強風の中・1650m付近】

山行記録 - 平倉山荘 -

2005年04月17日(Sun)

【蔵王連峰/ライザスキー場〜馬の背】

【メンバー】 4名

【歩行距離】 約00km (カシミール3Dより)

【所要時間】 約00時間00分

【山】 

【地図:1/2.5万】 蔵王山

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【山行メモ】

今回の山行きは、LODS山スキー研修会(第3回)の山行きである。
参加者は研修部長のKzmiさん、H野さん、Eiziさんそして私の4名である。

当初、13日に予定していた研修会だが、悪天候のためにこの17日に変更となった。
ミラーマンさん(メットの中の独り言の管理人さん)も、参加する予定でいたが
都合がつかず不参加となってしまった。残念。
また、Eiziさんは夜勤明けと言うハードスケジュールのなかでの参加である。

さて、今回のルートはライザスキー場から熊野岳に登り、中丸山を越えて蔵王ラインまで滑走する周回コース。

6時30分に、Kzmiさんと蔵王ラインイベントP入口で待ち合わせる。
今回は、入山口と下山口が違うため車1台を蔵王ラインにデポするためである。

大の男ふたりが、私の山行き車SJ-30の小さなボディに乗り込みライザスキー場に向かう。

天候予報は、昨日から晴れマークが続いている。
前日に引き続き、今日も期待できそうではある。
しかし、最上地方には午後から雷をともなう雨の予報が出ており、気になる。

入山口の駐車場でH野さんとEiziさんと待ち合わせす。
Eiziさんは、LODS研修会に初参加である。
また、2年前に手に入れた山スキーも、今回が初使用との事。
出発前に、シールの長さを合わせる。

予定通り 7時25分に、歩き始める。
スキー場は、先週でシーズンの営業を終えている。
しかし、ゲレンデには十分な積雪が残っている。

準備をするKzmiさん ゲレンデを歩き始める 下山ルートの中丸山

ウサギコースを巻きカモシカゲレンデを登って行く。
8時08分、ペア2リフト上駅付近(標高1440m)で1本をつける。

冬期間は通行止めとなっていたエコーラインは、22日の開通のために除雪が終わっていた。
登山ルートの道標はエコーラインを横切って行くが、スキーを外すのが面倒なので、
右又沢寄りに道路を巻くように登ってゆく。

8時37分、御田ノ神通過。天気は快晴。目指す熊野岳が行く手に横たわる。

中丸山をバックに 行く手に横たわる熊野岳

進路南側に御田ノ神非難小屋を見ながら登ってゆくと、
まもなく阿部虎さんとクラークのレリーフがある。
馬の背への一般ルートは北斗観光リフト跡に沿って荒沢の南側を登るが、
今回は熊野岳方向に向かって、近道ルートをとる。

近道ルートは、右又沢と左又沢の間にある通称「中洲」という広い尾根を登る。
中洲に入るには、右又沢の源頭を一度横切ることになる。

源頭は、1520m付近で二つに分かれている。
まずは1520m出合から南東に伸びる沢に滑り込む。

最初にKzmiさんが偵察滑走。私達3人は、物見見物である。
無事に滑り込んだのを見届けてから、一人づつ下って行く。

滑り込んだ沢を一度出合まで戻り、今度は北東に伸びる沢を登ってゆく。
源頭の沢は徐々に浅くなってゆくので、適当なところで右岸の中洲の尾根に登る。
斜面の一部に雪庇が出来ており、ブロック状に崩れていた。

