滝見場から石転び雪渓

山行記録

2004年9月8日(水)

【蔵王連峰/仙人沢左又沢・不動滝〜屏風滝】

【メンバー】 2名

【歩行距離】 約 km(カシミール3Dより)

【所要時間】 約時間分

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【山行メモ】

今回は、LODSの秋山研修会ということで、仙人沢・左又沢の遡行を計画していたのですが、メンバーの都合がつかず、結局、O/N氏と二人での山行きとなりました。前夜に台風18号が通過してゆくという気象状況の中、出発時間を遅らせて13:30分からの歩きはじめとなりました。

時間的に余裕もなく、二人とも初めての山域なので、当初予定の馬の背までの遡行は取りやめ、時間を見ながら行ける所までということでの出発となりました。

結局、ルートは不動滝の上部から仙人沢へ入渓し、その後『ツバメ滝』を越え右又沢への『出合』を通過、そして左又沢を遡行し『屏風滝』の下部までの往復となりました。

13:30、ライザスキー場ペアTリフト上駅の上部にある登山道入り口から、歩き始めます。仙人沢・不動滝上部への降り口は、登山道を仙人橋方面に下らず、東に向かって藪に入ってゆきます。しばらくすると小沢が現れますので、それを下ってゆきます。

ツバメ滝に14:00頃に到着しました。ここまでの区間は、中丸山登山コース『滝見場』から見下ろせる広い沢を辿っることになります。右岸は中丸山の山腹にかけて大きく崩れています。崩れ落ちた岩が沢まで迫っています。沢そのものの幅も広く、水に浸からずに歩くことができます。しかし、いつ頭上から石が転がってくるかわからないという注意が必要です。

さて、『ツバメ滝越え』です。二人ともここから先は、初めてとなります。私も、数年前に単独でこの滝を越えようとしましたが、出来ずに引き返しています。今回は先輩方から情報をもらってきました。滝は右岸を巻いて越える、そして越えた後の下降箇所が危険であるということです。

ツバメ滝は2段になっていました。本滝(約7m)の手前に、小滝(約3m)があります。辺りの状況を見て小滝も含めて巻くことにします。

O/N氏がトップとなり、小滝手前の右岸にあるガレ場を詰めてゆきます。ガレ場から藪の茂る急斜面に取り付きます。斜面は、小滝に向かってほぼ垂直に落ち込んでいます。大小の木が生えています。手足を使い木の根や小枝をつかんで、攀じ登ってゆきます。足元を覗くと緊張します。数箇所、木の間隔の広い箇所を慎重に通過します。

もっとも急な斜面のトラバースを終えた辺りに、錫杖草が出ていました。小滝と本滝の中間辺りまで巻いてゆくと、巻き道の斜度も多少緩やかになります。しかし、その地点から沢に下降するには、ロープなしでは無理なようです。

なおも、右岸の藪の中を巻いて行きツバメ滝の頭まで進みます。先輩方の情報では、この辺りから沢に下降することになるようです。確かに、下降可能な箇所はありますが、情報の通りに下降後にスリップしたら、ツバメ滝の滝壷まで真っ逆さまという危険箇所のようです。

辺りを見ると、沢は上流に向かって左にカーブしています。そのカーブの部分に尾根が下っています。二人で相談し、滝の頭への下降は止め、その尾根を利用し沢に降りることにしました。尾根までの巻きも、危険箇所はなく、14:35に尾根を利用し難なく沢に下りることが出来ました。結局、ツバメ滝の高巻きは、小滝と本体をまとめて巻くことになり、最初の小滝を巻く部分が特に険しい箇所でした。

右又沢との『出合』までは、約5分の距離です。出合箇所は想像していたより狭い合流です。冬季に、仙人沢でアイスクライミングをする人が増えましたが、ライザスキー場上部から北斜面を利用してこの辺りまで降りてくるようです。その北斜面は、辺りに比べ明らかに緩い傾斜になっています。クライミングエリアは、右又沢・糸滝周辺です。この地点で、時計は14:45です。15:00を最終地点として左又沢を登ることにします。

沢幅がまた広くなってきました。蔵王連峰では、昨年から登山者2名の行方がわかっていません。だいぶ捜索はしているのですが、手掛かりは掴めていません。仙人沢については、この区間の確認がまだ済んでいませんので、二人で辺りを注意しながら屏風滝を目指します。

上流、左岸の上部に岸壁が見えます。屏風滝は多分あの辺りのようです。時計は15:00になっていますが、岸壁の下まで進んでみると、屏風滝が見えて来ました。15:05、『屏風滝』到着。大きな滝です。落差10mはあると思います。今回はタイムオーバーなので、この地点から引き返しますが、次回のために、滝の高巻きの箇所を目で確認します。

15:15『屏風滝』から戻り始めます。足元の岩の中に、黒くて脆い岩があります。どことなく硫黄の匂いがします。この脆さを考えるとどこからか転がってきたとは思えません。噴出して固まったのでしょうか?

15:35、『出合』通過。

15:40、ツバメ滝を巻くための尾根に取り付きます。ツバメ滝本体と小滝との間の巻き道は、草付きになっていて手掛かりが少なく、すばやく通過します。小滝上部の急斜面のトラバースも、あまり早い時期から下って行くと行き詰まってしまいました。O/N氏のとったルートのように、十分に水平方向に移動してからガレ場に下りて行くようにします。15:55、危険箇所のツバメ滝を越えて滝の下部に降ります。

沢の途中、岩に渦巻き模様を見つけました。油で描いたような模様で表面だけの物ではないようです。

仙人沢からスキー場への登り口となる小沢を16:15分に登り始めます。登り口の岩に白ペンキで丸印が書いてありました。小沢から、スキー場の登山口までは炭焼き道を辿ります。来るときには確認できなかった炭焼き道も、帰りはずっと辿ることが出来ました。登山口方面からの入り口は岳カンバの鉈目が目印です。

16:45、無事にスキー場の登山口に到着。O/Nさん、お疲れ様でした。お陰で、前回越えられなかったツバメ滝を通過することが出来ました。

【Phot】

仙人沢 ツバメ滝 錫杖草
左又沢 屏風滝 硫黄の匂いが・・
右又沢との出合 岩に模様が・・ 仙人沢からの登り口 炭焼き道

 


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