第5回矢沢宰賞入賞作品

受賞者名の所属及び学年は、平成10年3月の応募当時によるものです

● 最優秀賞

  お日さまの一日     佐藤 夏希(国立筑波大学附属桐が丘養護学校小学部6年)

ぼくが東からのぼると

世界中の人々の一日がはじまる

 

ぼくのキゲンがいいときは

一日中

空や鳥たちと歌を歌う

 

キゲンの悪いときは

雲に

バトンタッチしちゃうんだ

 

おこっているときは

人間を

ふきとばすつもりで風をふく

 

かなしいときは

雲の上で

みんなにかくれて泣いてるんだ

 

そんなことを考えているうちに

今日もまた一日がおわろうとしている

 

さあ

そろそろ帰らなきゃ

みんなバイバイ

また明日                 選評

 

 

● 奨励賞

かなしいたまごうみ   鈴木将大(新潟県三条市立三条小学校2年)

カマキリを

見た。

虫かごのふたの上に、

たまごがあった。

まだうんだばかりの、

白いたまごだった。

まだやわらかそうだった。

カマキリを見たら力がつきて、

しんでいた。

かわいそうだな。            選評

 

 

 草取り         長谷川朝輝(新潟県立はまぐみ養護学校小学部5年)

楽しいな 草取りは、

何か、自分の心の草を

一つ一つとっている気持ち

なまけ心

ねぼけ心

すききらい心

ぼくの心の草は、いろいろ

ほんとうに

ほんとうに

心の草取りができたら

うれしくなっちゃう           選評

 

 

 しみわたり       北澤南海(新潟県見附市立今町小学校3年)

とてもさむい朝

お兄ちゃんが、

「こおってんれ。」

ていって雪の上にのったら、

しみわたりができてたよ。

わたしもまねしてのってみて、

みんなもまねしてのってみて、

田んぼの上を歩いたよ。

ズイッズイッズイッズイッ音がして、

だんだんちょうしにのってきて、

ズッ ズッズッズッ

はしったよ。

みんなもまねしてはしったよ。

雪がきらきらひかってて、

ダイヤモンドのじゅうたんみたい。

とてもとてもまぶしかったよ。       選評

 

 

            金子恭子(新潟県新潟市立山の下小学校6年)

お父さんがおみやげにドーナツを買ってきた。

私も弟もお母さんもお父さんもおいしそうに食べた。

妹はもっとおいしそうに食べた。

にこにこ笑いながら、いすに正座して、

大きなドーナツを両手でもった。

そしたら、ライオンみたいに口の中が丸見えになるくらいにでっかい口をひらいて、

「あ〜ん。」

口のまわりに砂糖がいっぱいついた。

おまけに、ほっぺはおこった時みたいにふくれていた。

見ているだけで、おいしかったんだって分かった。

幸せそうだった。            選評

 

 

 もしも自分がいぬだったら   高村省吾(新潟県三条市立三条小学校2年)

もしもぼくがいぬだったら

さんぽにいって

くさのみつけて帰ってくる

 

もしもぼくがいぬだったら

草むらにいって

おなもみつけて帰ってくる        選評

 

 

● 佳作

  アリ          棚村直紀(新潟県見附市立上北谷小学校6年)

アメを落とした

しばらくするとアリがよってきた

たくさんのアリがアメにしがみつく

いろいろなアリとけんかするように

生きるようにいっしょうけんめい

 

ぼくは人まかせなので

自分から生きていけるのだろうか

いつかアリのように

いっしょうけんめい生きるように

なるのだろうか 選評

 

 

 もしも鳥だったら    武田朋子(新潟県見附市立見附小学校2年)

もしも鳥だったら空をとぶぞ

どこまでもとぶぞ

いろんなところにとんで行くぞ

とんでいろいろなものを見に行くぞ

雲の上までとんで行くぞ

いろんなところであそぶぞ

森でえさを食べに行くぞ

いろんな鳥とあそぶぞ

夕方までとびまわってあそぶぞ 選評

 

 

 町           星 信也(新潟県栃尾市立栃尾東小学校4年)

町へ行った。

辺りには

人がたくさんいる

ああいいなぁ

町の人にかこまれて

町へ行った。

車が走っている

すごく早い

町へ行った。

風がふいている

ヒューヒュー

気持ちいい

ああ町はいいなぁ。

にぎやかで

ああ町っていいなぁ。 選評

 

 

