【Hope Manaslu 121@いろは坂】

山行記録 - 平倉山荘 -

2006年10月15日(Sun)

【蔵王連峰/中丸山コース(中丸山〜熊野岳/往復・珈琲タイム)】

【メンバー】 単独

【歩行距離】 約00km (カシミール3Dより)

【所要時間】 約00時間00分

【山】 中丸山(1526m)・熊野岳(1840.5m)

【地図:1/2.5万】 蔵王山

HOME / 2006記録 / What's New / 登山情報 /


【山行メモ】

今日の山行きは珈琲タイム付きのゆっくり登山。
この1ヶ月間、地区運動会や子供行事などで山に行けなかった。

1ヶ月も山から離れていると、体が重く感じられる。
今日は体慣らしのつもりで、のんびりと歩くことにした。
20年程前に購入したケロシンストーブ「Hope Manaslu 121」をザックに詰め込み
山の中で珈琲でも飲もう。

寝床から起きだしたのは目覚し時計が鳴ってから1時間後。
前夜の焼肉パーティーの疲れか、目覚めが悪い。

夜明け間近、山行き車SJ-30に火を入れる。
まったくシンプルな車だが
どんな所でも走ってくれるという変な安心感が、こいつにはある。

背負う32リットルのザックは、パンパンに膨れている。
今月上旬、日本アルプスでは降雪による遭難事故が発生した。
県内でも飯豊連峰では初冠雪があったようだ。
山は一気に冬到来である。
ラジウス・フリース・冬用手袋・毛糸帽子・ツェルトなど冬用装備を担ぐ。

夏の軽快登山のスタイルから、装備そして気持ちともに
冬用のものに切り替えをする時期である。
山での行動にも時間的余裕を持って歩きたい。

山にある『静寂の恵み』

熊野岳からの下山途中

いろは坂の看板が打ちつけられているブナの木の下に腰を下ろす。
ザックを下ろし、ストーブを予熱しポンピング、湯を沸かし珈琲を淹れる。
静寂の中、ブナの木々の間に、一人身を置く。

聞こえるのは、遠くエコーラインを走る車・バイクのエンジン音。
気になるほどの音ではない。
もうしばらく心を静め木々の音に耳を傾ける。

ふと一瞬、贅沢な時間(とき)の流れを感じる。
ブナ林を流れる山の「静寂の恵み」だ。

サワサワとブナが静かに葉音をあげる。
一人静か、しだいに心が落ち着いてくるのがわかる。
ブナ林には、人を包み込む包容力があるようだ。

このブナ林のどこかで、熊や獣たちも静かな営みを送っているのだろう。

つい行動タイムばかりを気にして歩いていたこの道に
このような魅力があったのか。

山の温かさ、ブナ林の懐の深さを感じたとき
それは、なんとも言えない安心感に変わった。

自然のもたらす恵みは
このような時間(とき)の流れにも染み出している。
ブナの木々に包まれた『静寂の恵み』を
いつの日までも大切に残したい。

昔から人々は山に分け入ってきた。
生活の糧のために炭を焼き、狩猟をした。
遊ぶために道を歩き、風景を写した。

そのとき、この山の『静寂の恵み』に触れるときがある。
身も心も山にどっぷりと浸かり、山を感じるときだ。

日々仕事に追われていると
人々は「静寂の恵み」に会いたくなり、山にやって来るのだろう。

私の山歩きのスタイルにも変化が出てきたようだ。

 

 


Copyright(C)2004 Hayato Sato. All Rights Reserved.