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山行記録 - 平倉山荘 -

2005年04月20日(水)

【蔵王連峰/中丸山(蔵王ライン〜1070m・熊)】

【メンバー】 単独

【歩行距離】 約00km (カシミール3Dより)

【所要時間】 約2時間30分

【山】 

【地図:1/2.5万】 蔵王山

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【山行メモ】

蔵王ラインから中丸山の途中1070m付近まで元山道跡を辿ってきた。

今回の山行きの収穫は二つ。
まずは、熊と始めて出会うことができたこと。
そして、元山道跡の途中でパイプから出る水場を見つけたことである。

イベントPの入口にSJ-30を駐車する。午前6時30分に歩き始める。
昼前から雨の予報となっているので、濡れる前に戻ることにする。

前回までは、蔵王ラインを歩き鳥獣保護区の看板から山行ルートに入っていたが、
今回は、蔵王鉱山神社のある斜面を登って尾根に出て、820m鞍部を目指しことにする。

仙人沢と蔵王沢に挟まれたこの狭い尾根を登ってゆくと、まず820mのピークを越える。
6時52分、この地点で高度計をセットし、鞍部に向かって歩き始める。
その時である、
見下ろす鞍部を、黒い塊がドサッ、ドサッと駆けてゆく。
熊である。
山歩きをしていて、初めて熊を見た瞬間である。

熊のほうが、こちらの存在に早く気づいていたようである。
こちらに尻を向けて、仙人沢の方向に走り去っていく。

突然の出来事に、こちらは心臓がパクパク状態である。
その距離は10〜20mはあったのだが、思わず後ずさりをしてしまう。
熊は一度もこちらを振り向かず、沢のほうに走り去っていった。

これまでに、足跡や落し物を見たことがあるが、
山歩きの最中に熊と出会ったのは、今回が始めてである。

気持ちを落ち着かせ、鞍部に下ってゆく。
そこには、岩がゴロゴロしてあり、熊が隠れられそうな隙間がある。
さて、今日の山歩きをこのまま続けてゆこうか、不安になる。
この先もまた出くわすのはないだろうか?

何度も大声を出し、こちらの存在をを強調する。
これで、熊も離れてくれるだろう。

予定ルートの820m鞍部までは、もうひとつの尾根を越えることになるが
熊の逃げた方角から離れるために、
尾根から蔵王沢のほうに下り、元山の道跡に出ることにする。
尾根北側の道跡には、まだ雪が残っていた。

道跡を登ってゆくと、熊の足跡が残雪に残っていた。
爪の向きを見ると、山の上の方から下ってきている。
数日前のもののようで、周囲の雪は解けており
その大きさは、私の手のひらを広げたくらいであった。

先ほどの熊のものであろうか。ここ数日の間に行動していたのであろう。
その後も、大声を出しながら、元山の道跡を登ってゆく。

7時28分、標高910mの分岐を通過する。
ここからは、オリンピ調査跡を登る。
こちらのほうが、尾根を真っすぐに進むので歩きやすい。
黒松と休憩場の松を確認する。

蔵王ラインからこのエリアに入るのが、今日で3度目になる。
周囲の地形が、だいぶわかってきた。

元山の道跡は、中丸山の北斜面をトラバースしながら、蔵王沢の源頭まで伸びているという。
中丸山の山頂を目指すには、途中で道跡から外れ尾根を登ることになる。
その分岐点となる地点が標高1040m付近である。7時50分。

前回までは山頂方面を目指していたので、この地点から藪の尾根を登った。
今回は、元山の道跡を辿ってみることにする。
雪解けが進んだためか、道跡は以前にも増してはっきりしている。
北斜面を巻くように延びているのがわかる。

1040m分岐からまもなく、
広い沢を巻いて進む道跡の途中で、沢に向かって水が流れ出している。
はじめは雪解け水かと思って近づくと、その水はパイプから出ていた。
雪の下から出ているそのパイプの元が、湧き水かどうかはわからないが、
水場として利用しているもののように思える。後日、パト隊長に確認してみよう。

その後も、急な北斜面をトラバースしながら道跡は伸びているようである。
対岸の黒姫の山も、前回以上に高い位置から見ることが出来る。

ラジオから8時の時報が流れる。高度計は1070mを指している。
ここまでも、熊に警戒しながらずっと声を出して登ってきた。
道跡に残された熊の足跡も、1040m分岐まで確認することができた。

さた、この1070m地点で引き返すことにする。
道跡はこの先も伸びているのだろうが、積雪が多く不鮮明になっている。

下る前に、パト隊長に電話を入れ、熊を見たことを伝える。
「鉄砲ば持ってだら、熊ば撃づいがったべなぁー。」と隊長。
「こっちはびっくりして、ほだな余裕はないッス。
あっという間の出来事で、構える暇もないがったぁ。」と返す。
心臓パクパク状態で、確かにビデオカメラすら向ける暇もなかった。

さあ、引き返しは道跡から南側の尾根に向かって急斜面を登ってみる。
適当な平らな所まで登りトラバースをすると、ちょうど前回に登っていた尾根に出た。
この尾根は、顕著な尾根で仙人沢方面が急斜面になっていて、わかり易い。

途中、O/N氏に電話を入れて借りていた山道具を返しに、立ち寄ることを伝える。
尾根上の残雪には、1週間前の自分の足跡がうっすらと残っていた。

尾根を下るとオリンピ調査跡に合流する。
今日は、カンジキを持ってきたがザックに結わえたままで出番がない
ツボ足とストック1本で十分に行動できる。

8時33分に黒松を過ぎ、オリンピ調査跡は元山道跡に合流する。
油坂を下って行くと、820m鞍部となる。
鞍部上は雪解けが早く、笹薮の中を歩く。

まもなく、先ほど熊と出会った付近に近づく。
下りも声を出しながら、ずっと歩いてきたが、
そのボリュームを一段大きくし、蔵王ラインまで急いで下る。

8時52分、SJ-30に到着。
今回は、熊との出会い、そして水場の確認など、なかなか楽しい山歩きであった。


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