山行記録

【2003年04月23日/蔵王連峰 寒沢上部〜横川堰〜舟引林道(行方不明者捜索)】


【通過時間】

難場道入口(エコーライン)10:05〜板小屋跡10:45−10:55〜横川堰ずい道11:00〜舟引山東側11:30〜舟引林道11:35−12:05〜舟引林道(H850m付近)12:55


【メンバー】 上山市蔵王連峰山岳遭難対策委員会メンバー

【山行メモ】

3月上旬にライザスキー場にスキーに来て、その後、行方がわからなくなっている男性の捜索である。快晴となった昨日も、仙人沢源頭周辺の捜索が行われたが、手がかりはつかめなかった。今日は、一枚石沢源頭から伸びる県境尾根を中心に、寒沢上部の急斜面を含めた捜索が行われた。 

9:00ライザ会議室に集合し、今日の予定を確認した後、おにぎりと飲み物をザックに詰め込み2班編成で車に乗り込んだ。第2班は、石切場から板小屋へと続く登山道を進み、寒沢上部の急斜面一帯を中心に捜索をする。私たち第1班は、捜索隊長をヘッドに難場道入口から県境尾根を下り板小屋後で第2班と合流。その後、全員でトチ平を進み舟引き林道へと捜索することとなった。

われわれ第1班は、エコーラインのゲートを開けて、車で難場道の入口のあるカーブへと向かう。山スキーを履いていると、上空には県警ヘリ「月山」が捜索のためにやってきた。ここまで送ってくれた市役所の方たちと別れ捜索に入る。

まず、寒沢上部の斜面の変わり目まで進んでみる。急斜面を覗き込んでみるが手がかりはない。ぶなの根元の雪は、だいぶ解けて丸くえぐられている。急斜面の淵をなぞるように県境尾根へと滑り込んでゆく。この時期、スキー滑走には十分の積雪量である。この尾根は、霧が深くなると御田の神の平原から迷い込みやすい尾根である。今日は、予報とおりに小雨がぱらつくが、今のところ、霧は発生していないので視界は良い。

一枚石沢の大岩を確認し、県境線に沿って尾根を下る。大二階そして、小二階といわれる尾根である。雪がない季節は、笹薮となるこの尾根も、積雪期はスキー滑走には敵地であり、どんどんと迷い込みやすい尾根でもある。尾根伝いにそのまま南に下ると、難波沢に入り込んでしまう。舟引き林道への経由地となる板小屋跡へは、地図上の県境線を辿るように、西に進路をとる。南西斜面は日当たりが良いせいか、雪質が急にザラ目状となり、笹薮の一部露出し始めている。

板小屋跡にはすでに第2班のメンバーが到着していた。不明者の手がかり発見には至らないとのことである。小休止をしていると、南側の難波沢方面から、霧が湧いてきて、あっという間に視界がなくなってしまった。その後は、捜索隊長の後に続くように横川堰のずい道入口を目指す。堰に沿って林道があり、これを辿って舟引き林道へと進む。トチ平らといわれるところである。舟引き山手前には、昔のずい道の跡がある。雪面には、熊のものと思われる足跡があるがはっきりと確認はできない。ぱらつく雨はやまないものの、霧が晴れ、視界がきくようになると、南蔵王の峰峰が見渡せる。対岸には、昔、伐採木の運び出し用に利用した道が、思いのほか奥深くまで通っている。

11:35舟引き林道と合流をする。雨の中、味噌汁で体を温め、おにぎりを頬張る。あとは舟引き林道を道なりに下り、迎えの車と合流をするが、林道にはまだ積雪があり、標高850m付近までしか車が入ってこれないようである。雪が所々途切れているので、何度かスキーを脱がなければならない。12:55車に乗り込み、出合を経由してライザに戻る。

ライザ会議室で明日の捜索の打ち合わせをし、解散となる。今日も、発見への手がかりはつかめなかった。

【Photo】

     
寒沢上部   一枚石沢の『大岩』   小二階   板小屋跡
     
トチ平   南屏風岳を望む   舟引林道   舟引林道(H850m付近)

 

[2003山行記録]