第14話

大国主大神さま


伊勢神宮が天津神の代表的神社とすれば、国津神の代表的神社が出雲大社です。
出雲大社といえば、日本神話の中で、女神に一番モテル神さま「大国主大神さま」をご祭神としてお祭りしています。

「大国主大神さま」は大黒さまとも言われ、縁結びの神さまとして有名ですが、大地、うぶすなの神の総まとめ役として、医療・治療の神(いなばの白うさぎのけがを治した古代医学の元祖)としても、また幽世(あの世のこと)での霊界の主宰神としても大活躍のとってもありがたい神さまなのです。

人間とは密接につながっていて、身近にお世話になっている神さまとも言えます。
(現に、日本の一の宮神社の中では一番多くお祭りされています)

オオクニヌシノ大神は、最初はオオナムチという名前(神話・伝説上では八十八通りの神名をもってます)でたくさんの兄弟がいました。
それが、兄弟たちやスサノオノ命から与えられるさまざまな試練を乗り越えて、オオクニヌシとなっていくのです。
オオクニヌシノ大神さまの魅力は、勇気と素直さであり、慈悲の心と智恵の両方を持ち合わせているところです。

女神に慕われるがゆえに、オオナムチは男神から数々の試練を受け、二回死んでしまいますが、女神のヒーリングによって、生き返ります。
(このあたりから、オオクニヌシはよみがえりの神とされるようになります)

その後もスサノオノ命からの無理難題の厳しい試練を与えられますが、女神に助けられ、九死に一生を得るのです。
モテル男は強い?と同時に、女性の助けなしでは、男性は生きられないことを教訓として教えているようですね。
男性の皆さん、男性は敵に回しても女性は味方につけておきましょう!(笑)

そして、オオクニヌシノ大神さまは、和を大切にします。
無駄な戦いはせず、譲るところは譲り、丸く治めていくのです。


オオクニヌシノ大神が無事に国造りを終えた頃、天津神たちが、
「豊葦原の中津国(日本)はもともと自分たちの国だから返してもらおう!」
とオオクニヌシノ大神に国譲りを迫ります。

オオクニヌシノ大神は今まで苦心して国造りをしてきたのに、今頃になって国を渡せとは、納得がいかなかったのですが、長男のコトシロヌシノ大神が身を犠牲にして、争いを回避しようとしたことで国を天津神に献上することにするのです。

そしてオオクニヌシノ大神はこう言います。
「国は朝廷に差し出しましょう。そのかわり、出雲の杵築に私が住む社を造って欲しい。
 その社(出雲大社)は、朝廷の宮殿より大きく、とにかく太い柱で建ててでっかくして欲しい。」
と国を譲る替わりとして条件を出すのです。

その結果、国土を二分するような大戦争は起こらなくて済み、代わりに、とてつもなく大きな出雲大社が生まれたのです。
(当時の出雲大社の高さは約100メートルもあったと言われています。今の出雲大社は建て直されたものです)

「損して徳とれ」とは、徳もって得を得た出雲の神々の智恵なのですね。
ぜひ、今の人類に活かしてもらいたい教訓です。

         【参考文献】 「神々の聖地」 山田雅晴著


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