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冬の風物詩
冷え込みが厳しくなり、霜が降りる頃、寒暖の差の激しい季節になると、膀胱炎(血尿)で来院される猫さんが増えます。実際のトラブルを起こしていることが多いのは、膀胱とソレより下の尿路、猫下部尿路疾患などと呼んだりします。 この場所でのトラブルは、いくつかの名前で呼ばれています。 その内容は、いわゆる「膀胱結石」のようなモノであると考えて下さい。 猫さんの場合、人間や犬で見かけるような巨大な結石が成長することはマレで、多くは顕微鏡で結晶が確認される小さなサイズで終わってしまいます。このため、昔は「尿砂症」などという用語が使われていました。 つまり、この病気は、猫さんの膀胱から尿道にかけて砂が出来る病気です。 問題が起きるのは、特に冬。 寒さのため猫さんたちがおしっこを我慢し、飲水量が減ってくる時期になると尿中に結晶が出現し、尿路が荒れ、血尿が始まります。 男の子は注意!! この病気の場合、雄でも雌でも等しく砂が出来るのですが、女の子の場合は、よほど慢性的な膀胱炎にならない限り、死に至ることはありません(太くて短い、詰まりにくい排尿路)。 問題は男の子です。 雄猫の尿道は、雌猫のそれに比べて長く、特に先端(つまりおちんちん)に行くほど細くなり、尿中の砂が詰まりやすい構造をしています。 血尿、頻尿を呈していても、尿が出ている限りは雌猫と同様、膀胱炎の治療と食餌療法を行いますが、もしも、万一、おしっこが出なくなった場合は、さあ、大変です。 尿閉と呼ばれる完全に尿が出なくなった状態の場合、急性腎不全による尿毒症が起こり、嘔吐、ケイレン、不整脈の出現などで、アッと言う間に死亡します。 早い子で24時間程度、頑張る子で3日くらいが限界です(死にます)。 家庭での見分け方は、トイレに行く回数が増えた(頻尿)、トイレの上で長いこと、5分でも10分でもしゃがみうめき声を上げるようになる(尿閉)、食べずに吐く、体がふるえる(尿毒症)、という経過をたどると思うので、よく観察してみてください。 治療は可能、でも原因は不明
この病気の治療は、まず膀胱炎を治療するための抗生剤や止血剤の投与を行い、次に尿中の結晶を溶かしたり発生しにくくするための療法食を与えることで管理されます。最終的には、食事療法だけで維持することが出来ますが、どうしても療法食を食べてくれなかったり、再発が多い場合は、手術によって尿道を広げてしまいます(外観は女の子のようになります)。 もしも、おしっこが出なくなれば(尿閉時)、尿道カテーテルを使って尿路を確保します。 体の中に貯まった尿毒素が抜ければそれで助かりますが、時間が経過していると毒素が抜ける前に心臓が止まってしまいます。 尿中に結晶が生じる理由については未だ不明(年齢、系統、食生活など)とされていますが、治療を受ければ猫さんたちは十分に快適に暮らしていけます。 太った子に多いこと、温度変化の激しい家屋(古い家)、密飼いの問題も指摘されていますので、保温に気を付け、ケージ内での個別飼育(危険な季節限定)を行うのも予防策の一つといえます。 食餌療法が一生続くケースが多く、保温と安静が守れている場合に限り、普通の食餌を与えることが出来ます(太っちゃダメ)。 是非とも年間を通じた適正な管理を行ってあげてください。 絶対に様子をみてちゃダメ!
「どうも、おしっこが出てないようだけど・・・」といって、様子を観ていてはいけません。この病気は、いったん尿が出なくなると、急性の経過をたどります。 完全に尿が出なくなって3日目くらいに連れてこられた場合、猫さんは本当に生死の境をさまようことになります。 入院の準備を始めている間に、飼い主さんの目の前で呼吸が止まったりするのも、このような場合です。 この病気は早期の発見(詰まった日!)と迅速な処置があれば、決して死ぬことはありません。 最初はただの膀胱炎の処置程度で済みます。 くれぐれも、早めに連れてきてあげてください。 |