【御田ノ神非難小屋】

山行記録 - 平倉山荘 -

2005年2月23日(Wed)

【蔵王連峰/ライザ〜御田ノ神非難小屋(暴風雪)】

【メンバー】 2名(LODS)

【歩行距離】 約00km (カシミール3Dより)

【所要時間】 約00時間00分

【地図:1/2.5万】 蔵王山

【ご覧ください】
今回お世話になったミラーマンさんのサイト『メットの中の独り言』に今回の山行記録がUPされています。

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【山行メモ】

暴風雪のなかの山歩きでした。
中心気圧996hPaの低気圧が
寒冷前線を伴い東日本を横断してゆきました。
北海道では、大雪
東日本では強風・風雪
西日本では春一番が吹きました。

蔵王連峰の標高1400m付近は
北西からな強烈な吹雪。
湿った吹雪は、サングラスの視界を失わせ
その風圧は息苦しさを感じるほどでした。

さて、この日の山行きは
LODS仲間のミラーマンさんを誘って
山スキーでライザから馬の背・熊野岳へ
天気がよければ黒姫ゲレンデまで
山越えをしようと計画を立てました。

前日からの予報から
好天が期待できそうもないので
計画を蔵王ライザスキーワールドのリフト最上部から
道標沿いに歩き、行けるところまでと変更しました。

パトロール詰め所に立ち寄り
計画を隊長とJun隊員に伝えます。
「こだな日に、山歩きすんのー。
無理せずに行って来いよ。」ということで
出発となります。

パト隊長そしてJun隊員もゲレンデ巡回のため
一緒に、ゲレンデ最上部に向かいます。
4人が乗車してきたライザペアUリフトも
私達を降ろすと、運休となりました。

ここで、パト隊長たちと別れ
私達は、吹雪を背にうけて道標を辿ります。
目的地を御田ノ神非難小屋までとし
無理せずに行こうという事になりました。

道標には、雪が付着し(エビの尻尾)
この天候の中では、約10m間隔の次の道標を
見つけるのも苦労します。

「このあたりが非難小屋かな?」と
ミラーマンさんに聞くと
「エコーラインをもうひとつ横切ってからでしょう。」と
吹雪の中、冷静な判断をしてくれます。

約40分の歩きで御田ノ神非難小屋に到着しました。
西側の庇に垂れ下がった雪は
1階窓下まで届いていました。
出入り口となる東側のサッシ窓の1cmほどの隙間から
小屋の中に雪が進入していました。

二人で中に入り、ストーブに火を点けます。
このような天候の日は
非難小屋の存在が本当にありがたいです。
パト隊に無線を飛ばしますが、繋がりません。
地形的に厳しいようです。

30分くらい休憩をとり下ることにします。
外に出ると、天候は先ほどより悪くなっています。
時間は午前9時。
後で知りますが、ちょうど低気圧が東北地方を
通過していた時間帯です。

ミラーマンさんはゴーグル。
そして私は、サングラス。
この違いが行動を大きく分けました。

最初の道標を確認し、スキー場方面(西方向)に向かって
進路をとると、まともに風上に向かっての進行となります。
私のサングラスの内と外側には、すぐに湿った雪が付着してしまい
使い物にならなくなったしまいました。

仕方なく、サングラスを外します。
裸眼ではまともに進行方向を向くことは出来ません。
ゴーグルをつけたミラーマンさんに聞くと
視界は得られると言うことで、先頭を変わってもらいます。

次の道標を探すのもやっとの状態です。
風圧も強く、呼吸をするのもやっとです。

よく、「10mのところで遭難する」という話を聞きますが
本当にその状況がわかります。

ミラーマンさんのリードで道標を辿りながら下ります。
ボーゲンで下を向きながら、とにかく真っ直ぐ下るだけです。

ゲレンデ上部にある無人のパトロール小屋に着きました。
さて、ここからがまた大変でした。

登山道には約10〜20m間隔に道標があるので
進行方向の目安になりましたが、この天候の中では
ゲレンデ内のほうが進路の目安になるものがありません。

とりあえず、ゲレンデ北側の樹林に沿って下ってゆきます。
ペアUリフト中段のリフトを確認します。まもなくリフト乗り場です。

吹雪と霧のため、自分が動いているのか滑っているのかもわかりません。
車酔いをしたように、気分が悪くなります。
わずかに細めてきた目も、痛くなってきました。

ペアUリフトの乗り場に着くと、MountainFarmのKOJI君が
中に入って休むように誘ってくれました。
睫毛も凍っているようで、リフト小屋の中に入っても目が霞みます。
KOJI君が、白菜とベーコンのスープを出してくれました。
うー、うまい。(^o^) ご馳走様です。

この天候では、リフト運行の再開は無理との事で
リフト係りの人達も下ることになったようです。
私たちも、一息ついたので出発です。

外の状況は変わりません。
パト詰め所まで真っ直ぐ下ろうと言うことで
青い鳥ゲレンデを下ることにします。
相変わらず、どこがゲレンデかわかりません。
今度はゲレンデの南側の樹林を辿って下ります。
途中、防護ネットを確認し、急斜面を下ってゆきます。
中央ゲレンデに出ても、なおされゲレンデ幅の広いところでは、
どこを滑っているのかわかりません。

やっとたどり着いたライザEXリフト乗り場では、
スキー教室に来ていた地元高校生がリフト乗車していました。
こんな日は、ゲレンデの中でも遭難(道迷い)しそうです。

とりあえず、無事にパト詰め所に到着です。
隊長はじめJun隊員には、本当に心配をかけてしまったようです。
こんな日に行動をしたこと自体を反省しなければなりません。

『山は逃げて行かない。』
山の先輩達によく言われる言葉です。
行動の判断。天候の見極め。
山に対しては、いつの時も、より慎重でなければと
あらためて考えさせられました。
また、ゴーグルの必要性を感じました。

最後に、ミラーマンさん。今回は本当にありがとうございました。
ゴーグルを持ったミラーマンさんがいなければ、あの天候の中
下って来れなかったでしょう。本当に、ありがとうございました。
感謝 m(__)m

 

ペアU降り場での
ミラーマンさん
標高1450mの看板 御田ノ神非難小屋での
ミラーマンさん


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