかなー‥‥‥」 ため息をついて肩を落とした樋口に、壱哉は声を上げて笑った。 樋口に引っ張って行かれたのは、商店街を中心に長く連なっている屋台の小道だった。 何度も見ている商店街も、屋台が並ぶとどこか別の場所のように見えるのが不思議だった。 特に山車などは出ていないが、屋台の派手な色彩に彩られ、辺りは活気づいているように感じられた。 天気が良いせいか、人出も結構多い。 子ども連れや学生、カップルなど、人波が途切れる事なく賑わっている。 「はい、壱哉」 満面の笑みと共に、フワフワした綿のような物体が突きつけられる。 「綿アメも始めてだろ?食べてみろよ」 と、樋口は綿アメをつまんで食べて見せる。 「‥‥‥‥‥」 同じようにつまんで口に入れると、どこか懐かしい甘さが口の中に広がった。 本当に綿のように形を取ったものが、口の中で瞬く間に溶けてしまう感触が不思議だった。 普段はそう甘い物を口にしない壱哉だが、生まれて初めての食べ物が新鮮で、つい殆どを食べてしまう。 しかし、樋口の屋台グルメ攻勢はそれでは終わらなかった。 焼きそば、たこ焼き、お好み焼きなど、樋口は次から次へと壱哉に勧める。 当然壱哉は、存在は知っていても殆ど食べた事はない代物だった。 味はまあまあで、何より、一つのパックを仲良く半分にして食べるのはカップル同士のようで、壱哉としても嫌いではない雰囲気だった。 普段は照れくさがって、そこまでイチャつくような事をしない樋口がここまでの事をするのは、祭りの雰囲気のせいだろうか。 ‥‥‥単に、子どもの頃の思考に戻ってしまっているだけなのかも知れないが。 こうして浴衣で出掛ける事も、屋台の物を食べる事も、壱哉には初めての経験だった。 学生時代まではこの町にいたのだが、祭りの事など噂でしか知らなかった。 『あんな下品な所に行くものではありません』 確か本当に小さい頃、誘われたので母に行ってもいいかと訊いた時、頭から否定された事だけは覚えていた。 あの時禁じられていたから、今こうして祭りに来て、母が見たら眉を顰めるような屋台のものを食べている事が、より以上に新鮮で、胸を昂ぶらせているのかも知れない。 「な、うまいだろ?」 お好み焼きを口に運ぶ壱哉に、樋口がにこにこと訊いて来る。 「‥‥あぁ。お前が作ったよりは美味いな」 あまりに上機嫌な樋口にちょっと意地悪をしたくなって、壱哉はさりげない皮肉を口にしたのだが。 「うん、不思議だよな。こうやって食べると、何でも本当に美味いんだよな」 と、樋口はあっさり認め、手にしていたイカ焼きをパクつく。 樋口は、壱哉と半分にしたものの他に、焼きトウモロコシだのじゃがバターだの大判焼きだのを食べている。 日頃肉体労働系の仕事をしているせいで比較的大食いなのは知っていたが、少々頭痛を感じてしまった壱哉である。 もっとも、嬉しそうにチョコバナナを咥えている樋口を見た時には別の意味で眩暈を覚えてしまったが。 ひとしきり、屋台の間を歩きながら食べ歩いた壱哉達は、屋台の列から少し離れた神社の境内で一休みする。 小さな公園に隣接しているその神社は、社と周りを囲む大木が辛うじて残されているだけだ。 神社には、小さな提灯が吊されているだけで、通りの賑わいとは打って変わった静けさだった。 屋台の並ぶ中にも休憩所があったから、普通はそこで休むのだろう。 しかし、壱哉はどうしても人の視線を集めてしまう。まして今日は、特に女性の目を引くような浴衣姿だ。賑やかな休憩所ではかえって壱哉が気疲れするだろう、と樋口が気を遣って、ここに連れて来たのだ。 壱哉達は、神社の石段に並んで腰を下ろした。 