-- phantasmagoria ライナーノーツ --




CDをお手に取って頂いた皆さま、ありがとうございました
ここではCDや曲についての解説というか
自分の中での設定などを書いていきたいと思いますが
同時に、イメージを押し付けるものとなってしまうかと思いますので
そんな説明なんか要らない、という方は見ない方がよろしいかと

CDを聴いて頂いた方は分かると思いますが
原曲の持っているイメージとはかなり掛け離れた曲が多いです
別に原曲をないがしろにしたい訳ではなくて
今回のCDでは、自分の中にある
「幻想郷ではこんなシーンがある(あった)だろう」
というのを曲にした関係で、上記のような曲が多くなっています

特に、「割と日常な幻想郷」というか
まったりした日々を過ごす彼女らの世界を考えると
必然的にゆったりした曲調を重視したくなったり
元々自分が音楽で表現したいものも、そちらの側面が合っていましたしね
そのような感じで、原曲とは表現している場面が違うので
曲調が多少異なるのは仕方ないかと思っています
その辺はご容赦を



では、各曲の解説など



01. 負いしかぎろい 胸焦がし

個人的に妹紅のイメージ曲

輝夜との一件は、某txtでは随分と楽しんでいるということだけど
不死人となって間もない頃に持っていた感情としては
きっと憎しみとか悲しみの方が強かったと思うんだよなぁ
少なくとも普通の人間なら、一度は気が狂うくらいにはなると思う
一度狂った後は、なんとなく落ち着いてしまったりするものですが

あ、書き忘れてましたが、妹紅が大好きなんで(笑
このCDも半分は妹紅CDみたいなものです

「かぎろい」は「炎」もしくは「陽炎」
自らの力でその身を焼くことはできないかもしれないが
その胸中は常に焼き尽くされていたのではないだろうか





02. 花たてまつれ 忘我の蝶

すっかり忘れた生前の事だけれども
もしも思い出してしまったら
そこで今の幽々子は終わってしまうのだろうか
忘れているものを思い出さないように
桜の花を見やり、真実を紛らわす


タイトルから分かるかと思いますが、幽々子のイメージ

妖しさと、ちょっと切ない感じを出したかったのと
こういう曲調をやってみたかったのと
コーラスの言葉自体に意味はありませんが
様々な心情が混ざり合う感じが
声の重なり合いで表現できているかと思います
よく分からない要求に応えてくださった霜月はるかさんに感謝
自分はなにげにリコーダーで頑張ってたりします(笑

タイトルにある「花」
古典の場合で花というと、一般的には桜の花を指します
これももちろんそのつもりでもあるし
西行法師のあの歌にちなんでタイトルをつけてみました





03. 天行く月を 網に刺し

紫・藍・橙の3人が静かにお月見をしている
というのがこの曲のイメージ

場所はどこかの湖の畔
聞こえてくるのは、風が生み出す音と虫の声だけ
たまにはゆっくりのんびり、と月を眺めていた3人ですが
しばらくすると橙がどこかから大きい網を持ってきて
水面に映った満月を必死に捕まえようとします
それを微笑ましく見守る紫と藍
そんな風景が頭に浮かんだので、こういう曲名になりました
でも曲自体は終始静かな夜の様子を表現してます

タイトルは柿本人麻呂の句の一部で
今回のイメージと本来の意味は少し違うようなのですが
とても好きな言葉だったので使わせて頂きました

ついつい色んな事に追い立てられてしまいがちな世の中ですが
幻想郷のように余裕のある落ち着いた時間の中で
こんなふうに風流に月を眺めることが出来たら……
そんな自分の想いも込めてみました

  解説 : りょう





04. 徒然ふたり 常つ郷

霊夢と魔理沙のやりとりの一片
誰が何をしてどうなったかについてはご想像におまかせ

一緒に悪だくみをして盛り上がったり
ちょっと切なくなるようなシーンがあったり
でもやっぱり最後はドタバタ、と

個人的に、幻想郷って
霊夢と魔理沙がいるから成り立ってると思ってるんで
紅魔郷での自キャラがこのふたりだったからかもしれないけど
表ジャケがこの二人なのも、そういった意味からです
で、この二人なら不敵に微笑んでるのがお似合いかな、と





05. 詠み人しらず 彼方の音

interlude 的な意味合いの曲

最初は、「詠み人知らず 東音」というタイトルで考えてました
短歌にある「東歌」にちなんで「東音」、という感じで
が、できあがった曲はどう考えても西洋な感じなので
遙か異国の曲、というような感じで今のタイトルに

