第50話

森が地球を元気にする


歴史上で文明が滅ぶときには、その前に森が滅んでいます。
森林を伐採して、森林の喪失とともに文明が滅んでいったのです。

森林を伐採すると、まず川がダメになります。
大雨が降ると、木が水をうまく蓄えてきれいに浄化させるのですが、森林がないと川は洪水となり、 多量の水と土砂が川にどんどん流入していきます。
川は氾濫して汚れ、さらに流れた土砂が河口から海へそそぎ、そのため海岸は汚れて 生物が棲めなくなり、その結果、漁獲高は目に見えて減っていくのです。

つまり、森林が死ぬと、川が死に、海が死に、最後に文明が滅ぶのです。

森と海は一体です。
森が育ってはじめて海に魚が増えるのです。

神社は、鎮守の森というだけあって、森があってこそ成り立つものです。
鎮守の森を守るために神社があるともいえるのです。
山や森をどんどん伐採するというのは、言い方をかえると神さまを伐採しているようなものです。

神道では、国土を国魂といい、国土は神さまの肉体だとしています。
人間は、神さまの肉体である国土の上に住まわせていただいているのです。

日本には「これ以上入ってはならない」禁足地が神社や神体山にあります。
このおかげで鎮守の森が原生林として残り、生態系が保たれている場所があるという点から考えても、 とてもありがたいことだと思います。

また、明治時代以前の日本人は、自然とともに生きていました。
森の木を伐採すれば、必ず苗木を植えていたのです。
徳川幕府は、伐採の禁止令をたびたび出していたようです。

そして、日本は牧畜をせず農耕中心であり、生まれた土地や鎮守の森を大切にしてきたことで、 大規模な森林の伐採を免れたのです。
地球が砂漠化してきている中、日本にはまだ豊かな森があるのは、先人の祖先が森を大切に してきたおかげなのです。


森に行くと、癒されます。
落ち葉のじゅうたんの上で寝転んでいると、元気が湧いてきます。
春には、お花見・・・秋には、紅葉狩り・・・日本の行事には森がつきものです。

また、山を拝み、登拝すれば、山の神さまの精気をいっぱいいただけるのです。

こんなすばらしい山や森は、神さまそのものです。
ありがたい山や森の価値を子孫に語り続けていくことが、我々大人の役目です。
今こそ、砂漠化して傷ついている地球の神さまの肉体を元気に蘇らせるために、森を愛し、 大切にして、育てていく必要があります。

「水を治めるには山を治める」そして「人の心を治めるためにも森を治める」ことが地球の力を 元気にする最重要なことだと感じています。

まずは、身近な地域の鎮守の森を大切にしていくことから始めませんか・・・・


<参考文献『鎮守の森ルネサンス』山田雅晴著>


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