最優秀賞・ポプラ賞

山谷 圭祐

木がたっている

ぼくもたっている

木がたっている

ぼくは木を切ろうとしている

木が問いかける

なぜ切るの?

僕は答える

売るため

木が問いかける

なぜ売るの?

ぼくは答える

お金が必要だから

木が問いかける

なぜ必要なの?

ぼくは答える

生きるため

 

木は黙った

あたりはしんとしている

木が問いかける

なぜ私なの?

ぼくは答える

そういう運命なんだよ

木が問いかける

あなたも切られるの?

ぼくは答える

ぼくは切られない

木が問いかける

なぜ?

 

僕は黙った

あたりはしんとしている

木が問いかける

あなたも地球の子でしょ?

僕は木を切り倒した

木は涙を流している

ぼくも涙を流している

木が最後に言った言葉が頭に残る

そう みんな地球の子なのだ