山行記録

【平成5年4月22日/月山から肘折温泉】

 


【山行メンバー】 野GPご夫妻、月峰(K氏、O氏)、チェビオーナー、平倉山荘サトウ

【天候】      晴れ時々小雨

【個人装備】   スキー用具(シール)、雨具、防寒着、テルモス、帽子(メッシュとフリース)、手袋(軍手・ウール・黒ナイロン)、ヘッドランプ、予備電池、すぱっつ、オーバーグローブ、サングラス、地図(1/5万月山)、コンパス、カメラ(コニカビックミニ)、ナイフ、アプローチよう靴、タオル、バンダナ、下着(予備)、靴下(予備)、救急用具、補助ザイル、スリング、カラビナ、食料(5食分)

【共同装備】   ツェルト、補助ロープ、スコップ、トランシーバー、医薬品、コンロ、コッヘル、修理道具一式。

【コース】     上山(自家用車)山形(タクシー)姥沢(徒歩)肘折(タクシー)新庄(JR)山形(自家用車)上山

【参考資料】   「東北山スキー100コース・滑走記とデータ」奥田博・伊藤繁共著、山と渓谷社出版

【経費】      タクシー代(山形〜姥沢・ジャンボタクシー)21000円、(肘折〜新庄・普通3人乗車)7600円、夕食代(新庄駅前)1450円、JR(急行津軽)1810円、ビール代360円、駐車代(山形駅)3000円。

【コースタイム】4:20上山駅前。5:00山形駅をジャンボタクシーで出発、野GPさんの自家用車を駐車場に置く。6:15姥沢アネックスつたや前に到着、スキー歩行の準備をする。6:30歩行開始。7:15リフト上駅に到着後朝食、朝日連峰を見る。7:45上駅出発。途中20分間の休憩を入れる。9:30月山山頂到着。山頂直下は、雪が硬く凍っていた。霧が深くなる、30分ほどで視界が開け先に進むことを決定。9:50スキー滑走開始。大雪城で思い思いのシュプールを描く。10:50立谷沢川まで下る、ここでスキーを脱ぐ。約1時間のスキー滑走。沢を渡り対岸の急な登りにかかる。11:30急な登りの途中で昼食。12:05出発。急な登りの後には平地を進む。小休止(15分間)2回。14:25小岳山頂着。14:35小岳出発、ここからはスキー滑走とシール歩行、つぼ足のミックス。赤砂山付近でルートファインディング。小休止(15分間)2回。17:25大森山山頂着。17:40出発。18:45肘折付近に到着。スキーを脱ぎ、車道をヘッデンを灯しながら歩く。車道歩行中小休止(15分間)2回。19:15パス停留所に到着。共同風呂に入浴。20:10タクシーにて肘折出発。20:45新庄駅到着。駅前の食堂で夕食。22:38急行津軽乗車。23:44山形駅到着後、野口さんの自家用車で上山へ。0:30自宅到着。

【所要時間】姥沢(約3時間、朝食・休憩含む)月山山頂(1時間)立谷沢川(3時間30分、昼食・休憩含む)小岳山頂(2時間、休憩含む)大森山(1時間20分)車道・スキー脱ぐ(30分、車道歩行)肘折温泉。  全徒歩所要時間、約12時間。

【山行感想】

 月山山頂東側の大雪城は、スキー滑走の価値は十分にある。素晴らしい斜面である。しかし、この約1時間ほどのスキー滑走の後はほとんどが移動中心のツアーとなる。スキーでの林や尾根沿いの移動やシール歩行またはスキーをザックに括り付けての登行など、登りと下りの連続となる。また、立谷沢川までの下降もスキー滑走が可能であるがかなりの急斜面となる。沢からのスキーを担いでの登りはかなり急な雪の斜面をキックスッテプにて約30分のきついアルバイトとなる。この立谷沢川を抜けることがこのツアーコースのキーポイントのようである。その後は念仏が原に出て行くがここにある非難小屋で1泊し2日間の計画を立てれば、ゆっくりしたペースでのツアーができるであろう。
 念仏が原から小岳までは、天候にも恵まれた為快適な登りであった。また小岳からの月山東側の眺めはその全景が眺望でき素晴らしいものであった。小岳から沢沿いを滑っていったが、この辺りでの楽しめる滑走が得られた。しかし、通常ならば尾根通しのコースを通って方が良いようであった。大森山へ続く尾根に入るまでは少し緊張した。間違って手前の沢に入ってしまえばザイルを出さなければいけないだろう。また、立谷沢川への下降ラインには雪崩れた跡があり、ここの通過にも雪崩れへの注意を払う必要があるようだ。
 大森山山頂に到着すれば、このツアーも終盤である。大森山への登行も、体力的にみるときついものがある。ツアー後半の疲労が出てくるところである。大森山山頂からは肘折の町も見えてくる。やっとここまで辿りついたと先が見えた感じがする。ここからは林道の歩きとなる。長い歩きであった。ひたすら歩き続けたという感じであった。町の明かりが見える頃には、ヘッドランプを灯して歩いていた。
 小岳から大森山までは特に長く感じれ、はたして今日中に肘折に着くことが出来るのであろうかと思えてしまえた。大森山への登りにかかると、ツアーにも目処がつきその気持ちも名残惜しい気持ちへと変わっていった。経験豊かな野GPさんが言うには、このコースを日帰りでこなせれば他のコースには十分に対応できるだろうとのことであった。このコースは2日間の計画が普通のようだ。今回のように日帰りの計画では、途中で何かあればまずビバークしなければならないだろうし、当然計画とは違ってくる。もし、赤砂山付近に付けられていたスキーの跡(たぶん1週間前に、このコースにツアーに来ていたテレマークのTKさん達のスキーの跡)が残っていなかれば、高森山では真っ暗になっていただろうし、ビバークの可能性のあっただろう。しかし、ツアーを無事に終え肘折で共同浴場に入れたことと、風呂上りに飲んだ缶ビールの味は格別のものであった。最後に、このコースは歩き中心のコースと思う。しかし、その中でも大雪城の滑走と小岳からの月山の眺望はその歩きを越えた価値があったような気がする。このような長いツアーに連れていったくれたメンバーの方に、感謝。感謝。

【反省と注意点】

  1. 今回のコースでは、歩き中心とあってテレマークの用具が威力を発揮した。しかし、大雪城では山スキーでの滑走のほうが私には楽しめたであろう。
  2. 悪天候時は、月山山頂からの滑走は千本松山の尾根筋が良いようだ。
  3. 立谷沢川を越えるときは、その年の積雪量により渡渉点が変わるので注意が必要。夏道の橋があるのでその利用も考えるべきである。
  4. 小岳からの滑り出しのとき、間違って北側の広い尾根に迷い込まないように注意。
  5. 赤砂山付近での大森山への尾根探しは慎重に。
  6. 大森山から肘折までの林道歩きは、積雪量によりスキー滑走量が違うので、事前に情報を集め歩行時間の所要時間を把握すると良い。
  7. 地図は、より詳しい1/2.5万のものをもって行くようにする。
  8. 行動食には、糖分補給の物と塩分補給のものが必要。エネルギーゼリーやカロリーメイトも重宝する。
  9. 水は2リットル必要であった。紅茶などに雪を入れ増やして飲めば、節水対策になる。
  10. スパッツは必要である。またシールは懐にしまいいつも乾燥を心がける。また、スキーはWAX管理をいつもしておくこと。

 

 


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