【蟻の戸渡りに向かうKita君@雁戸山】

山行記録 - 平倉山荘 -

2006年09月13日(Wed)

【蔵王連峰/北蔵王コース(笹谷峠〜山形コース〜北雁戸山〜南雁戸山/往復)】

【メンバー】 3名

【歩行距離】 約8.5km (カシミール3Dより)

【所要時間】 約04時間30分

【山】 雁戸山(1484.5m)・南雁戸山(1486m)

【地図:1/2.5万】 笹谷峠

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【山行メモ】

LODSの研修会ということで、3名で笹谷峠から南雁戸山まで往復してきた。

当初の計画では、参加者4名で北蔵王コースを縦走しようと考えていた。
刈田駐車場から入り、熊野岳、名号峰、八方平を経て
南雁戸山、北雁戸山を登り笹谷峠へと下るコース。

しかし、生憎の天候のため前日に予定を変更。
笹谷峠から雁戸山を往復する、距離の短いルートになった。

今回一緒に歩いた3名は、先日の救助訓練に参加したメンバー。
この北蔵王・雁戸山エリアは
地元宝沢出身のSatoTさんにとっては昔から親しんできた山域。
また、Kita君は高校山岳部時代の定番コースということ。
で、私はと言うと、久しぶりに登る笹谷峠からの雁戸山。
前回にこのルートを登ったのは、何年前になるのか?
確か、月峰山岳隊の先輩・鏡さんに連れられ熊野岳まで縦走した記憶がある。
それと、単独で残雪期に登ったとき、前山西面の登山道で
跳ね返ったブナの細枝に、股間をしたたか打ち付けられた記憶がある。

さて、5時30分に7-11で待ち合わせ、各自の車で登山口笹谷峠に向かう。
天候は曇り。夜明け前、自宅を出るときは、薄明の東空に
熊野岳ワシ岩のシルエットが投影されていたが・・・。
笹谷峠に向かう頃には、雁戸山山頂方面は暗雲の中。
天気予報では『曇り一時雨』。計画の変更は正解のようだ。

笹谷の峠道からテレビアンテナ塔近くまで砂利道を車で分け入る。
SJ-30の得意とするガタボコ道だ。
登山靴にスパッツをつけ、合羽は羽織らずに歩き始める。
Kita君だけは準備周到、合羽のズボンを着用。
彼は私たちのため、味噌汁一式(コンロ・コッフェル・水約3リットル・味噌汁の素)を
ザックに詰め込んで来てくれた。人一倍大きな荷を背負っている。

5時57分、登山口からは山形コースを登ってゆく。
単調な登り坂、そして展望のない樹林帯の道。
SatoTさんの北海道旅行の話を聞きながら登ってゆく。
6時21分、関沢分岐通過。

この1ヶ月、10日に1度のペースで山に行っていたので、体が軽く感じられる。
数輪のオヤマリンドウを足元に見ながら登ってゆくと、
樹林帯の登山道の道先が明るくなっている。
尾根道へと抜ける景色だ。
朝日連峰を歩いていると、このような光景が何度も現れる。
やっと樹林帯を抜けれるかと期待するが、
朝日の登山道はそう簡単には尾根道には出してくれない。

SatoTさんが「まもなく、笹谷山だ」と。
あの明るい道先は尾根道に続くのだ。
雁戸山の山すそは一定の斜度を保って広がっている。

明るい尾根道に出るが、濃霧のため展望は利かない。
6時53分、カケスガ峰への道を左に分ける。下山時に立ち寄ることにする。
前山の東面のトラバース道を歩く。以前、股間を打った道だ。
木の根が滑る。ビブラムソールの不得意とするところだ。

7時14分、新山から登ってくる登山道と合流する。
トーメンの高度計が1400mを指す。
ここで一本。これまで休憩なしで登ってきたので、速いペースで到着。
SatoTさんは「こんなに速く登ってきたのは、私の新記録だ」と。
SatoTさんは数日前には朝日・以東岳に登っている。体が山用になっているようだ。

霧雨の粒が大きくなってきた。ザックにカバーをつける。
ここからは、『蟻の戸渡り』といわれる岩稜の道になる。
緊張する道を迎えるが、濃霧で行く先が見えないため、先への不安がない。
しかし、晴れていれば雁戸山山頂の眺めが高度感いっぱいに感じられるはずだ。

左右を急峻に尖らせた岩稜の道とはいえ、低木が密集しているので怖くはない。
右手足下には蔵王ダムが見下ろせるのだろうが・・・。
岩稜を過ぎるとロープ設置されたガレ場の道になる。
斜度が急なので足元がずれる。こういう道は慣れていないと降るのに時間のかかる道だ。

7時40分、雁戸山山頂到着。
濃霧の山頂である。残念。
霧雨は小雨に変わる。雨合羽を上下とも羽織る。ここまで約1時間40分。
登山地図のコースタイムと比べると、確かに速い。
展望がないので、ただただ登ってきたからだ。今日の天気では歩くだけの登山となる。
約10分の休憩の後、南雁戸山に向かって歩き始める。

双耳峰の雁戸山は標高差100mの鞍部をはさみ、雁戸山と南雁戸山にわかれる。
鞍部に向かって降り込む前に、左手から笹雁新道が合流する。
2年前の2004年11月23日に、この道から雁戸山山頂を踏んだ。雪の少ない初冬だった。

鞍部は風の通り道。
低気圧が西日本の太平洋側を通過しているため東よりの風が強い。
ミヤマキタアザミの花が茶色に枯れている。
南蔵王不忘山手前のアイハギの峰周辺の植生に似ている。

最低鞍部から南雁戸山に向かって登り始める。
岩稜を進む。2年前の記憶を辿り、霧の中を進む。
8時20分、南雁戸山到着。
晴れていれば、当初予定コースの縦走路を一望できるのだろう。

8時30分、笹谷峠に向けて引き返す。
9時04分、雁戸山通過。
9時24分、新山分岐通過。
10時10分、関沢分岐通過。
10時33分、登山口到着。

笹谷山手前でカケスガ峰方向に立ち寄る。
日大山高山岳部員の慰霊碑に手を合わせる。
碑の主は、Kita君の弟が在籍中の後輩の方と言うことで
Kita君はお賽銭をあげて、冥福を祈っていた。

笹谷山からの単調な樹林帯の下り道は、結構長く感じれる道であった。

 

 

フラッシュ撮影のため、周辺が暗く写っているが
日の出後の出発。
関沢分岐。 樹林帯から尾根道へ抜ける景色
前山東面のトラバース道で花を撮るKita君 新山コースとの合流点。濃霧に包まれる。 雲の切れ間を狙って。
イワインチンの黄色が鮮やかだ。 蟻の戸渡りに向かうKita君。 雁戸山山頂直前のガレ場。
雁戸山山頂 南雁戸山山頂

 


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