「どうせなら、ここも明るくして賑やかにすればいいのになぁ。これじゃ寂しいのに」 樋口が、暗い夜空に黒いシルエットとなってそそり立っている巨木を見上げた。 上を向いている為に露わになった喉から鎖骨のラインが夜目にはほの白く見えた。 いつもは必ずTシャツを着ているから、表には出ない胸の辺りがはだけた襟から覗いているのが嬉しい。 無造作に放り出している脚も、裾が割れているのを気にしていないから、かなり上の方まで見て取れる。 まともに裸を眺めるのとはまた違った光景に、壱哉は目を奪われる。 「‥‥どうして神社が暗いのか教えてやろうか?」 壱哉の言葉に、樋口は少し驚いたように視線を向けて来た。 「お前、知ってるのか?」 さすがに頭いいよなー、と酷く感心している樋口に苦笑しつつ、壱哉は立ち上がった。 「わかりやすく教えてやるからこっちに来い」 壱哉は、明かりが直接は届かない社の裏に樋口を招いた。 そこには、今は水の出ていない小さな手水舎がある。 「え?そこに何かあるのか?」 無防備に寄って来た樋口を、壱哉は引き寄せ、後ろから抱き締めた。 「ちょっ、なに‥‥!?」 もがきかけた樋口は、軽く耳に歯を立てられて息をのむ。 「祭りはな、五穀豊穣を祈って行われるものが多いんだ。豊穣はすなわち女性の象徴でもあったから、観音神社によってはお供えやお守りに男性器や女性器を象ったものが使われている所もある。昔は祭の時にわざと社殿の回りを暗くしておいて、そこで祭りで知り合った男女が関係を結んだりしたんだ」 耳元に口を付けるようにして低く囁く声は、説明と言うよりもまるで愛撫のようで。 更に、言葉の中身を理解した樋口は、耳まで真っ赤になった。 つまりそれは‥‥そう言う事なのか。 樋口が真っ赤になって動きを止めてしまったのをいい事に、壱哉は襟元から懐に手を差し込んだ。 「っ、だからって、こんな、外で‥‥っ!」 「ふふ‥‥だが、そう言いながらここはこんなになっているぞ?」 別の手が裾を割って中に忍び込み、樋口は息を飲んだ。 情けない事に、股間のものは下着の上から触れても判る程膨らみ始めていた。 ‥‥‥大体、壱哉の吐息や、耳に心地良い声や、こうして触れるくらい近付くと鼻をくすぐるフレグランスが悪いのだ。 「だれか来たら、見られちゃうだろ‥‥?」 前にも言った事のあるセリフだと自分でも思ってしまった。 そして、壱哉の答えも同じだった。 「誰も来なければ、構わないんだろう?」 言っているうち、壱哉の手は下着をずらし、熱を帯びたものを外に引き出してしまう。 解放されたものが、ひやりとした夜風に触れて、自分がもう熱くなっている事を強く感じさせる。 「ぃや‥だ、って‥‥!」 身を捩るものの、軽く指で股間のものを弄られ、もう固くなりかけている乳首を潰され、足が震えてきてしまう。 「このままで帰るのはお前だって困るだろう?」 「う‥‥」 確かに、股間のものにはもう先走りすら滲んでいて。 この状態を、自分でする事なく収めるのは結構きつい。 壱哉に触れられるだけで感じてしまう自分の身体がちょっと恨めしい樋口である。 「見られるのが嫌なら、さっさと俺を満足させて終わらせる事だな。ほら、腰をこっちに出せ」 壱哉の手で、樋口は手水舎の柱に縋るようにして、腰を後ろに突き出したような姿勢を取らされる。 そして壱哉は、浴衣の後ろを捲り上げ、下着を膝の辺りまで引き下ろしてしまう。 弱い部分が外気に晒されて、樋口の身体が竦む。 急に自分の取らされている姿勢が恥ずかしくなって、樋口は振り返ろうとした。 「‥‥っ」 まるで見計らったかのように、壱哉が後ろの窄まりに軽く指を差し込んだ。 ビクリ、と震えて樋口は動きを止める。 