第58話

伊勢に詣らば、元伊勢にも詣れ


伝説では、第10代崇神天皇の時代に疫病が大流行し、その原因が三種の神器を 天皇の住居と一緒に祀っていることであると、神託が下ります。

そのため、皇女である豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)は天照大神の ご神体であるヤタノ鏡とムラクモノ剣を大和(奈良県)の笠縫邑(かさぬいむら) <現在の三輪山中腹にある桧原神社>に移します。

続いて、大和から丹波に元伊勢「吉佐宮(よさのみや)」が鎮座したとあります。

ところが、この吉佐宮には、日本三景の「天橋立」のほとりの「籠(この)神社」 という説と大江町の日室ヶ嶽そばの「元伊勢皇大神社」という説があるのです。


天橋立についてですが、イザナギの神が天に昇るためのはしごが、イザナミの 神が寝ている間に倒れて、天の橋立になったという伝承があります。
実際に行ってみると「元伊勢籠神社」の参道が天橋立になっていて、その背後に 奥宮として「真名井神社」があります。

真名井神社周辺は、巨石を祀る磐座(いわくら)になっており、たくさんの神仏の エネルギーが集合している聖地となっています。

「籠神社」が元伊勢として主張する強みとして、社殿が唯一神明造であり、 本殿高欄には、五色の宝玉が飾られていて、どちらも伊勢神宮以外には見ら れない様式となっていることや、日本最古の系図といわれる「海部氏の系図」、 無二の神宝と伝世してきた「息津鏡」「邊津鏡」を所蔵していることです。


「元伊勢皇大神社」は、社殿や神宝では「元伊勢籠神社」には及びませんが、 神社の周辺一体が聖地となっており、特にピラミッド型の「日室ヶ嶽」は、 調和された太陽と大地のエネルギーが降り注ぐ神聖な場になっています。

伊勢神宮は、天照大神で有名ですが、元の働きは太陽神を表しています。
伊勢の夫婦岩では、夏至の日にその岩のちょうど間から太陽が昇ります。
そして、昇る朝日の背後に、遠く富士山が浮かび上がるといいます。

夏至の太陽(天)が日本の象徴の富士山を背景に、海(あま)の夫婦岩という 陰陽の天然の鳥居から昇り、大地を照らす、まさに天照に相応しい場所が、 この伊勢の夫婦岩なのです。

日の丸の国旗が朝日なのも、太陽信仰からきているような気がします。

そして、この夏至の日に、丹後の元伊勢「日室ヶ嶽」では、その山頂から 太陽が沈んでいくのです・・・
一年のうちで、一番太陽がお出ましになる陽の極まった夏至の日に、 富士山、夫婦岩、日室ヶ嶽の真上に日が昇り、沈む現象が起こるのです。

また、伊勢と元伊勢を結んだライン上に平安京があり、方位学的にも 見事な配置となって、京都が守られていたのです。


もう一つ、伊勢と丹波の関係の深さを表していることとして、雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、
「丹波がなつかしい。豊受大神に会いたい!」
と告げられた伝説が残っています。
それを受けて、現在の伊勢の外宮に、天照大神の食事を司る神として 豊受大神が勧請されたのです。

この伊勢外宮の元になる神社は、京丹後市峰山町にある 「比沼麻奈爲(ひぬまない)神社」ともいわれています。


元伊勢説は、いろいろと解釈がありますが、どれも一理あると思います。
私としては、神社に関わる元伊勢は、「籠神社」⇔「伊勢神宮」と考え、 太陽信仰という観点からの元伊勢として、「日室ヶ嶽」⇔「夫婦岩」と解釈 しています。

私は神社も好きですが、「日室ヶ嶽」は特にお気に入りで、まだ教師を やっていた頃、ここの遥拝所の「一願成就」の石碑から、山に向かって
「神仏のお役に立つ生き方を是非したいので、後押しお願いします!」
と、祈願しました。

そのときは、まだ公務員を辞める気はなかったのですが、本当に願いが 成就してしまいました(笑)


「日室ヶ嶽」「元伊勢皇大神社」「籠神社」「真名井神社」「比沼麻奈爲神社」 へは、7月1日(日)に日帰りにて「元伊勢の聖地 京都丹後参拝ツアー」を 実施しますので、興味のある方は、お申し込みの上、ご参加ください。


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