曲としては即興のような感じ
これについては特に深くは考えていません
あぁ、そういえばなんとなくバイオリンのメロディが
シンデレラケージに聞こえる部分もありますね





06. 夜魔見し空も さよふけて

夜も更けたというのに、縁側に座ってひとり酒
そういえば、夜にしか動かないあの妖怪が
ふらふらと飛んでいくのを見たけれど
今日はどこで何をしているのやら
眠れない夜にこそ、付き合ってくれればいいのに


そんな夜のお話
自分のアレンジとシーンとを照らし合わせて考えると
こういった夜の話が良く出てくる
まぁ好きというか得意というか、自分色というか

原曲の「妖魔夜行」は、初めて東方をプレイしたとき
いきなりクリティカルヒットを喰らわせてくれました
スペルカードというシステムと、音楽によるドラマティックな演出
一気に心を奪われましたね





07. 想い巡らし 月仰ぎ

月を見上げて馳せる想いは
はるかな昔の故郷への郷愁か
憎むべき相手への憎悪の情か
それとも、ただただ美しいと思えるか

夏の月は、遮る物無く煌々と天に輝きを放つ姿が美しく
冬の月は、雲居に隠れて優しく地上を照らす姿が美しい
普段は美しいと思える月も、赤い満月などは禍々しくも見える
様々な表情を見せる月に対して、様々な想いがある


裏ジャケは、このイメージの一片
月を見上げる妹紅は、何を思うか

このCDの中では一番原曲の形が残ったアレンジになるかな
別にそこまで壮大なアレンジにするつもりはなかったのだけれど
結構スケールが大きいような曲になってしまいました
まぁ、遠くにあるという点を意識したのですが
月には手が届かないですからね
届きそうな距離なのに届かないからいろいろと惑わされる





08. あかねさす日の 暮れゆく道に

神社に帰る夕暮れの道で、彼女は言った
「あぁ、今日も平和だわ」
いつまでも続いていく幻想郷は
もちろん今日も何事もなく過ぎていく


東方の世界観で何が良かったかというと
幻想郷の人間や妖怪たちって、基本的に急いでないっていうか
慌ただしい現実世界に生きている自分を考えて
幻想郷に生きる彼女たちの考え方を見ていたら
なんとなくうらやましくなってしまった
元々はシューティングをやる人間としてハマったわけだけど
そういう部分を考えていたら、もっとハマってしまいましたとさ

だから、こういったのびのびしてるような、まったりしてるような
どこまでも続いていくようなアレンジを主に作りたかった

タイトルは万葉集のとある歌を参考にしつつ、少し変えてます
きっとこの使い方は間違っているとは思うけど気にしない方向で





●others


-- CD制作にあたって --

当初は、3曲ほどをネット上に公開するような形で考えてたりもしたのだけど
やっぱり作品として作ってみたいなぁ、と思ってしまい
ジャケットのイラストをどうしようかと考えて
とても自分好みのイラストを描かれる雪汰郎さんにお願いしてみたら
快くOKをもらえてしまって舞い踊ってしまったり
上がってきたイラストを見て、マジで頼んで良かったと思いました
雪汰郎さん、本当にありがとうございました

作品を作るなら、やはり統一感が欲しい
曲調については、いろいろとやってみたいという思いもあって
ちょっとバラついてたりもしますが……
これはこれで、自分なりに考えた幻想郷のひとつの側面として
この作品を楽しんで頂けたらなぁ、と思ってます




-- CDタイトルと曲名 --

CDタイトルの"phantasmagoria"は「移り変わる幻影」というような意味ですが
「走馬燈」という意味を主体に考えてます
幻想郷の様々なシーンを集めたもの、ということで
「幻想のシーンの連鎖」→「走馬燈」というような

曲名は、お分かりかと思いますが
最後を除いて「7・5」の韻になるように統一しています
最後が「7・7」で、「走馬燈」という言葉を最初に置くと
「5・7・5・7〜〜〜5・7・7」というわけで
長歌のような韻で読めるようにしました
本当は、全ての意味を繋げてちゃんとした長歌にしたかったのですが
流石にそこまで考えれる頭はありませんでした_| ̄|○
まぁ、だからなんだというわけでもないのですが

あと、インレイ内側の和歌については深く突っ込まないでください(笑




-- おわりに --

長くなりましたが、少しでもこのCDの世界が広がったら嬉しいです
最後に改めまして
お手に取って頂いた皆さま、本当にありがとうございました


汐凪くじら 拝