人に見られても不思議はない屋外でこんな格好をしている羞恥が、背筋を這い上がる快感をより強く感じさせて、樋口は何も考えられなくなってしまう。 「こんなにきつく締め付けて‥‥俺の指を食いちぎる気か?」 締め付けに抗するように指が進められ、樋口は引きつるように背中を震わせた。 壱哉はゆっくりと指を前後させ、樋口の中を弄るように慣らして行く。 「あ‥‥」 壱哉が指を抜くと、樋口は身を震わせて呻いた。 落ちそうになる腰を手で掴み、壱哉はもう熱くなっていたものを窄まりにあてがった。 先走りの助けを借りて、壱哉はゆっくりと腰を進めて行く。 「んっ、く‥‥」 僅かに眉を寄せた樋口の表情は、苦しさではなく快楽の色を浮かべている。 いつもとは違い、屋外である事が緊張を呼んでいるのか、樋口の反応は普段より敏感だった。 軽く抉ってやるだけで、体内が不規則に壱哉を締め付ける。 「あっ、ん‥‥‥」 壱哉がゆっくりと動き始めると、樋口は甘い吐息を洩らした。 湿った音が響くのにも気付かないかのように、樋口はいつしか、壱哉の抜き差しに合わせて腰をうごめかせる。 「なんだ、随分積極的だな?しかも、いつもより反応がいいじゃないか」 からかうように言って、壱哉は前に手を回し、固く張り詰めた乳首を指先で転がす。 「そ‥んな、こと‥‥っ!」 樋口は耳まで真っ赤にして首を振るが、その股間のものは既にとめどなく先走りを溢れさせている。 「そうか?ここだってこんなにしているくせに」 「あっ、あぁ‥‥んっ!」 壱哉の指が熱くなっているものを軽く弄び、敏感な先端に軽く爪を立てると、樋口は高い声を上げた。 「そんなに大声を上げたら、屋台の方にいる人間に聞こえてしまうぞ?」 「えっ‥‥!」 反射的に樋口の身体が竦み、壱哉のものをきつく締め付ける。 燃えるように熱い内部が、入り口ばかりでなく全体で締め付けて来る感触に、壱哉は目を細めた。 「い、いちや、こんなところ見られたら‥‥っ」 逃れようとするのを更に突き上げると、樋口は甘い声を上げて仰け反った。 「やっ、ほんと‥‥に‥‥あぁっ!」 抗う言葉尻が、高い声に変わる。 見られてしまうかもしれない事への羞恥が、樋口を一気に追い上げて行く。 「おっ、俺、もうっ‥‥」 樋口が、切なげに頭を振る。 「もう‥少し、我慢しろ‥‥っ!」 壱哉の呼吸も荒くなっていた。 樋口の体内を突き上げる動きがどんどん速くなって行く。 「あっ、あ、いち‥や‥っ!」 悲鳴のように壱哉の名を呼んで、樋口は全身を大きく震わせた。 「‥ひぐち‥‥っ!」 ほぼ同時に、壱哉も樋口の中に注ぎ込んだ。 「あ‥‥‥」 くたり、と力を抜く樋口を、壱哉は後ろから抱き締めた。 「‥‥まったく、壱哉は見境いがないんだからな!」 何とか家に戻って来たものの、樋口は少し機嫌が悪かった。 「人のせいにするな。そもそも、お前が誘うのが悪いんだ」 「俺は誘ってなんかいない!」 膨れる樋口がとても可愛く見えてしまって、壱哉はまたも良からぬ笑みを浮かべる。 普段とは違う浴衣姿のせいか、ちょっとした仕草で覗く腕や脚などが、酷く煽情的に見えるのだ。 「それなら、見境いがないついでに、もう少し楽しませてもらおうか」 「え?!」 身構える間もあればこそ、樋口は茶の間の畳に組み敷かれてしまう。 「おいっ、壱哉!」 慌てるが、上から手足を押さえつけられてはどうにもならない。 「あそこでは薄暗くて良く見えなかったが、浴衣姿と言うのは中々そそるな」 感心したように言う壱哉に、樋口は真っ赤になる。 「ばか‥‥っ!」 反論しようとした樋口は、胸元に滑り込んだ指に息を飲む。 