源頭に滑り込む 沢底を出合に向かって 中洲に登るH野さん

中洲の斜面を馬の背に向かって登ってゆく。
標高1700m付近まで登ってゆくと、これまでの晴天が徐々に崩れてきた。

馬の背に近づくと風が強まるのは、いつものことであるが
今日は歩き始めから、ずっと風が強かった。

登りながら気になっていた熊野岳山頂を覆う黒い雲が、高度を下げてきた。
私達のいる辺りまで霧が降りて来るのがわかる。
背後からの北西風も、ますます強くなる。

中洲を登るH野さんとEiziさん 中丸山をバックにKzmiさん 馬の背に近づき風が強まる

右手に見える南蔵王の峰々、そして予定ルートの中丸山が
いつのまにか雲の中である。
春山の青空が急転し荒れ出した。

Kzmiさんと相談し予定の変更を決める。
熊野岳と中丸山越えを中止し、御田ノ神非難小屋に引き返す。

この日、熊狩りで山に入っているKik地さんに携帯を入れるが上手く繋がらない。

シールを外している間も、風と霧はますます強くなってきた。
滑走してゆくルートも霧の中となる。念のためコンパスを合わせる。

強風の中、シールを外す

この辺りは強い北西風のため、冬の間も積雪は少ない。
この季節、ハイ松と残雪が迷路のようになっている。
北斗観光リフト跡まで滑走ラインがどのように繋がっているかはっきりしない。
天候は、刻一刻と悪くなってくる。

馬の背の道標まで登り雪のない尾根を歩いて下るには、時間がかかりすぎる。
捜索で何度となくこの辺りを歩いているKzmiさんのリードで、残雪を辿ってスキー滑走を始める。
9時40分。

Kzmiさんのルート選択に間違いはない。
1650m付近まで下って来ると雲の中から抜け出した。

1650m付近、風は強い 軽快に滑るH野さん。さすが正指導員。

北斗観光リフトの下駅跡、そして非難小屋が確認できる。
荒沢を越え道標に合流する。こうなるとスキーでの移動は早い。
エコーラインを横切るため、一度スキーを外す。

スキーを外し道路を横切る

10時過ぎ、非難小屋に到着。
小屋入口には残雪が残っている。東側窓から小屋に入る。
ここまで来れば一安心である。
時間は早いが、小屋でゆっくり昼食をとることにする。

御田ノ神非難小屋 小屋に入るEiziさんとH野さん

ストーブに火を入れる。
荒天は小屋の辺りまで下りて来たようで、強風に混じって雪が吹き付ける。
出発時の晴天からは想像がつかない変わりようである。

馬の背での判断は正しかった。
無理をして予定ルートを辿っていたら、嵐の中丸山稜線でどうなっていただろうか。

うまそーに、一服するKzmiさん ストーブに火を入れる

小屋でラーメンを作り、泡缶を開ける。
談笑していると、登山者が入ってきた。
なんと、徳さんである。知り合いの方と山スキーに来たとの事。

しばらくすると今度は、山KoSDの金Dさんがお仲間二人と入ってきた。
小屋の中は、ますます賑やかになり楽しいひと時を過ごす。

山の頼もしい先輩「徳さん」 山KoSDの金Dさん

約2時間くらい小屋で楽しんだだろうか。
12時過ぎに、ライザスキー場に向かって小屋を出る。
この時点でも、小屋周辺の天候は濃霧と強風である。
小屋の北側でエコーラインを越え、ライザスキー場に下る。

小屋を出発 ゲレンデに近づいても悪天候

ゲレンデを滑り駐車場まで下って来ると、天候も落ち着いてきた。
見下ろす上山の市街地は穏やかな様子である。

無事に到着。お疲れさん やっと辺りが明るくなる。

熊狩り隊のKik地さんに電話を入れると、
そちらも悪天候のために場所を替えて熊を追っているとの事。

帰りがけに、みんなでMountain Farmさんに立ち寄り、
今後のLODS研修会の打ち合わせをする。

オーナーのKi一さんに、ソフトをご馳走になり
黒姫〜牧場ルートのビデオを見せてもらう。

今回は、天候の急変で予定ルートを辿ることが出来なかったが、
馬の背での判断は正しかったようだ。

この日、月山では単独の山スキーヤーが遭難し、
翌日、山頂付近で発見されたものの帰らぬ人となってしまった。合掌。

月山山頂の標高は1984m、蔵王・熊野岳は1840.5mである。


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