術前検査

「今どき○○あたりでは、たとえ不妊手術(避妊・去勢手術のこと)であっても、どこの動物病院でも血液検査無しで麻酔を入れることは考えられない!」・・・そうです。
あえて地名は伏せておきますが、別に全国的に珍しい話ではありません。
このことは、ある講習会の折、有名な獣医師の先生がおっしゃっていたことなのですが、「はて、どうしたものか?」と考えてしまいました。
こうしたことが必要とされる理由・・・
  • 手術を無事に終わらせるために、あらかじめ患者の様子を確認しておく必要がある(「死にました」では済まない)。
  • なにか不測の事態が発生した場合、自身に過失が無い事を証明する(訴訟のための)証拠になる。
つまり、こうした行為は患者さんのため(の事もある)というよりは、動物病院側の自衛手段なのですが、「検査させてくれないなら手術してあげない!」という事を飼い主さんに対して主張しないといけない時代になりつつあるようです。
血液検査にとどまらず、病院さんによっては胸部レントゲン、心電検査等を行うケースもあります。
本当に病気で、手術のために必要だから・・・ではなく、どう見ても健康で元気そうな子達に、です。
(時々、本当に先天性疾患などの異常を見つける事があります)
こうした検査は、やればやるほどキリが無く、しかも、露骨に手術料金に跳ね返ってきます。
実際に行えば、医療の質が否応なしに向上するのも確かでしょう。
しかし、本来、外観健康そうな(よほどの高齢、若齢でない)患者さんに麻酔のための検査は要らないのです。

とりあえず、基本的な術前検査として、血球検査、生化学検査13項目を行った場合の料金について記載してみました。
イヌさんの場合、これにフィラリア抗体検査(既にその年の検査を行って予防薬を飲んでいる場合、生後7ヵ月齢未満では不要)が必要になります。
他に、胸部レントゲン検査等を行うという話がありますが、とりあえず、そうした検査料金は含んでおりません。
悪い言い方ですが、「飼い主を信用できんくなったら」手術料金ごと跳ね上げて、「術前検査を(徹底的に)していない手術は無い」状態にします。
でも、こういう事を言わなければならないという事は、やっぱり残念な事なのではないでしょうか?

引用を一つ。
「医師の受けさせる術前検査の80%近くは不要である」
(『知らないと危ない麻酔の話』フランク・スウィーニー著 講談社+α新書より)
この本の著者は米国の(ヒトの)麻酔科専門医で、この国では、こうした検査はむしろ減りつつあり、行っても保険の適用にはならなくなってきているようです。

主な検査項目
ALT(以前のGPT)肝酵素値;肝障害時上昇
BUN血中尿素窒素;脱水、腎不全時上昇
GLU血糖値;糖尿病、栄養不良
TP総蛋白量;出血、栄養不良、脱水
CBC完全血球計算;貧血、白血球数、血小板数などについて

実際にサインしていただく手術依頼書(プラウザの「戻る」を使ってください)を御覧いただくと、13項目の内訳が判ります。

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