第68話

日本は祟り神のおかげで守られている



奈良、桜井市にある大和国一の宮「大神(おおみわ)神社」の摂社に病気平癒で
有名な「狭井(さい)神社」があります。

「狭井神社」は、別名「花鎮社(はなしずめのやしろ)」と言われ、4月には
「鎮花祭」という祭典があります。

春、花の散るとき、疫神が四方に分散して疫病を起こすのを鎮める祭りですが、
ちょうど花の散る頃から初夏へと気候の移り変わりが激しい季節は、昔から
疫病の流行する時期だったようです。(そういえば豚インフルエンザも・・・)


第十代祟神天皇の時代、天変地異が相次ぎ、疫病が拡がって国民の半分が死に
絶えてしまう事態が起こります。

それを鎮めるために、崇神天皇が神を祀って問いかけると、夢にオオモノヌシノ神
があらわれ、こう告げました。

「疫病の流行は、私が意図したものだ。(つまり祟りじゃ・・・)
三輪山に我を祀らせれば、我が心も鎮まり、国も平安になるであろう・・・」と 。

そして、その通りに三輪山にオオモノヌシノ(大物主)神を祀ると、実際に
疫病は去り、国は平安となったと言われています。


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大宰府天満宮をはじめ、全国の天満宮や天神さんは、菅原道真公をお祭りした受験
や学問の神さまとして有名ですが、道真は陰謀のため無実の罪で九州の大宰府に
左遷され、悲しみと怒りを抱き、京都に戻れないまま失意の内に亡くなります。

その死後、道真を追いやった縁者が次々と亡くなり、京の洪水、渇水、雷と
天変地異、伝染病が流行し、さらに、清涼殿に落雷があったことで、菅原道真は
「天満大自在天神」と称される雷神の祟り神になられたと噂が広まります。

北野天満宮や太宰府天満宮は「学問の神様」としてではなく、元々は菅原道真の
祟り神としての御霊を鎮めるために建てられた神社であり、「御霊」「雷神」と
して祀られていたのです。

平将門公も民衆のために立ち上がった英雄として、江戸総鎮守の神田明神の祭神
のひとつになっていますが、お祀りの真意は祟り神の鎮めであり、畏れからです。

興味深いことに皇居の鬼門(東北)の方向に平将門公をお祭りした「神田明神」
と、菅原道真公をお祭りした「湯島天神」が近くに隣接してあります。

つまり、この2つの神社は、祟り神であったからこそ鬼門を鎮護するだけの絶大な
力も備え、江戸を守ってきたのでしょう。


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祟りというと、「そんな迷信で人を脅すのか!」と言われそうですが、日本では、
古来より、大自然を神として拝み、地震、雷、台風等の恐るべき自然現象を、
神のメッセージと受けとめ、行動を慎み、感謝の祈りを捧げてきたのです。

神社で奏上される祝詞の最後が「恐(かしこ)み恐みも白(まお)す」
になっているのも、大自然(神)に畏れ慎む心で接することが示されています。

恐れは不安にもつながりますが、恐れは畏れ多いという畏怖から慎みや謙虚さが
湧き上がり、「もったいない」「頂きます」「有難い」の心にもなれるものです。

「願えば叶う、不可能はない」という考え方も素晴らしいものですが、度を
越せば傲慢になり、対立や破滅につながってしまいます。

今の人類に必要なことは、むしろ足るを知り、畏れ慎む姿勢ではないかと
感じています。


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また、神道の素晴らしさは、災禍をもたらす祟り神を排除するのではなく、
メッセージを尊重し、丁重にお祭りしてきたところにあると思っています。

その結果、祟って災いを引き起こす荒ぶる神がおさまり、逆に福をもたらす
神となり、マイナスがプラスとなってしまうのです。

有名な京都八坂神社の祇園祭りも、本質は祟り神を鎮めるためのお祭りです。
八坂神社のご祭神のスサノオノミコトは災いをもたらす祟り神(厄神)としての
一面がありますが、尊重して感謝して祀れば、反対に厄を除ける神さまとして
大変身するわけです。

人間でも苦労したり、やんちゃで迷惑行為をかけてきたりした人が、その
エネルギーを世の中に役立つ方向に発したときは、大いなる力を発揮する
ことがありますよね。


福の神として知られる七福神ですが、恵比寿さまは、できそこないの子として
海に流された運命を背負い、大黒天は破壊の神、毘沙門天は暗黒界の悪霊の主
としての一面を持っていて、一見、福のイメージとはかけ離れています。

そんな個性的な七福神が一隻の宝船に乗ることにより、自分の持ち味は輝かせ
つつ、独りよがりにならずにそれぞれの神を尊重し、ともに切磋琢磨していく
中で、七神集まっての働きが何十倍、何百倍の福をもたらす神となっていった
のでしょう。


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5月23日の午後には、山けんセミナーで江戸の総鎮守「神田明神」に参拝
します。

ご祭神には、七福神の大黒さまとえびすさまが笑顔で迎えてくださいますし、
鬼門の守り神になっている平将門公と、境内の江戸神社の地主神のスサノオノ
ミコトからは力強さを・・・そのほかにも頼もしく、有難いたくさんの神さま
にお会いできるので、とっても楽しみです!

また、その日はいるだけで元気をいただけるパワースポットの明治神宮にも
お参りしてエネルギーを充電します。

神社では、畏れ慎みの姿勢で、感謝と賛美の参拝をさせて頂きたいと思います。

山けん流参拝?を体験してみたい方、お申し込みお待ちしております。




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