第41話

神仏と自分との関係を強固にする


戦争は、ひとつの宗教に執着し、他を認めないことから起こることも多いのですが、
日本には、聖徳太子の「和をもって、貴しとなす」の精神が今も受け継がれているのか、 他の宗教・文化を受け入れようとする特質があるようです。
日本人は、神社に初詣に行き、お寺でお葬式というように、神と仏の両面の働きを違和感なく受け入れ、 生活しています。

天地自然の道理には、陰陽としての働きがあります。
日本人は、偉大な陽のご存在を「神」、偉大な陰のご存在を「仏」ととらえ、 その両方をともに活かしてきた歴史があります。

では、この神と仏と人間の関係とは、どのようになっているのでしょうか?

人間を木にたとえると、幹が自分で、根がご先祖さまとなります。
つまり、見えない根であるご先祖さまのおかげで、今現在の自分があるのです。
根がしっかりしていると、木は枯れません。
根が伸びれば、自ずと花は咲くものです。
花は、現実での自分の姿でもあります。
花をきれいに咲かせているのは、実は見えない足元の根が応援しているのです。
その根が伸びるためには、いい土が必要です。
この土が、産土(うぶすな)であり、神仏なのです。

木の種類が違うように、人間もみんな違います。
木もその木にあった土でないと、いくら栄養があっても育ちません。
人間も自分に生まれる環境にぴったりあった土だったからこそ、誕生することができたのです。

この自分にとって最適な土だからこそ、産土(うぶすな)になるわけです。
そして、自分だけでなく、ご先祖さまも含めてずっと見守ってくださる神仏こそ、産土なのです。
見えないところで、陽の産土の大神さまと、陰のご本尊さま・仏尊さまから、根である先祖そして 幹である自分に土の養分をいただいているのです。

ところが、守っていただいている縁ある神仏のことを大切にしないばかりか、自分(前世)や 先祖たちが、神社や寺院、仏像を人間の都合でこわしたり、ひどい場合は寺社仏閣を焼き討ち したりして、神仏にご無礼していることがあるのです。
神仏は、そのご無礼に対して、怒るというよりも、人間の殺伐とした心がとても悲しく、 そのことで傷つき、弱っていらっしゃいます。
そんな先祖が大変なご無礼をはたらいた神仏に、お詫びもなく「助けてください」と 拝んでいるのが、どうやら現実の我々のようです。
これではさすがに慈悲深い神仏としてもやってられないわけですね。

ただ、このことは発想を変えると、大きな開運のチャンスにもなるのです。
つまり、縁があるから「ごめんなさい」と謝まって、関係を結び直すチャンスにすることができるのです。
人間でも同じように、縁の深い人ほど、迷惑をかけている反面、助けられているものです。
心からお詫びして、その心が相手に通じると、もともと縁が深いだけにしっかり守護して いただけるようになるのです。

お詫びは、マイナスを一気にプラスに転じてしまう、両端が白になると中の黒がすべて白に 入れ替わるオセロゲームのようなものです。

神さま・仏さま、いや身近な人にも、感謝はもちろん大切ですが、その前に今までのご無礼をまず、 お詫びしてみませんか・・・(ピンチはチャンスです!)


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