明るい灯りの下で見ると、樋口の浴衣姿は神社の裏で見た時とはまた違った様子だった。 袖が大きく捲り上げられ、ちらりと見える二の腕が欲望をそそる。 前の合わせは腹の辺りまではだけられてしまい、大きく割れた裾から伸びた脚は酷く艶めかしく見える。 壱哉は、前合わせをかき分けるようにして樋口の股間に顔を寄せた。 「えっ?!いっ、いちや?!」 樋口の声が裏返る。 壱哉は躊躇いもなく、やや固くなり始めている樋口のものを口に含んだのだ。 「だっ、う、はぁっ!」 考えもしなかった強烈な刺激に、樋口は背中を逸らした。 一度達して、あまり経っていないと言うのに、壱哉の巧みな愛撫で樋口はあっさりと上り詰めて行く。 白い浴衣をはだけ、大きく開かれた脚が震える。 引き剥がそうとするように、壱哉の頭に掛けられた手には全く力がなかった。 裏筋を舐め上げられ、根元の袋を揉み解され、樋口の頭の中は真っ白になる。 我慢はいくらも続く事なく、樋口はあっけなく達した。 「あぁぁっ!」 樋口が高い声を上げ、壱哉の喉が動いた。 うっすらと涙を浮かべた樋口は、荒い呼吸に胸を上下させながら半ば放心している。 その表情を楽しみつつ、壱哉は樋口の脚を抱えた。 「んあぁ‥‥!」 既に一度受け入れていた場所は、易々と壱哉を咥え込む。 洋服と違い、浴衣は少し着崩せば行為には何の支障もない。 いつもと違う雰囲気で身体を繋いでいる事が刺激になって、樋口も壱哉も酷く興奮していた。 「んっ‥な、んで‥‥きもち、い‥‥っ!」 さっき声を抑えようとしていた反動か、樋口はいつもより高い声で喘いだ。 それを心地良く聞きながら、壱哉は樋口の身体にのめり込んだ。 ――――――――― 「あ‥‥あー!」 いつもよりも激しい行為を終え、気怠さを感じつつシャワーを浴びていた壱哉は、樋口の頓狂な声に眉を上げた。 「壱哉ー!どうしてくれるんだよ、せっかくもらった浴衣なのに‥‥!」 バスルームから出ると、樋口がくしゃくしゃになった浴衣を抱えて涙目になっている。 確かに、外で一回して、更にここでそのまま何度かしてしまったのだから、浴衣は凄い事になっていた。 「俺はちゃんとお前の中に出したんだからな、外に出したお前が悪い」 いけしゃあしゃあと言う壱哉に、樋口は絶句した。 涙を浮かべて固まっている樋口の姿は、可愛いと言うより哀れを誘う。 売り言葉に買い言葉でつい言ってしまったものの、壱哉は酷く罪悪感を覚えてしまう。 「‥‥‥まぁ、浴衣は多少汚れても洗えば落ちるしな。普通の和服より手入れは簡単だ」 実の所和服の知識がある訳ではなかったが、壱哉は宥めるように言葉を継いだ。 「‥‥うん。そっか、そうだよな」 少しほっとした顔をする樋口に、壱哉はにやりと笑った。 「ちゃんと洗ってしまっておけよ?お前の浴衣姿は、結構良かったからな」 「‥‥‥‥‥」 それは絶対に、『似合う』と言う意味ではないだろう。 二人分の汚れた浴衣を手に、耳まで真っ赤になる樋口である。 ちなみにその浴衣は、壱哉のプレイ用に、樋口の家の箪笥の一番上にしまわれる事になるのであった。 |
END |
3000HITを踏んでいただきました山岸様のリクは「夏祭りデート」だったんですが‥‥既に季節は秋になっているばかりか、これじゃ「夏祭りH」だ‥‥。しかも、実にサワヤカではないラストになってしまっているし(あ、ちなみに、藪の中でやったら蚊に刺されるだろうとか、一度汚してるはずなのにどうやって家に戻って来たのかとか言うリアルな突っ込みは却下です)。
すいません、やっはり私にはらぶでいちゃいちゃな健全デートは書けませんでした(土下座)。こんなんでよろしければお持ちください。