2004年3月28日(日)
【蔵王連峰/ライザ〜熊野岳〜中丸山〜仙人橋〜ライザ】
熊野岳『ワシ岩』をバックに |
【メンバー】 3名 【歩行距離】 7.3約km(カシミール3Dより) 【所要時間】 4時間50分 【通過時間】 HOME / 2004記録 / What's New / 登山情報 / |
【山行メモ】 アウトドアスクールの先輩KZMIさんとスキースクール常勤H野さん、そして私の3名で山スキーの研修会と称して、ライザから「馬の背」を経由し熊野岳の西側を巻き、中丸山から仙人橋を渡ってライザへ戻るスキーツアー『中丸山越え』に行ってきました。 今回のツアーは、1ヶ月前から計画を立てていましたが、他の仲間は忙しく3人だけのツアーとなってしまいました。私は、早朝の子供会行事を途中で切り上げて、SJ30を飛ばしライザへ向かいました。パトロール詰所では、すでにKZMIさんとH野さんが準備をしていました。日本列島は、前日から高気圧にすっぽり覆われ、蔵王上空には青空が広がっています。9時15分、パトロール隊員に見送られ詰所を出発。
9時36分、登山道の指導標をたどって歩き始めます。雪面は硬く締まり、つぼ足歩行でも問題はないようです。途中、エコーラインの法面を登りますが、斜度がきついため私のテレマーク用シールでは、直登できず私だけ階段登行で登ります。弁天平と御田ノ神非難小屋を通過後、北斗リフトの下駅手前から、指導標のルートをはずれ北東に進みます。このほうが『馬の背』から『熊野岳』を目指す近道となります。山交リフト沿いに、5名ほどの登山者が『馬の背』を目指して歩いている姿が見えます。
10時05分、右股沢源頭を横切ります。大きな動物の足跡を見つけました。「熊かな?」はっきりはわかりません。さて、このあたりで最初の小休止をとります。休憩中は雨合羽の上着を羽織ります。パト詰所を無線で呼び出ますが、応答がありません。ここから馬の背までは、北斗リフトの北側の沢を一つ挟んだところを登ってゆきます。このルートはスノーモービルのコースであることをKZMIさんに教えてもらいました。天候は、なおも快晴です。『馬の背』まで登ると風は急に強く冷たくなってきました。ここからは、『馬の背』の指導標と平行して、その西側のルートを『熊野岳』に向かって進みます。
11:00左股沢源頭付近に到着。昨年の遭難者捜索の時、KZMIさんはここから仙人沢源頭部に入って行き捜索をしたそうです。その際、藪に足を取られ四苦八苦したそうです。また、この左股沢源頭は、平坦な『馬の背』から急に落ち込んでいるので、視界のないときは迷い込まないように要注意です。晴れた日に『熊野岳』から『馬の背』を滑走する場合であれば、今回登ってきたルートを滑り降りるのも良さそうですが、視界がない時は仙人沢に迷い込む恐れがあるので、登山道の指導標をたどるコースをとるべきでしょう。源頭から少し進んだあたりで2回目の小休止をとります。パト詰所と交信を行ないます。
11:52〜12:55鞍部に到着。ここで昼食を取ることにしました。中丸山山頂はすぐそこなのですが、鞍部のほうが風もなく休憩をとるには都合が良いのです。KZMIさんがザックから“泡缶”を3本を取り出しました。いやー、ありがたい。H野さんがすばやく裏技で”泡缶”を冷やします。3人で「乾杯!」。それぞれ担ぎ上げた食べ物を出し合っての昼食です。カップ麺におにぎり、そしてさくら肉の大和煮にメロゴールドなど。楽しいひとときです。
13:04、中丸山山頂に到着。早速、ライザスキー場に向かって手を振ってみます。パト隊員から双眼鏡で確認との無線が入ります。山頂からの眺めは絶景です。それぞれが、携帯電話のカメラで思い思いの景色を写します。H野さんは、今回仕事で参加できなかったミラーマンさんにメールを送ります。そんなことをしていると、どこからともなくヘリの爆音が近づいてきました。かなり大きな音です。真下の蔵王沢からでもヘリが這い上がってくるのではないかと覗き込んでいると、2機の自衛隊ヘリが意外にも頭上を飛んでいました。
13:15、山頂を後に中丸山西斜面を滑り出します。この斜面は、雪解けが進んいてトド松が藪になって頭を出しています。快適な滑走ラインは取れません。しかし、程なく標高を下げて行くと、斜面は樹間の広いブナ林へと変わってきました。今年1月14日の捜索の際、吹雪に阻まれ山頂の捜索をあきらめて引き返した地点です。
ブナの木々を自然のポール代わりに快適に滑って行きます。思った以上に滑りやすい斜面で、思わずスキーを上げてポーズをとってしまいました。『いろは坂』の看板を確認したかったのですが、探せません。今度は、滑走する私たちの前を真白いウサギが走って逃げてゆきます。傍の小枝の木肌には、ウサギにかじられた痕が残っていました。徐々にブナの幹も細くなり、植生が密になってきました。滑り降りてきた斜面は、さらに西に延びていますが、そろそろ『滝見場』を確認しなければなりません。ルートを南に取り、仙人沢を覗き込める位置まで斜面を横切ります。小沢が一つ越えたところに、大きなブナが3本ありまます。ちょうど夏の登山道です。仙人沢は風下側になるので、雪庇に注意しながら縁をたどり『滝見場』まで下ります。
13:30、『滝見場』に到着。ツバメ滝は雪解けが始まっていて滝の流れが見えます。H野さんの携帯に、ミラーマンさんからメールが入ってきたようです。樹生がブナからナラなどの雑木に変わります。この後は、ライザスキー場のある対岸の稜線を見ながら、仙人橋への下降点を探して下ります。ペアTリフト降り場付近にある木造の小屋が目印です。霧の濃い日は、この目印も当てにはなりません。この地点から沢の下方を覗くと、木々の間に仙人橋が見えました。橋まではかなりの急斜面です。今日は気温が高いので雪面は軟らかいですが、アイスバーンのときは滑落したら沢底まで一直線といった斜面です。この急斜面を慎重に横滑りで下ります。雪面の一部に亀裂が入っています。夏道が横切っている箇所でしょう。雪崩を起こさないように通過します。
14:05、ライザスキー場到着。出発前は静かだったスキー場も、たくさんのスキーヤーで賑わっています。パト詰所に戻ると、パト隊員が出迎えてくれました。その後、クラブ会長達とパト詰所で即席の反省会を開き、スキーツアー研修会を無事に終了しました。皆さん、お疲れ様でした。4月にも、また研修会をやりましょう。 |
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