 水のレース       高橋 圭(新潟県新潟市立小瀬小学校4年)

くもっているまどガラス。

たくさんの水てきが、

びっしりとついている。

指で線をかいてみた。

水のレースの始まりだ。 選評

 

 

 ぞうきん        関 依里子(新潟県見附市立上北谷小学校5年)

ぼくは みんなの役に立っている

はず

 

ぼくは きたなくてもがんばっている

はず

 

ぼくは 役に立ててうれしい

はず                                     

 

なのに なぜか かなしいの

 

ぼくは きたなくてもだいじょうぶ

 

なのに ほうっておかれるの

どうして? 選評

 

 

 空          長井 功(新潟県立吉田養護学校中学部1年)

まどから空を見た

雲が一つもなかった

なんにもなかった びっくりした

ひこうきがとんでいた

あおかった

 

なにかいいものを見たかんじがした 選評

 

 

 この町に初雪が    白滝 彩(新潟県上越市立直江津中学校3年)

この町に初雪が

地面に屋根に

ふりつもる

白く染まったこの町で

少しちがった気分を

味わえる

今日一日のつかれさえも

すぅっととけてしまいそう

白く輝く雪だから

 

この町に初雪が

地面に屋根に

ふりつもる 選評

 

 

 めがね         小畑未来(東京都立片浜養護学校中学部2年)

めがねは、不思議です。

めがねをかけるといろんなものが見えます。

でもはっきり見えすぎる時もあります。

見たくない物は見たくないです。

めがねと上手に付き合う方法をだれか教えて下さい。 選評

 

 

 野鳥たちよ       岩崎健司(茨城県立下妻養護学校高等部1年)

君たち 鳥はいいね

高い空 木立ち

いろんな所に

立ち止まり

一体何を考えているんだい

何を話しているんだい

空気も うまいだろう

雨の日は

どこにいるんだい

寒い時もあるだろう

でもいいね

ぼくも君たちのように

自由に空を

飛んでみたいな 選評

 

 

 生きること       綿野義子(静岡県立静岡聾学校小学部6年)

人間は 生きている。

自然も 生きている。

 

草なんか 水をやらなくても生きている。

木なんか 枝が折れても生きている。

 

命は一つしかない。

生きている限り、

力強く 生きぬく。

 

それが

生きること。 選評

 

 

 わたし         渡邊里美(山梨県立わかば養護学校高等部2年)

わたしはがんばるたった一人であったとしても

まわりからいやなこと言われたとしても

「わたし」という人間はわたし以外のものではないから

わたしはがんばるわたししかない

ときどき涙がでそうになる

本当は気づいてほしいけど…

すごくつらいこと

すごく悲しいこと

すごく淋しかったこと

この心をかかえてるのもわたし

そうやって生きていくのがわたし 選評

 

 

 きらきらするもの    多賀佑貴(新潟県新潟市立小瀬小学校2年)

きらきら夜に

うかんでる星

マクドナルドの

チキンナゲットのあじ

はしらにぶつかっていたかった

わたしのあたま

友だちにやさしくしたときの

わたしの心

きらきらするものって

いっぱいあるね 選評

 

 

じどうはんばいき     白井 渉(新潟県新潟市立小瀬小学校2年)

いろんな顔をもっています。

あっちでも

こっちでも

口をあけてまっています。

お金が来るのをまっています。 選評

 

 

 かみなり        杉山史典(新潟県加茂市立加茂小学校1年)

あさ、

学校にくるとちゅうで、

かみなりがなりました。

ごろごろ

音がなりました。

金いろに

ひかりました。

目がひかりました。 選評

 

 

 先生だったら      松井大輔(新潟県寺泊町立野積小学校3年)

朝、起きたら先生だった。

学校に行くじゅんびをした。

まちがえてランドセルかついだ。

学校に行ったらテストをする。

「30点いじょうとらないととっくんだぞー。」

そして、とれなかった人は、

「また、がんばれよー。」とみのがす。 選評

 

 

● 入選

ゆきのうんどうかい     相澤直人(新潟県見附市立見附小学校2年)

              相沢 甲(新潟県松代町立松代中学校2年)

赤ちゃん           浅川梨沙(新潟県県加茂市立加茂小学校6年)

雪          五十嵐和典(新潟県見附市立上北谷小学校5年)

ひかり            五十嵐賢司(新潟県松代町立松代中学校3年)

