第26話

雨はすばらしい


梅雨の季節が続きますね。

一般的には、ムシムシして嫌われる梅雨ですが、大地や植物そして動物にとっては大喜びの季節なのです。

キュウリは、雨が降ると晴れの日の何倍もの速さで一気に大きくなります。
アジサイは、水滴があると輝きを増し、晴れの日よりずっときれいに見えます。
雨の日、植物のそばに近づいてみると、嬉しそうな笑い声が聞こえたような気がしました・・・・

アマガエルは、雨が降ると、オスは、のどをふくらませて、メスのアマガエルにプロポーズしています。
人間も雨のおかげで、相合傘をさし、二人の世界にときめいています。
ジュンブライドもこの梅雨の時期で、昔から6月の花嫁は幸せになると言い伝えられています。
雨ってロマンチックなんですよね。

また、日本が森林に恵まれ、緑豊かなのは、雨のおかげです。
雨は湿り気がありますが、潤いでもあるのです。
雨の多い、屋久島や熊野は、神々のいます聖地として有名です。
あの縄文杉は雨の恵みがあったからこそ、存在しているのです。

反対に雨が降らない砂漠では大地の力が不足しています。
日本に大地の神々の力があるのは梅雨があるからともいえるのです。


雨がよく降り、湿り気のあることは、泣くことにも関係がありそうです。

日本神話で登場するスサノオノミコトは、ものすごく泣き虫です。
日本人はどちらかといえば、よく泣く民族です。
幽霊でも西洋ではポルターガイストのような渇いた感じですが、日本では湿っぽく泣いているお化けのイメージです。

日本には、神さまからお化けにいたるまで、泣く文化があったのです。
涙は、耐え忍ぶ悲しみを癒したり、感謝や感動の証でもあります。

ところが、最近、涙を見せないドライな感覚がいいような風潮があります。
これは、人の悲しみが理解できない心にもつながります。

しっかり泣いてこそ、そこに美しさを感じ、慈悲の心が育っていくのです。
泣く子ほどよく育ちます。

大地に湿り気がなくなると砂漠(渇いた荒野)になる。
人間に湿り気がなくなると戦争(渇いた心)になる。

そう考えると梅雨もありがたいし、悲しいとき、嬉しいときに泣けるってすばらしいと思いませんか・・・・

さあ、残り少ない梅雨の季節、傘をさしてじっくりロマンを味わいましょう!


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