この病気は、多くの場合、病変の特定が難しいため空気の通り道(気道)の炎症であるという説明の仕方をします。ヒトの、「風邪」のようなモノであると考えていただいてもよいでしょう。 特定部位の病変、病原体による感染症であることが分かれば、鼻炎、肺炎、気嚢炎、アスペルギルス症、結核のように正式な診断名が新たにつけられます。 おおむね、一時的〜慢性の鼻炎症状に始まり、くしゃみ、鼻血、喀血、嘔吐、流涙、食欲不振、膨羽、傾眠傾向、体重減少、下痢、呼吸困難(死亡)など、様々な症状を呈します。 飼育環境の問題 この病気で特に目立つ症状は、鼻炎症状です。 くしゃみの原因となるのは、患者の脂粉(パウダー)・羽毛、室内のチリ・ホコリ、タバコや化粧品、ヘアスプレーなどの臭い、新しい家具、カビ、花粉など、その個体のいる生活環境のありとあらゆるモノに反応していく傾向があります。 無論、感染症(ウイルス、真菌など)に関しては、特異的な診断(多くは遺伝子検査)が可能ですので、検査後、病原陽性であれば、それぞれに対応した適切な治療を行っていきます。 おそらく、「気道炎」と診断した場合、ほとんどのケースでは原因の特定は難しく、換気や清掃の励行、疑わしい臭いの元をトリさんから遠ざけるといった消極策(かなりな重労働)を行う意外に、予防的な処置はありません。 可能であれば、トリさん自身を頻繁に水浴びさせる、屋外で飛ばすといった方法によって、状況の改善があるかもしれません。 治療(私の考え) 気道炎(多くは、くしゃみをするトリさん)と診断された患者は、初めの頃は治療に反応し、軽快する事も多いようです。 ただし、思い出したように再発を繰り返し、数年〜せいぜい10年保たないで、体内に液体を蓄えて呼吸がままならなくなり死亡します。 (一時的な場合、問題が改善されて「それっきり」になるケースは、もちろんある) 症状の出方を見ていると、この状態は、ヒトでいう「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」という病気と似ていることがあります。 本来のアスペルギルス症(体内にカビが繁殖する)のと違い、この異常はアレルギー反応によるモノで、カビの胞子によって鼻炎症状が引き起こされます。 当然、抗真菌薬による治療は、あまり役に立ちません。 ステロイド剤(免疫抑制剤)が、奏功します。 しかし、アレルギー体質の持ち主は、次第にありとあらゆるモノに対して症状が出るようになり、収拾がつかなくなっていきます。 鳥類の場合、ステロイド剤の使用(免疫力を低下させる)は、菌交代現象によってアスペルギルス症などを作ってしまうので、コレを避け、抗生剤や抗真菌薬の内服によって様子を観るだけの場合が殆どになります。 症状の強い場合、短期間であれば、抗生剤や抗真菌薬の噴霧療法を行います。 ステロイドに変わるモノとして、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の使用が考えられますが、当院では使っておりません(効果が見込めない?)。 代わりに、ネコ用ないしウシ用のインターフェロン製剤を使用する場合があります。 この薬は、免疫増強因子ないしは免疫調整因子として働き、非特異的な感染抵抗性の増大、アレルギー性皮膚炎の改善、一部の胸水および腹水貯留性疾患の改善を行います(全てイヌ・ネコの話)。 一部で、鳥類のウイルス性疾患に使用されており、このようなケースでも効果を発揮することが期待されます。 この薬剤は高価なので、使用には注意が必要です。 (究極の選択肢は、引っ越しです) |