【マンサク・1101m地点手前の鞍部で】

山行記録 - 平倉山荘 -

2005年05月01日(Sun)

【蔵王連峰/芳刈沢上流周回】

【メンバー】 単独

【歩行距離】 約5.3km (カシミール3Dより)

【行動時間】 約4時間15分

【山】 0000山(0000m)・0000山(0000m)

【地図:1/2.5万】 蔵王山

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【山行メモ】

芳刈沢、ガラ沢、水無沢そしてカン沢
ライザスキー場の南側、エコーラインを挟んだ山域には
いくつかの沢が北から南に伸びている。

沢と沢の間は当然にして尾根である。
これらの尾根には点線がない。
そんな登山道のない尾根を、残雪期に登れたらと思うことがある。

周辺の地形を見てみたいと思い、坊平から1101m地点を目指す。

前夜、チェビオットのO/N氏に予定ルートを連絡しておく。

この時期、夜明けは早い。
4時30分には薄明るくなっている。

冬期閉鎖が解除されたエコーラインではあるが、
凍結のおそれがあるため
夕方17:00から翌朝8:00までは通行止めである。

SJ-30がエコーラインを快調に走る。高原ロッジ跡の駐車場に到着。

高原ロッジ跡の駐車場

長靴にストック1本。藪漕ぎがあるので古い雨合羽と軍手を身につける。
早朝の硬雪に備え、カンジキを持って歩き始める。5時15分。

駐車場から、ほぼ南に向かって斜面を下る。
芳刈林道までは斜度のゆるい箇所を狙って下って行く。
南向きのこの斜面には残雪はない。

中間まで下ると、落ち葉の間から水が流れ出している。
湧水なのかどうかははっきりしない。
水の流れは徐々に太くなりながら下って行く。

落ち葉の間から水が流れ出す

林道は雪も消え、地面が出ていた。
所々に残る雪に、車のタイヤ跡がついていた。

5時48分、芳刈橋に到着。立派な橋である。
高度計を875mにセット。

橋を渡ってすぐの尾根に取り付く。
尾根は芳刈沢に沿って東に伸びている。

芳刈林道 芳刈橋 この尾根を登ってゆく

尾根上の斜度はなだらかで
スキーをするのに快適な斜度と言ったところである。
樹林は適当に密でる。残雪は硬く歩きやすい。

天気は上々、目で地形が確認できる。
沢を挟んだ芳刈沢右岸には、杉の造林部分が見える。
携帯電話の中継アンテナであろうか、
それを起点に沢に向かって造林されている。

登る尾根は南方向にカーブを描いてゆく。
この辺りから芳刈沢左岸は、ブナ林となっている。

1000m付近の杉と残雪 中丸山 芳刈沢左岸のブナ林

尾根を登りつめると、1092m地点に着く。6時40分。
南側はガラ沢に向かって急な落ち込みになっている。
樹林が混んでいて、南側の展望は悪い。

地形図にはこの地点を東西に点線が通っている。
東側には等高線1本分の鞍部がある。

鞍部に下ってゆくと、進路右手(南側)に道跡が現れる。
点線の道である。
荒れてはいるが、割と幅が広く作業道路と言った感じである。

南側の眺め。1101m地点がやっと見える 道跡が現れる

水無沢に伸びる尾根上の1101m地点を目指す。
辺りの藪は濃く、点線の道跡は確認できない。
樹林の間から尾根を狙って下って行く。

はっきりとした尾根は、藪と点線道跡が交互する。
尾根は意外に細く、その幅1〜2mの箇所もある。
東側がカン沢、西側がガラ沢である。

カン沢支流の左岸には、白い土の斜面が見える。
本流は、その尾根のもうひとつ奥になる。

鞍部まで下る。藪が行く手を阻む。
鞍部から1101m地点までの尾根道には
残雪がついているのが見える。
そこまで行けば、歩きやすそうである。

鞍部から見る1101m地点 カン沢支流の白土の斜面 鞍部のブナ

行く手遠方に、番城山が見える。

藪を漕いでいると、急に心細くなる。
こんなマイナーな山域に、今いるのは自分だけであろう。
突然の木々のざわめきに、臆病になる。

目的地の1101m地点は、すぐ目の前であるが
気持ちが萎えいで、引き返したい気持ちになる。

足を止め気持ちを落ち着かせた後、歩を進める。
鞍部にはブナがある。ガラ沢側が特に急斜面である。

カン沢の奥には、冷水山から県境に沿って伸びる尾根
「大二階」・「小二階」が見える。
昨年春に滑り降りた尾根である。

鞍部から1101mへの登り

7時40分、1101m地点に到着。
想像していたとおり、周辺の地形が手にとるように一望できる。

カン沢と水無沢を分ける尾根が、
足元からS字を描いて伸びている。
水無沢の右岸の尾根には、986mのピークが見える。
残念ながら、その下方にある高森山は隠れて見えない。

1/2.5万の地形図の一部分が、実際にはこんなに広いのかと、
あらためて山の広さ、大きさを感じさせられる。

ガスコンロで湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
熊除けをかねて、ラジオの音を大きく鳴らす。
携帯から自宅に電話を入れる。

大二階・小二階の尾根に続き「トチ平」、
トチ平の下部は三角形に見える急斜面になっている。
水平に伸びるその尾根は、舟引山から舟引峠、二ツ森山そして番城山へと続く。

カン沢と水無沢を分ける尾根 コーヒータイム トチ平

歩いてきた尾根道を、石切場に向かって戻る。

石切場東側のなだらかな尾根に出る。
藪道から開放される。
まもなく石切場というところで、北に伸びる道跡を見つける。
この道跡辿って、スキー場方面に向かう。

石切場までのなだらかな斜面 北に伸びる道跡

点線跡は、1140m付近で一度、沢を横切る。8時45分。
続いて芳刈沢源頭を横切ると、ライザ駐車場に流れ込む堰に出る。
堰沿いには、ショウジョウバカマが咲いていた。

エコーラインの南側の樹林帯の中を下って行く。
タラの木は日当たりの良い箇所に自生している。
ツルウメモドキの実が、残雪に散らばっている。

芳刈源頭の沢を横切る 堰沿いのショウジョウバカマ タラの木

ウッディロッジ裏を堰に沿って下って行くと
SJ-30を駐車した高原ロッジ跡に到着する。9時30分。

駐車所から見る石切場

大型連休前半の今日
エコーラインは、観光の車が多く行き来していた。


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