冬休みのこと         礒部有一(静岡県立西部養護学校中学部1年)

              猪木浩平(愛知県立港養護学校中学部2年)

カゼをひいた日       岩城未央子(新潟県立吉田養護学校中学部1年)

豆まき           大島裕介(新潟県見附市立今町小学校3年)

ぼくのテスト        大村勇人(新潟県新潟市立山の下小学校6年)

みみきこえる        押之見叶子(新潟県見附市立今町小学校1年)

走る            加藤結香(愛知県立春日井高等養護学校1年)

おじいちゃん        黒田美保(兵庫県立盲学校中学部2年)

僕の夢           榊原幸徳(愛知県立春日井高等養護学校1年)

春の加茂川         田篠沙耶香(新潟県加茂市立加茂小学校5年)

花             高崎季美絵(石川県立小松養護学校高等部3年)

わたしのたからもの     高橋千寿(新潟県立はまぐみ養護学校小学部1年)

としやへ          高橋佑依(新潟県見附市立上北谷小学校5年)

雪が少しとけるだけで    廣田明人(新潟県中里村立田沢小学校4年)

春             深滝友希(新潟県栃尾市立栃尾東小学校5年)

部屋の窓から…       古田博司(愛知県立小牧養護学校高等部2年)

とけい           皆川達郎(新潟県加茂市立加茂小学校6年)

公園に           村上靖亮(富山県立盲学校高等部3年)

数字            柳生田未来(新潟県加茂市立加茂小学校3年)

さんま           矢島裕太(新潟県栃尾市立栃尾東小学校5年)

仔馬            柳 雅士(新潟県松代町立松代中学校1年)

のらねこ          吉川陽子(新潟県加茂市立加茂小学校3年)

あさつゆ          吉田和菜(新潟県吉田町立粟生津小学校3年)

寿命            吉田 健(新潟県聖篭町立聖篭中学校1年)

雨の日は          吉原明奈(新潟県新井市立新井南小学校5年)

 

 

● 努力賞(5周年記念)

              相野瑞江(岡山県立岡山聾学校中学部3年)

とびばこ          朝倉 愛(新潟県新潟市立小瀬小学校4年)

たんぼ           荒木大地(新潟県見附市立今町小学校2年)

家族            飯浜華江(新潟県栃尾市立栃尾東小学校5年)

メッセージ         池松綾子(富山県立盲学校中学部2年)

生命(いのち)       岩本温子(茨城県筑波大学付属聾学校中学部2年)

今             大下典子(奈良県立七条養護学校中学部3年)

たん生日          岡畑千裕(新潟県新潟市立小瀬小学校2年)

深夜放送          岡村善之(新潟県立吉田養護学校高等部3年)

秋の終り          川原和恵(富山県立盲学校高等部2年)

負けるもんか        岸 美岐(和歌山県立和歌山聾学校中学部2年)

出口            小沼 浩(茨城県立友部東養護学校中学部3年)

後ろ姿           佐野久美子(新潟県立吉田養護学校中学部2年)

夢             重田真希(鹿児島県立桜丘養護学校中学部3年)

お母さん          諏佐祐希(新潟県栃尾市立栃尾東小学校5年)

ぼくは一月のカレンダー   竹内友理(新潟県西蒲原郡潟東村立東小学校4年)

空想で見たおばあちゃん   土井祐美(山口県立盲学校中学部2年)

アルバム          羽豆彩花(新潟県新潟市立山の下小学校6年)

ジャンプ          中村佳代(新潟県見附市立見附小学校5年)

静かな森          野崎万利子(新潟県立吉田養護学校中学部1年)

ゆきだるま         早川正之(新潟県加茂市立加茂小学校1年)

彼へ            早瀬戸渚(和歌山県立和歌山聾学校中学部3年)

手紙            張戸愛子(新潟県見附市立上北谷小学校6年)

まさこさんとひるね     日野亜香利(島根県立隠岐養護学校高等部1年)

氷の自信作         平沢由衣(新潟県栃尾市立栃尾東小学校4年)

アリの一生         古川原健(新潟県寺泊町立野積小学校5年)

ちいさい自分        本間あき子(東京都立片浜養護学校中学年2年)

木             山崎孝雄(新潟県立柏崎養護学校小学部3年)

体の中のパトロール     山田由香里(新潟県赤泊村立赤泊小学校5年)

ゆびにできるまめ      渡辺亜悠子(新潟県見附市立上北谷小学校2年)